「エトピリカ」が葉加瀬太郎のヴァイオリンに乗って流れた。12月6日の「題名のない音楽会」である。彼の作曲に拠るもので、アイヌ語で美しいくちばしを意味する海鳥の事だ。

来年2010年はデビュー20周年だそうだが、そんなに経っているとは思えなかった。それは、最近の演奏曲の印象が強いからだろうか。「情熱大陸」は何度聴いたか分からない。

音楽の原点が3つあると言う。1つは堀川高校で、1学年40人、120人程の高校だった。夏休み明けには定期演奏会があり、佐渡裕さんも来て演奏を聴いていた。

「その時からそんな髪型?」

と、鳥の巣のような頭を見ながら聞いた。

「佐渡さんが入って指揮をすると、一気に音が変わるんです」

と話す。指揮者の存在を、改めて見直してみる。

2つは14歳の時日本人ヴァイオリニストに憧れて、ヴァイオリンを始めたと言う。それがジュリーのように格好良かった古澤巌だった。ここで「2人のヴァイオリンのためのエチュード・カプリス」(ヴィエニヤフスキー)を2人は弾いた。

葉加瀬がかつて憧れていた古澤は、講師だった時彼の事を「100年に出るか出ないかの・・」と賞した。そして葉加瀬に「東京にもどったらヴァイオリンやろうぜ」と言った。

2008年に「THE VIOLIN BROTHER」を結成し、「Swingin’ Bach」を披露した。J.Sバッハの2人のヴァイオリンのための協奏曲だ。

「ヴァイオリンをそろそろ止めようかと思っている時にいつも古澤さんが覗くのです」

3つめが、そんな時に現れた、

「80になっても一緒にヴァイオリンやっていようぜ」

と言う言葉だった。

二人は情熱的で楽しいが、このような人たちの頭の中はどうなっているのだろうと、いつも思う。

佐渡さんが葉加瀬太郎にリクエストをした。Favorite Songsとして。その弾いた3曲を見て貰いたい。

TAKUMI/匠 ビフォーアフターで流れている。作曲家・ピアニスト松谷卓による。

黄昏のワルツ NHK人間ドキュメントのテーマ曲。作曲家・ピアニスト加古隆による。

The Song of Life TBS系世界遺産のテーマ曲 ギタリスト鳥山雄司による。

こうして、「題名のない音楽会」は、色々な音楽やそれの関わる演奏家の極細切れの部分ではあるが、紹介をしてくれている。お陰で、音楽の楽しさに触れる事が出来たし、オーケストラと言う高い敷居が私の心から取り払われたような気がしている。向こうはこちらに対して、そんな事全く感じてはいないだろうと思うけれど。