丁度10時半だった。

練習場に入ると、今日は7人がいた。一人は初めてではあるが、よくフェスティバル会場で見る顔だった。

私がオカリナを教える柄ではないのだけれど、頼まれれば嫌とは言えない。オカリナの事だったら、出来るだけの事はしたいと思っているのだ。いつ体が動かなくなるか分からない。何も認識出来なくなるかも知れない。それまでは、オカリナ人生だ。

今日皆と練習したのは、「オナラ」「七夕」「リュブリャーナの青い空」である。

「オナラ」は、その演奏構成を聞かれた。大体聴かせて貰った流れでいいと思った。少し意見を言わせて貰って、その線で行く事になった。

一人が1,600円でリコーダーを買って来ており、彼女が「オナラ」の間奏部分をそれで吹くと言う。二度程私が吹いて、感じを掴み取ろうとしていた。私は独特の吹き方をするので、楽譜通り素直な吹き方をした。リコーダーを挟むと、何とも言えぬ韓国の音が蘇る。

彼女は、家で練習すると言った。

「七夕」は初めの3連譜の部分と、35・36・37小節が難しい。その辺りを細切れに吹いている感じがしたので、滑らかに吹くように指示した。織姫様に、永遠の愛を捧げるような気持ちで吹くようにと。でも、よく練習していて、後は気持ちを合わせるだけだと思った。繋ぎのソロがあるので、ここが聴かせ所だ。

「リュブリャーナの青い空」は、最初の装飾音を皆で一斉に出すのは難しいが、そこを何とかクリアーして、スタッカートとスラーを巧みに吹き分ければ、相当な曲に仕上がる。最後は、高音の「レーミーーー」で終わるのだが、そこの所は徒に息を入れるのではなく、腹筋を使って音を出す方が響きがいいので、そうするように言った。これは、腹筋を使える人でないと今すぐにと言う訳には行かないとは思う。

ドラムが置いてあるので、私がドラムを叩いてリズムを聞きながら吹いて貰った。

Mさんがソルジェンテの1Cを持って来て吹いていた。水の滴るような音がする。私も持って来ていた。勿論嫁入りをさせる為だ。すぐに買い手がついた。と言っても、買った時そのままの値段で買って貰った。商売ではないので、損得はない。しかし、注文すれば6ケ月はかかる。アルトのFが欲しいから注文すると言う人もいた。一先ずは、一件落着だ。もう、未練はない。

毎月来て欲しいと言われていて、皆が望めば行ってもいいかと思っている。「招かれざる客」にはなりたくない。


後、皆でいつもの「開花亭」に行った。稲庭うどんセットを注文する人が多かったが、2人は例の草鞋のようなカツを頼んでいた。私は生ビールと、今回はそれやひつまぶしを止めて、カキフライ定食にした。大きなフライが7個も付いていた。富士には月見草がよく似合うと言うが、ビールには揚げ物がよく似合う。

奈良遷都1300年のオカリナフェスティバルの話や私の演奏する日々の事を話したりした。6月6日のシマ唄発表会の演奏の話もして、チケットは取り敢えず3枚売れた。

Mさんが大沢さんに数日先に会うと言う。「オオサワオカリナ」が半額にならないか聞いておいて、と言った。何なら、只にならないかと。そんなアホな! 有り得ない事は、想像で楽しむしかない。でもなあ、12万6千円なんて、どうしても今は無理だ。6万円? それなら借金してでも掻き集めて、すぐに買う! 何と想像は逞しく、楽しいものなのだろう。けれど、すぐに手に入ったら、何の楽しみもなくなってしまう。Mさん、そんな事聞かなくてもいいよ。こつこつ1年かって貯めるから。


雨はまだ止みそうにないが、北区の方では高速道路が通行止めになっているとラジオが言っていた。ここでも、身震いする程寒い。そんな中、バスを10分待った。「リュブリャーナの青い空」「コンドルは飛んで行く」「川の流れのように」をどのように吹こうかと考えながら・・。

帰ったら、すぐに吹こう。