「阪神淡路大震災復興記念KOZMA主催第13回アマチュア管楽器コンクール一般クラス」にエントリーした。ソロ部門18歳以下クラス、一般クラス。ソロ部門音楽専攻クラス。ソロ部門15歳以下クラスとなっている。

親和女子中学・高等学校ホールは、7~800人位入れると思うが、よく数えていない。3~40人の人が聴いている。コンサートと違うのが、この人数である。

私は22番。一般クラスのトップ出場だ。譜面台を持って出る女の人に続いて、私とピアノの伴奏をお願いしたSさんがステージの位置についた。私の譜面台は、倒してオカリナを乗せる為のものだった。礼をして、Sさんがピアノの椅子を調節して、後には引けない「千の風になって」の前奏が流れた。

7・8列目位に、2人の男の審査員がいた。私にとって、生まれて初めての、コンクール出場体験だった。管楽器と言えば、大きな顔をしてそれらの楽器に名を連ねられるオカリナではない。出場申し込みを決心したが、管楽器として受け入れて貰えるかが心配だった。それも、杞憂に終わったけれど。

それにしても、並み居るオーケストラで演奏される楽器に雑じってのオカリナ演奏だから、場違いだった感もある。けれど、オカリナの存在を示したい思いもあった。

最初の音を丁寧に出した。ともすると、まともに出せない最低音である。この音がしっかり出てくれれば、先ず後を頑張れると思った。

オカリナが優位の成績を挙げる事は余りにも可能性が薄い。私は、あの大フィルのヴァイオリニスト I さんが言ったように、最初から楽しんで吹こうと思った。アルトC管が終わり、ソプラノC管に持ち替えた。途端に1オクターブ上の音が響いた。勿論マイクなどないが、音響は素晴らしい。中・高で、こんなホールを持っている学校を、私は見た事がなかった。

審査されていると言う意識はなく、その所為か、ちょっと変則なビブラートを入れたりした。何故か不思議に上がったりする事もなく、自分の気持ちで吹く事が出来たと思う。何もしこりは残らなかった。

ステージに上がる前に、音出し室に入った。何人かが、思い思いにフルートを吹いていた。慣れたものだと思った。私は窓際に立ち、オカリナをバッグから取り出すと、ちょっと吹いてみてから外に出た。何だかブラスバンドのクラブの生徒が練習しているような、懐かしいような新鮮なような思いだった。

一般クラスの演奏も上手いと思ったが、その後の音楽専攻クラスのソロは流石に音が違い、聴く方にしてみれば、楽器の性質や音を十分に堪能出来たと思っている。

アンサンブル部門と言うのもあったが、一般クラスと音楽専攻クラスの楽器名と曲名をお知らせしよう。コンクールとは、こんな要領で行われるのだ。入場から6分経ち、チンと音が鳴らされて、即途中で止めた人も何人かいた。これは審査には影響しない。私は、最後に盛り上がりを持って来ていたので、チンと言う音だけは聞きたくなかった。


一般クラス

22.兵庫県 オカリナ 千の風になって(新井満)
23.大阪府 リコーダー イサベラ・ガエッタ(不詳)
24.京都府 フルート 優しい鳥(リヴィエ)
25.大阪府 フルート フルート協奏曲第1番ト長調(シュターミッツ)
26.三重県 フルート フルートコンチェルトニ長調第1楽章(ボッケリーニ)
27.京都府 フルート おしゃべり(ドンジョン)
28.兵庫県 フルート エレジー(ドンジョン)
29.京都府 フルート シリンクス(ドビュッシー)
30.京都府 フルート 「魔弾の射手」による幻想曲(タファネル)
31.京都府 フルート 「無伴奏フルートのための12のファンタジー」より第5番(テレマン)
32.兵庫県 クラリネット クラリネットとピアノのためのソナタ(サン・サーンス)
33.兵庫県 サクソフォン プレリュードとサルタレロ(プラネル)
34.兵庫県 サクソフォン ワルツ形式のカプリス(ボノー)
35.大阪府 サクソフォン バリトンサクソフォーンとピアノのためのコンチェルト(サンジュレー)
36.大阪府 オーボエ オーボエソナタより第1楽章(サン・サーンス)
37.大阪府 トランペット コンサートピース第2番(ブラント)
38.兵庫県 トランペット アンダンテとアレグロ(バレー)


ソロ部門 音楽専攻クラス

39.大阪府 フルート 黒つぐみ(メシアン)
40.奈良県 クラリネット クラリネット協奏曲第2番より3楽章(ウエーバー)
41.大阪府 クラリネット イタリアン・ファンタジー(ボザ)
42.大阪府 サクソフォン ソナタ 嬰ハ長調第1・2楽章(ヂュクルック)
43.兵庫県 オーボエ オーボエソナタ(プーランク)
44.大阪府 トランペット 奇想曲作品47(ボザ)
45.愛知県 トロンボーン トロンボーンとピアノのための小協奏曲変イ長調作品4(デイビット)
46.兵庫県 チューバ ソナタ1番ヘ長調(マルチェロ)

専攻クラスは何度も言うようだが、将来のプロの訓練生である。素晴らしい音を奏でていた。時には強く、時には繊細に、超絶技巧ありで、曲の表情が豊かだった。

この後、一般クラスまでの評価があり、まあ、納得? の評価だった。兵庫県芸術文化協会賞などの賞は、音楽専攻クラスが貰うと思う。それで、金賞、銀賞、銅賞が張り出されていた。私は銀賞だった。このエントリーを見れば、審査員向きに吹かなかった事も含めて、納得出来る賞だと言うより、評価のランクである。コンクールなどと言うものに、出場した事に意味があると思っている。老い耄れの、ささやかな挑戦であった。それは、オカリナの評価への挑戦でもあったのだ。

金賞の評価でも貰えれば、今頃焼酎がどれだけ旨かった事だろうかと思うが、まあ承知の上だから、銀賞で良しとしなければならない。随分かけ離れた、最年長の挑戦が終わった。


ホールの外には各自の小さな箱が用意してあり、聴いていた人のメールが入れられるようになっていた。何故か4枚入っていて嬉しい思いをしたが、その文章を載せて今日の記念としたい。


○ やさしいピアノのひびきがこの曲とオカリナにすごくあっていてよかったです。

○ オカリナ久しぶりにききました。低音から高音までとてもきれいにひびいていてよかったです。

○ “名演奏”良かったですヨ。特に高音の後半は他のオーケストラ楽器にひけをとりませんでしたヨ。しかし、相手もなかなかやりますネ。

○ 本日は私の心にしみる曲のひとつになっている“千の風”のオカリナを聞かせて頂きとても感動しました。十年看病しました亡夫の亡きあとこの曲が耳に入り、至らない看病にいつも涙が流れていた私を癒してくれていたので、オカリナのすばらしい演奏に感動いたしました。ありがとうございます。ますますのご活躍をお祈りいたします。

こうしてコメントを下さった方がいらっしゃった事に、心からお礼を申し上げたいと思う。そして、何よりも嫌な顔一つしないで私如きのオカリナの為にピアノの伴奏をして下さった素敵なピアニストSさんに、心底からお礼が言いたい。その音は、いつもオカリナや演奏する曲に合わせて、優しく、強く、弱く、繊細に、縦横無尽に変化する。素晴らしいとは、いつも聴いた人から必ず聞く言葉だ。

一つ言い忘れていた。今日のドレスと靴はとっても似合っていた事を・・。