2010年5月22日午前2時頃、長女を入れて3人で家を出た。26日午前1時過ぎに、再び神戸に戻って来る事になる、大分県への旅だった。

22日には、思いも掛けぬ事が一気に起こった。それを小出しに書いて行けば5月のブログも終了するだろうし、短い文章となれば読む人も増えるかも知れない。

思いも掛けぬ事とは、お兄さん(義兄)夫婦が連れて行ってくれた、私達にとっては一つひとつが目を瞠るような、充実した時だったのである。それが22日に全部起こってしまった。

22日の夕方から23日にかけて、大分では雨の予報がなされていた。お兄さん夫婦は23日に、ちょっとした所に案内してくれる積もりでいた。それが急遽22日ではどうかと、まだ山口の辺りを走っている私達に携帯で聞いて来た。

明日雨が降る事は我々も知っていたので、昼11時に耶馬渓のイオンモールで出会う事にした。咄嗟の配慮だったと思う。

下関から門司までを繋ぐ関門海峡大橋を渡ると、そこは一変して九州だった。

今まで見た事もない大きなイオンモールだったが、待つ事もなくお兄さんから電話が入った。私達のいる場所に来て貰って、向こうの車1台で目的地に向かう事になった。

最初に着いたのは或る茶屋だった。山道への入り口付近を思わせるこの店の佇まいは、田舎そのものの店だった。ここで昼食となった。それだけなら何も目を瞠るような事でもない。だが、ここに案内してくれたのだ。おばあちゃんの作る定食は、母親の味がした。

その娘さんが切り盛りをしているが、明るくてはきはきしていて気持ちがいい程だった。後でおばあちゃんを見た時、親子とも美形だと思った。それで目を瞠った訳でもない。何なんだろう。目を瞠ったのは、きっと温かさに包まれていたからだと思う。そしてもう一つは、この定食が300円だった事である。

御飯とみそ汁はちゃんと付いている。他に7品のおかずが付いている。豆腐やお浸し、野菜の煮付けに山菜や蒟蒻の刺身。ヘルシーと言う言葉で一括りに出来ないものがある。それが温かさなのだった。

棚には「耶馬美人」が4本乗っている。黒ラベルは麦で、白ラベルは米の焼酎だ。2本ずつあって、それぞれ20度と25度だった。以前お兄さんに戴いたが、これは旨い焼酎である。1本は当然私の手の内に入る運命となる。高価な幻の焼酎と言ってもいいのだが、ここでは半分以下の値段で買う事が出来た。さあ、私が買ったのはどれか? 黒ラベル、25度、麦焼酎である。

毎晩豊後高田にある家で飲んだのは、25度の「いいちこ」だった。「耶馬美人」は、神戸でちびちびやらないと勿体無い。

ここでは手作りの「柚子こしょう」を作っていて、とても美味い。お兄さんの話によれば、いつも作っている訳ではないと言う。籠の中に8個位入っていたように見えたが、結局私達は7個買ってしまった。帰り際の籠の上が何故か寂しそうだったけれど、これを作っている主人(娘)は喜んでくれただろうか。

饅頭も蒸していて、お客は何組かあったが皆に振る舞ってくれた。土瓶に入れたお茶を湯飲みに淹れて飲みながら食べたこの饅頭も、雰囲気も手助けをしているだろうけれど、絶品に思われた。

私の娘もテンションが上がり、ここの娘もテンションを上げてくれたのか、二人は並んで写真に納まった。私はお礼にオカリナを吹きたい位だった。お兄さん夫婦には、いい所に案内して貰ったと喜んだ。


今、22日の1シーンを書いている。早く終えて、美人と語り合いたい。私が口を利いてくれるのを今かと待っている。そう、「耶馬美人」と。