4月29日午前11時、約束の時間に間に合わせる為に逆算をした。8時40分のバスに乗ればいいだろうと推測した。所が8時は40分ではなく47分だった。それでも7分遅いだけだから、遅れる事はなかろうと踏んだ。

大和西大寺駅に着いて4人の仲間と会ったのが10時57分だったから、私が最後でも、遅刻ではない。同じ電車に乗っていたと思われるS君は、ずっと前から来ていたようにどっかりと椅子に腰を下ろしていた。ははーん、私がトイレに行っている間の勝負だったのだ。

S君、K君、Yさん、Oさんとの5人で、平城京の大極殿を中心に見て回ろうと言う話をしていた。Oさんとは随分会っていなかったが、私と毎日のように会っていると言う。ブログの所為で、私の私生活は丸見えだった。

駅の中は広く、流石に土産物屋も並んでいる。「たなか」の柿の葉ずしも並んでいる。これを買って何処かで食べようと思ったが、すぐそこにカレーの店がある。えびすカレーと言った。そこには野菜カレー、カツカレー、ビーフカレーなどがあり、一番安いビーフカレーを食べた。400円である。「癖になる美味さ」と書いてあったけれど、微妙だ。

シャトルバスもあったが、人が並び過ぎている。5人は躊躇したが、歩いて目的地まで行く事にした。

大極殿のある広いエリアから朱雀門に行こうとすれば、近鉄奈良線の踏切を渡らなければならない。引っ切り無しに電車が行き来している為、4列位に並んだ観光集団は、その度に足止めを食らう。

ここで1.5時間の探訪ツアーを申し出たが、12時15分からのはもう満杯で、次は13時からとの事だった。時間がかかるのでセルフガイドシステムの携帯端末を借りた。保証金1000円は返した時点で戻るが、借用料の500円は戻らない。5ヶ国語で聴けるようになっている。遣唐使船の復元の側で、NHKのよく見るリポーターによるインタビューや食べ物の説明があった。

全部はとても見られそうもないが、携帯端末で説明を見たり聴いたりしながら歩いた。韓国語に切り替えてみたが、意味はよく分からなくても言葉は鮮明だった。それからずっと韓国語にして聴いた。訳は分からなかったが、韓国語の勉強の為に借りた気がした。身分を証明するもの(免許証、国民健康保険被保険者証など)がないと貸してくれないので、Yさんは借りなかった。その代わり、他のガイドの側で、楽しく詳しく話を聴いていた。それもよしだ。

周りは広々としていて四方はなだらかな山に囲まれ、とても落ち着いた素敵な環境にある。「大和は国のまほろば」。正にそんな感じを受けた。渡来した朝鮮人がこの辺りに来た時、「ウリナラ」と言っていた話を思い出し、納得していた。古に日本に渡って来た時、自分達の国によく似ていたのだろうか。思わず「私たちの国!」と叫んだのだろうと思う。ウリは私たちの。ナラは国の意味だ。そして、そのナラが奈良となったと言う説が有力である。

大極殿の南門広場では、衛士隊の再現に出会った。なかなか趣があった。少し人垣の後から眺め、大極殿の敷地に足を入れた。大きな新設の花壇が十幾つか並べられ、パンジーが美しく花開いていた。

この頃になると、皆疲れが出たようだった。主に歩き疲れだが、私は歩く事には堪えなかった。1時間弱のウオーキングが役に立ったのだと思った。

大極殿の中に入ってみる事にした。無料だが、人の行列が長い。それでもゆっくり動いていて、じっとしている事はなかった。

天井下の四つの側面には白虎、朱雀、青龍、玄武が描かれ、中央には高御座が威容を誇っていた。その前の説明をデジカメで撮ったがはっきりせず、判読しながら写してみよう。


高御座は、国家儀式の際に天皇が着座した玉座です。奈良時代の高御座の構造や意匠に関する記録はなく、詳細は不明です。ここに展示した高御座の模型は、大極殿の機能や広さを体感できるように、大正天皇の即位の際に作られた高御座(京都御所に現存)を基本に、各種文献史料を参照して製作した実物大のイメージ模型です。細部の意匠や文様は、正倉院宝物などを参考に創作しました。


人出が多いと、お祭気分で回ってしまう。天平衣装体験と言うのがあり、男女ともこれを着て大極殿の周りを散策する。レンタル時間は1時間で、300円だ。ちょっと着て写真を撮る事にしたが、1時間半の時間待ち。これには流石に疲れを隠し切れず、シャトルバスで再び大和西大寺駅へ。20分程で着いた。

今N君は出雲に帰っているが、この5人はN君と共に2008年の9月7、8、9日に釜山へ行ったメンバーだ。今回はK君が計画を立ててくれたが、これから「コリアタウン」へ行く事にしていた。

桃谷から歩いた。商店街も鶴橋よりはごちゃごちゃしていない。暫く歩くと神社がある。そこを右に曲れば間もなくコリアタウンである。「韓国みたいね」と、口々に言っていた。もう一つの目的は買い物。韓国海苔とキムチだ。海苔の缶は全員が買った。私の一押しだ。

そこを出てすぐ斜め左に、これもお勧めのキムチが売られている。500円、1000円。それぞれに、重いキムチを買い、「重い重い」と言って歩いた。ここでは「辛ラーメン」の5個入りをYさんが買ったので、2つ分けて貰った。これもお勧めで、辛い物が好きな人には堪らない。日本のラーメンと同じように鍋で煮て出来上がりだ。早く食べたい。

YさんやOさんが、これお餅? と聞いた。

「トックと言うんだよ。トッポッキを売ってるから、そこで買って歩きながら食べよう」

と言った。戻る道にそれはあり、200円だったら5個はある、とアジュンマが言った。そぐにアガシが出て来て、6~7個、それに小さな揚げも入れてくれた。

「こんなにあるの」

と聞くと、

「サービスよ」

と返って来た。

爪楊枝も5本ついていた。辛いけど、皆美味そうにして食べながら歩いた。Yさんの奢りだった。


さっき電話で予約した鶴橋の焼肉店「三松」に行った。3年前にコリアタウンからこの焼肉街に移転していた。3階に上がったが、「まだ上がある!」とOさんが言った。

Oさんは東京から娘さんの住む西宮界隈に来ている。だからいつまでいて、またいつ来るかなどは分からない。私のこれからのオカリナを演奏する日程を知らせた。すると、Yさんも来ると言ってチケットを買ってくれた。S君とK君は前から聴いてくれる事になっていたので、「シマさんの発表会」のチケットを渡した。態々来てくれると言うのが嬉しい。


ビールが美味い。先ず生ビールで乾杯。その後、私はマッコリを1杯頼んだ。500円はちょっと高い気もする。皆も飲むと言うので、ボールに入ったのを頼む事にした。これは2800円だったが、10杯は飲めた。今度から、1人でもこれにしたい。ちょっと冗談も雑じっているが本気でもある。

上カルビを勧めたが、上ロースが食べたいとS君が言った。遠慮なしに注文する事にした。1人前1900円とか1800円とかを人数分を注文する。担当のお姉さんに韓国語で言ってみたが通じなかった。中国人だと言った。愛想の良さそうな感じの子で、ここに勤めてから1年になると言った。

私は中国語が分からない。肉を指差して、

「ハオ ブハオ?」

と言ってみた。これしか知らない。すると、

「ハオ」

と言ったのだった。たったこれだけの事だが、通じると嬉しいものだ。

誰かが聞いてくれた。オカリナ吹いてもいいか、と。

「リュブリャーナの青い空」と「トルコ行進曲」、それに「アリラン」を吹いた。酔いに従った音がしていた。

リーズナブルなものは2人前で3600円の盛り合わせだと言う。それを6人前頼んだ。上ロース、上ハラミ、上ツラミのセットだ。本当に旨い。K君によれば、タレがいい味だそうだ。

紙面が限られているので、会話は省略して、そろそろ終わりにしたい。S君は笑った時の顔が魅力的だと、2人の女性は言う。今日は特に笑いが多いと思っていたが、何とポーンと余分に出してくれたので、我々一人ひとりの支払いが半分で済んだ。当てにしてはいけないと思いながら、内心は喜んでいる。本当に紙面を借りて感謝したい。

楽しい1日は、このようにして過ぎた。


近鉄奈良駅までは三宮から阪神電車に乗れば直通だ。便利になったものである。しかも2つ手前の駅大和西大寺まで880円は安い。これから何度か行く事だろう。

三宮から9時33分発の快速急行に乗った。50分程で鶴橋駅に止まる。そこから生駒駅までがノンストップで、かなり長い。途中で、ああ遅刻かなと思ったが30分位で大和西大寺駅に着いたのだ。三宮駅から1時間20分あれば奈良まで来れると言う事が分かった。これからが楽しみである。

楽しかった事を4名の友に、重ねて報告して置きたい。