毎日のように「オオサワオカリナ」が頭に上って来る。まるで恋人ででもあるかのように、浮かんでは浮かび、沈んでは浮かぶ。まだ夢に出た事はなく、うなされた事もないのだけれど。

この2010年3月に発売になったAC TRIPLETは、4月発売予定の同種のライトウエイトを除けば4種類ある。

どれか1本を選ぶとなると、取り敢えずパンフレットから決めておきたいのが人情と言うものだ。旅の計画をしているようで、わくわく感もある。

値段と仕上とタイプで選ばなければならない。存分に試奏出来れば1時間もあったら決定出来るだろう。他のオカリナを名古屋まで行って、3時間試奏して買って来た事を思えば短い時間だ。

値段はこうなれば高い安いとは言っておられない。1年間貯金をして買う計画を立てているが、1年間思い続けるのは体に毒のような気もする。けれど、辛抱、辛抱、か。

値段は2種類ずつ同じで、126,000円と105,000円だ。目から芽が出て来そうだ。半分にならないか?

段々選び難くなるが、次は仕上だ。これは漆仕上とナチュラル仕上がある。値段が違う訳でもなく、

「漆仕上」は、まろやかで芯のある音色を特徴とする(繊細かつ大胆に通る音をイメージ)。

「ナチュラル仕上」は、素朴で広がりのある音色を持つ(大和民族の心に響く音をイメージ)。

の違いが強調されている。ここで私はどちらを選ぶのか。

まろやかか素朴か。芯があるか広がりがあるか。繊細かつ大胆か大和民族か。通る音か響く音か。

もう、頭がこんがらがってしまう。素朴な音もオカリナ本来の音だと思うし、それを脱出した芯のある音も魅力がある。ほんの短い時間全部吹いてみた事はあったが、すっかり音を忘れていて参考にならない。

今の私が求めているのは、素朴さではなく繊細かつ大胆な芯のある音色なのである。すると、取り敢えず漆仕上に軍配が上がる。

次が厄介な、タイプなのだ。

「ノーマルタイプ」は、日本人の演奏方法に適している(比較的弱い息圧でも十分に存在感をアピール)。

「ソロタイプ」は、広い空間でもその魅力を存分に発揮する(大沢聡氏の息のスピード、圧力、音程、音量をそのまま再現)。

と書いてあるのだ。何にも書いてなければ私はソロで演奏するので、一も二もなく「ソロタイプ」に決める事だろう。しかし、大沢さんと同じものが再現されているのであれば、全く私には無理だと思うのである。何よりも肺活量の違いが決め手となる。そんな楽器が吹ける訳がない。

それなら「ノーマルタイプ」でいいではないか。そう、その通りだ。だが、インターネットに書いてあった事を思い出すと、ソロタイプもノーマルタイプも、ピアノ、琴、ハープ、弦楽器などの楽器と演奏が可能で、ソロのトリプレットはグランドピアノと対応出来るとあった。ノーマルはアップライトピアノと対応出来、アンサンブルに適しているとあったのだ。グランドピアノとマイクなしのソロタイプで演奏出来るのは理想とする所ではあるが、ここはもう、吹いて試してみなければ、何とも言えないのだ。

これまでの事を総合して考えてみると、私が求めているのは、漆仕上は決定した事になる。後は、ソロかナチュラルか。それによって値段は違って来るが、それはもう問題とはしない。

ソロかナチュラルか。頭はその2つで駆け巡る。強いて言えば、値段が高い。なので、辛い。

イカロスで十分満足ではなかったか。しかし、吹くに連れ、強い息が入った時に対応が出来なくなった。肺活量は全く弱いのに、息のスピードはあるのだ。厄介な話である。何と悩みは深い事だろう。


もっと他のオカリナの事も書こうと思ったが、何れ違う日に書いてみる事にしたい。