お昼の12時過ぎに、3人で病院に向かった。

途中娘が、

「一姫二太郎三なすびって言うよね」

と聞いて来た。

「それは、一富士ニ鷹三なすび、って言うんだよ」

と言うと、

「えっ? 一姫二太郎三なすび、って言わないの」

と聞き返した。本当に知らなかったのだろうか。危うく噴き出してしまう所だった。

「最初は女の子の方が育て易いって事でしょ。なすびはないよ」

と、ハンドルを握りながら、連れ合いが口を挟んだ。

間もなく病院に着いた。ずらっと新生児が、ガラス張りのショーウインドウのようになった所に並んでいる。こちらを向いていたので、ついこの間買ったデジカメで、1カット写した。喜んでいる間もなく、カーテンが閉まってしまった。

「1枚でも写せて良かった。こりゃあ、ショーが終わったみたいだなあ」

と、思わずそんな言葉が独りでに口を搗いた。隣に居た女の人が、おかしそうにしていた。



実は、昨日(26日)の朝、7時30分に、末の娘に女児が誕生したのだ。

夜中の3時に病院に行き、大変だったろうとは思うが、初産でこの位の時間で生まれたのは、安産だったと言える。娘は、よく頑張ったと思う。

私は26日は夕方会いに行った。ガラス張りの向こう側には、12人の赤ちゃんが、同じような顔をして、並んでいた。向こうの二つの保育器にもやや小さな男児が別々に入っていた。同じような時間に生まれた赤ん坊は、向かって右側に、こちらに布でくるまれた足を向けるようにして並んでいる。うちの赤ちゃんは、一番右にいた。左に行くに従って、1日前、2日前の赤ん坊が並んでいた。皆で14人の赤ちゃんは、男7人、女7人だった。本当によく生まれて来てくれたと思った。これも、凄い感動ものの、生命の誕生だ。

旦那は元より、旦那の両親も来ていて、久し振りの挨拶を交わした。お母さんは4度も、お父さんも2度来たそうだ。娘も幸せだろう。

その後、向こうの両親が帰り、暫くして我々も帰った。

壁に赤ちゃんの人数が張り出してあった。今年この病院で、11月26日までに生まれた数976人。去年生まれた数1151人とあった。毎日、平均3人の赤ちゃんが誕生している。すると、垂水区では? 神戸市では? 兵庫県では? 日本では? 世界では? と考えると、夥しい赤ちゃんが誕生している事になる。

世界には、不幸な赤ちゃんも沢山いる。誰かが言っていた。「赤ちゃんは死ぬために生まれて来たのではない」と。辛い現実だ。




27日の今日は、また変わっていた。頭の形や鼻や口が違っている。少し小さくなっていた。

1日に赤ちゃんショーは3回ある。11時~12時30分。14時~15時30分。17時~19時30分だ。だから、昼過ぎに着いて1カット撮れたのがやっとだった。写真に表示された時間が12時30分。幕が引かれたのも、当然の事だった。

次のショーまで待って、今度はゆっくり見て帰った。夜は6時半に出かけることにしている。デジカメには収めたが携帯は忘れて行った。今から持って行って写して、私の妹達に送ってやらないといけない。とても見たがっている。

明日は、個室で赤ちゃんを見る事が出来る。抱かせて貰えるかも知れない。日増しに変化があるのが楽しみだ。泣けば見る。手が動いたと言っては見る。目が開いたと言うと見る。口が開いた瞬間を捕らえる事が出来た。これからの、デジカメの活躍を期待しよう。