5月15日、月曜日、晴れ。

大和西大寺駅からキップを買った。また新しい買い方が分かった。近鉄線からJRに乗り換える時でも、1枚の切符で繋がるのだ。「のりかえ」をタッチして、JRをタッチして、西宮をタッチしたら、中央に細い黄色の帯が川の橋のように印刷された綺麗な切符が出て来た。

西宮アミティホールまで10分位歩くと、もう長蛇の列が出来ていた。4時半だと言うのに6時開演(開場5時30分)の「サックスでリラックス」の指定券を交換しようと並んでいる。

私は知っている。並んだからと言って、必ず前から順番に配られるとは限らない事を。一緒に並んでいる近くのおば様が、隣のおば様に言っていた。「こんなに並んでいるけど、幾ら早く並んでも後ろの席になったりするのよね」。私は心でニヤニヤしながら聞いていた。

いつだったか、5時55分まで葉書と交換してくれるが、もう誰も並んでいない5時半過ぎてから交換に行った。何と、その時のチケットは一番前だった。ドキドキしながら演奏(ピアノだったと思う)を聴いた事がある。

今回は、夕食をゆっくり食べたかったので、交換してから戻ろうと考えていた。16列の33番。真ん中より後、右寄りの席になった。

「ここ1番カレー」を食べたかったが、ついおかずを選べる店に入ってしまった。「ふわふわたまご」と言う大きな写真に惹き付けられて。優柔不断が情けないと思ったが、文字や言葉に弱い私には、仕方のない事だった。

おひたし、ポテトサラダ、煮鯖・・、これで十分だと思ったのに豚汁も注文。「ふわふわたまご」は、作ってすぐ持って来るそうだ。多いと思った。御飯は小にしたが、もうどうしようもない。御飯、みそ汁、ふわふわで十分だったのだ。深い悔恨の情までは湧いて来ないけれど、金額も増した。1000円近かった。おかずを選んで食べた意味がなかった。

ゆっくりゆっくり食べた積もりだったが、まだ5時過ぎだった。セルフサービスのコーヒーを100円入れて飲んだ。やっと18分になった。会場に行って席に座って寝ていようと考えた。しかし、着いたのが25分だったから、暫く並んで待った。こう言う時の並ぶ時間は長い。


辻本剛志(ソプラノ)、森下知子(アルト)、岩本雄太(テナー)、山添悟(バリトン)とピアノの大島忠則の面々がステージに現れた。パフォーマンスも面白かったが、それは今回は書く事を避けておきたい。長くなる恐れがあるからだ。何なに? もう十分恐れているだって?

サックスは、私のセルマーも押入れに何十年も眠っているが、それだけ音が好きだったと言える。このクァルテットは特別だ。ピアノのアレンジも花を添えているが、伴奏なしも素晴らしい。時々重奏の合間にソロが入るから、それぞれの良さは十分に感じ取る事が出来る。

どんな演奏か知りたいだろうから、曲目を連ねてみよう。


1. F.ロウ=ミュージカル「マイ・フェア・レディ」より~踊り明かそう

2. ジョン・レノン=プリーズ・プリーズ・ミー

~そろそろソロのお時間です~

3. 森正明=また君に恋してる

4. H.アーレン=ミュージカル映画「オズの魔法使い」より~虹の彼方に

5. 森繁久弥=知床旅情

6. 弾厚作=サライ

7. プッチーニ=歌劇「蝶々夫人」より~ある晴れた日に

8. シュミット=サクソフォン四重奏より~第4楽章

休憩20分

9. ショパン=小犬のワルツ、ノクターン第8番、幻想即興曲(ピアノ/リム・ユヒャン)

10. ジャクソン5=アイ・ウォント・ユー・バック

11. グレン・ミラー=イン・ザ・ムード

12. R.ロジャース=サウンド・オブ・ミュージック

13. 松村崇継=彼方の光

14. 大島忠則 編集=冗談音楽「痛快!お茶の間劇場!」

15. B.ウィーラン=「リバー・ダンス」より~キャスリーン伯爵夫人、ファイアーダンス

以上で、アンコールは阪神タイガースのテーマ曲。事前に300人に配ってあった例の風船を天井に向けて放った。それはそれで面白いアイディアだったが、阪神ファンではない者はどうすればいいのだろうか。


ピアノのリム・ユヒャンさんは須磨に住んでいるそうだが、私が注目している韓国人のピアニストだ。第2子がお腹にいるそうで、8月が出産予定だそうだ。ここでは女性の出演者は皆そんな事を話す。

「この韓国服はとっても都合がいいんですよ。お腹が大きくなっている事が分かりませんからね」

と、まだそんなに上手くない日本語で言った。10月も演奏すると言うから、相当タフだと思った。


森下知子さんと大島忠則さんは夫婦だが、事前に男の人から電話がかかって来たそうだ。

「『今度はオカリナはしないのか』と言うから、しませんと言ったら、ガチャンと切られてしまいました」

と言って大島さんが笑わせた。よく喋る面白い人である。言い方を変えれば、憎めない人なのだ。

手元のプログラムに、出演者の前回のコンサートの感想が載っている。そこの森下さんへ宛てた言葉に、オカリナの事があった。

「あんな広い会場でも、オカリナは意外と存在感があるんですね」


満足のコンサートだった。