「銃を撃った事あります?」
女性が、年の行った男に聞いていた。
「それはないね」
「韓国人は、やりたくないのですかね」
「徴兵があるから、その時やっているよ」
「日本人ばかりですよね」
「日本人は銃を保持する事が禁じられているからね。それで韓国まで行って体験するんだろうな。ハワイにもあるよ」
ここは、初級クラスの人達が終わるのを待っている、ロビーの椅子。私の耳にも入って来る。釜山の射撃場での爆発による悲惨な事故の事が話題になっていた。
教室に入ると先生が驚いたような顔をしていた。色々土曜日にあって、3回連続で休んでいたからだ。
「教え方が面白くないから来なかったと思っていました」
「いえいえとんでもありません。用事がありましてね」
「どんな用事だったんですか」
「ちょっと九州へ行って演奏していたり、卓球の試合があったりしていたものですから」
左の前方に並んで座っていた2人の女性がすかさずこちらを向いて、
「演奏なさっているんですか? どんな楽器ですか」
と聞いた。大沢さんの言うように、「へえ、そうなんですか。オカリナをなさっている。凄いですね」と言わせられるようになったらいいが、つい言ってしまった。
「大したもんじゃないです。オカリナです」
私の歯切れはもう一つだった。
「あの可愛い楽器ですか」
と先生が、口元で吹く格好をした。
「聴きたいです」
と女性の一人が言った。
今日は発音の話が多く、北朝鮮と韓国での発音は、昔からの発音がずっと使われているのが北朝鮮で、韓国は柔らかく滑らかな発音に変わって行く傾向にあると言った。イ・ビョンホンのイは李の漢字だが、北朝鮮では「リ」と読み、韓国では「イ」と読む。北朝鮮の人がイ・ビョンホンを呼ぶ時は、リ・ビョンホンとなる。
それから、韓国語では発音が曖昧だと意味不明となる話。「ん」の発音がそうで、山も三も床も「さん」と読むけれど、山は舌が上の歯茎に着いていなければならず、三は唇を閉じなければならない。床は口が開き息が鼻に抜けなければならない。日本語にもこのように区別される言葉はあるが、意識して使う事はなく、「ん」と聞こえれば分かってしまう。例えば、山と同じ発音をするものとして「案内」がある。三は「パン」があるし、床は「散歩」がある。しかし、意識した事もなく、多少曖昧でも意味は分かる。これは、それらを表す記号が韓国語にはあり、日本語には「ん」しかない所に違いが出てしまう。
また、言葉や単語の最初は清音で、濁音から発音する事は韓国人の中にはない。つまり、学校は日本では当然のように「がっこう」と発音するが、韓国人に読ませると、決まって「かっこう」となる。これは「か」と「が」の区別をする文字がないし、ずっとそう言う慣わしだからである。日本との悲しい出来事で、韓国人を見つけ出す為に、一人ひとりに十円と言わせ、「ちゅうえん」と言った者は殺されたと先生は言った。訛りの有る日本人でも「じゅうえん」と言えなかったら、巻き添えを食った人もいたらしい。
色々あったが、このブログは韓国語講座ではないので、この辺で止めておこう。
元々の朝鮮半島での言葉は15世紀の4中頃まで文字がなかったから、4代世宗大王が今ある文字の元を作った。これは表音文字で、元からの話し言葉を表す為のものだった。今は漢字も使われているが、それは韓国での事であって、北朝鮮では元来の話し言葉が重んじられ、漢字は使わないそうだ。だから、「チング」とは友達の事だが、これは漢字語なので、韓国の方で使われている言葉なのだ。ならば、北朝鮮では「トンム」と言う、と先生は教えてくれた。
北朝鮮では「チング」とは言わないが、韓国では「チング」を主に、「トンム」は「キルトンム(道づれ)」とか「マルトンム(話し相手)」などでは使っているようだ。
やっぱり蛇足が続いた。
次の週の夜、忘年会をするそうなので誘われた。けれどこの日はブログで意外な事が分かった人のフルートのコンサートに行く事にしている。もうじき場所と時間を知らせてくれると思うが、実現すれば付属して楽しい事が待っている。つまり、私とブログのフルーティストとの二人に共通した人と会えるかも知れないのだ。
この女性アーティストは、全国を股にかけて演奏して回っている、忙しい人だ。もう、行っていない都道府県はないと言っていたと思うが、大変なグルメで、その土地土地で食したものをブログにアップしている。それを見るのも、とても楽しいのである。
帰り、エレベーターに5人程が乗った。
「どうされたかと思っていました。お金が勿体無いねと話していたんですよ」
と声をかけて来た。
「多分月に2・3回しか来れないかも知れませんね」
と言った。
帰りの道によく人が並んでいる鯛焼き屋さんがある。気になっていたので4つ買った。1個110円だ。帰ってからすぐ皆と食べてみたが、餡子は粒餡でそこいらには無い渋い味がしていた。本当に柿のように渋い訳ではなく、絶品の餡子だった。側は食いちぎる感じで噛み応えがある。ちょっと癖になりそうだ。さすがに明石の鯛。これはちょっと違うか。
「鯛焼き みたか」と言う。次に買う楽しみが出来た。
もう一つ人の並んでいる「明石焼」の店があり、これは少し観察しておいた。20個800円。「2人で1つでもいいです」と書いてあったから、これは多分10個ずつ2つに分けて入れてくれるのかも知れないと思った。そうでなければ、1つを彼女と食べてもいいと、態々こんな事書かないだろうと思う。こっちは、食べる事を主に考えているのだからなあ。
鯛焼き。明石焼。鯛焼き。明石焼・・。来年の3月末、講座が終了する日はどちらになっているだろうか。
余談だが、昨日三宮のそごうに寄ってみた。本命は元町のヤマハなんだけれども。
地下には食品売り場があり、足が止まって動かないコーナーがあった。昼はカレーにしようと、かなり固く決心していたが、これを買って帰って、家で食べようと思った。牛飯だ。これはどこにだってあるし、吉野家にでも行けば結構安く食べられる。何が違うか。値段と表記だ。こんな小さな箱に入って1050円。けれどこう書いてある。「黒毛和牛 牛めし(創業明治4年初代安次郎より受け継いだ秘伝の味)」。文字には馬鹿が付く程弱い私である。一人がさっと手にとってお金を渡すとさっさと行ってしまった。後5つ残っている。ええい、弾みが大事だ。私も手にとってお金を払った。従業員はさっきの男に言った事と同じ事を言った。聞いていたから言わなくてもいいと思ったが、それは何とも言えない。
「傷みますので、7時までに食べて下さい」
昼食なんだから、夜食べる事はない。それより早く食べたいが、本命のヤマハに行く事が残っている。
この牛めしには、柿安と書いてあった。惣菜、昼食、夕食、オードブル、お弁当と、あらゆるシーンで利用出来る、メニューバリエーションが豊富に揃っている株式会社柿安である。
どうだったかって? はやく、そごうの地下に行きたい。旨い。柔らかい。顎が落ちそう。
余談ついでに、地下ではボジョレヌーボーの樽から、その場で瓶に入れて栓をしてくれるコーナーがあった。それはお金が貯まってから・・。来年でも待てる。だけど、牛めしは待てない。
女性が、年の行った男に聞いていた。
「それはないね」
「韓国人は、やりたくないのですかね」
「徴兵があるから、その時やっているよ」
「日本人ばかりですよね」
「日本人は銃を保持する事が禁じられているからね。それで韓国まで行って体験するんだろうな。ハワイにもあるよ」
ここは、初級クラスの人達が終わるのを待っている、ロビーの椅子。私の耳にも入って来る。釜山の射撃場での爆発による悲惨な事故の事が話題になっていた。
教室に入ると先生が驚いたような顔をしていた。色々土曜日にあって、3回連続で休んでいたからだ。
「教え方が面白くないから来なかったと思っていました」
「いえいえとんでもありません。用事がありましてね」
「どんな用事だったんですか」
「ちょっと九州へ行って演奏していたり、卓球の試合があったりしていたものですから」
左の前方に並んで座っていた2人の女性がすかさずこちらを向いて、
「演奏なさっているんですか? どんな楽器ですか」
と聞いた。大沢さんの言うように、「へえ、そうなんですか。オカリナをなさっている。凄いですね」と言わせられるようになったらいいが、つい言ってしまった。
「大したもんじゃないです。オカリナです」
私の歯切れはもう一つだった。
「あの可愛い楽器ですか」
と先生が、口元で吹く格好をした。
「聴きたいです」
と女性の一人が言った。
今日は発音の話が多く、北朝鮮と韓国での発音は、昔からの発音がずっと使われているのが北朝鮮で、韓国は柔らかく滑らかな発音に変わって行く傾向にあると言った。イ・ビョンホンのイは李の漢字だが、北朝鮮では「リ」と読み、韓国では「イ」と読む。北朝鮮の人がイ・ビョンホンを呼ぶ時は、リ・ビョンホンとなる。
それから、韓国語では発音が曖昧だと意味不明となる話。「ん」の発音がそうで、山も三も床も「さん」と読むけれど、山は舌が上の歯茎に着いていなければならず、三は唇を閉じなければならない。床は口が開き息が鼻に抜けなければならない。日本語にもこのように区別される言葉はあるが、意識して使う事はなく、「ん」と聞こえれば分かってしまう。例えば、山と同じ発音をするものとして「案内」がある。三は「パン」があるし、床は「散歩」がある。しかし、意識した事もなく、多少曖昧でも意味は分かる。これは、それらを表す記号が韓国語にはあり、日本語には「ん」しかない所に違いが出てしまう。
また、言葉や単語の最初は清音で、濁音から発音する事は韓国人の中にはない。つまり、学校は日本では当然のように「がっこう」と発音するが、韓国人に読ませると、決まって「かっこう」となる。これは「か」と「が」の区別をする文字がないし、ずっとそう言う慣わしだからである。日本との悲しい出来事で、韓国人を見つけ出す為に、一人ひとりに十円と言わせ、「ちゅうえん」と言った者は殺されたと先生は言った。訛りの有る日本人でも「じゅうえん」と言えなかったら、巻き添えを食った人もいたらしい。
色々あったが、このブログは韓国語講座ではないので、この辺で止めておこう。
元々の朝鮮半島での言葉は15世紀の4中頃まで文字がなかったから、4代世宗大王が今ある文字の元を作った。これは表音文字で、元からの話し言葉を表す為のものだった。今は漢字も使われているが、それは韓国での事であって、北朝鮮では元来の話し言葉が重んじられ、漢字は使わないそうだ。だから、「チング」とは友達の事だが、これは漢字語なので、韓国の方で使われている言葉なのだ。ならば、北朝鮮では「トンム」と言う、と先生は教えてくれた。
北朝鮮では「チング」とは言わないが、韓国では「チング」を主に、「トンム」は「キルトンム(道づれ)」とか「マルトンム(話し相手)」などでは使っているようだ。
やっぱり蛇足が続いた。
次の週の夜、忘年会をするそうなので誘われた。けれどこの日はブログで意外な事が分かった人のフルートのコンサートに行く事にしている。もうじき場所と時間を知らせてくれると思うが、実現すれば付属して楽しい事が待っている。つまり、私とブログのフルーティストとの二人に共通した人と会えるかも知れないのだ。
この女性アーティストは、全国を股にかけて演奏して回っている、忙しい人だ。もう、行っていない都道府県はないと言っていたと思うが、大変なグルメで、その土地土地で食したものをブログにアップしている。それを見るのも、とても楽しいのである。
帰り、エレベーターに5人程が乗った。
「どうされたかと思っていました。お金が勿体無いねと話していたんですよ」
と声をかけて来た。
「多分月に2・3回しか来れないかも知れませんね」
と言った。
帰りの道によく人が並んでいる鯛焼き屋さんがある。気になっていたので4つ買った。1個110円だ。帰ってからすぐ皆と食べてみたが、餡子は粒餡でそこいらには無い渋い味がしていた。本当に柿のように渋い訳ではなく、絶品の餡子だった。側は食いちぎる感じで噛み応えがある。ちょっと癖になりそうだ。さすがに明石の鯛。これはちょっと違うか。
「鯛焼き みたか」と言う。次に買う楽しみが出来た。
もう一つ人の並んでいる「明石焼」の店があり、これは少し観察しておいた。20個800円。「2人で1つでもいいです」と書いてあったから、これは多分10個ずつ2つに分けて入れてくれるのかも知れないと思った。そうでなければ、1つを彼女と食べてもいいと、態々こんな事書かないだろうと思う。こっちは、食べる事を主に考えているのだからなあ。
鯛焼き。明石焼。鯛焼き。明石焼・・。来年の3月末、講座が終了する日はどちらになっているだろうか。
余談だが、昨日三宮のそごうに寄ってみた。本命は元町のヤマハなんだけれども。
地下には食品売り場があり、足が止まって動かないコーナーがあった。昼はカレーにしようと、かなり固く決心していたが、これを買って帰って、家で食べようと思った。牛飯だ。これはどこにだってあるし、吉野家にでも行けば結構安く食べられる。何が違うか。値段と表記だ。こんな小さな箱に入って1050円。けれどこう書いてある。「黒毛和牛 牛めし(創業明治4年初代安次郎より受け継いだ秘伝の味)」。文字には馬鹿が付く程弱い私である。一人がさっと手にとってお金を渡すとさっさと行ってしまった。後5つ残っている。ええい、弾みが大事だ。私も手にとってお金を払った。従業員はさっきの男に言った事と同じ事を言った。聞いていたから言わなくてもいいと思ったが、それは何とも言えない。
「傷みますので、7時までに食べて下さい」
昼食なんだから、夜食べる事はない。それより早く食べたいが、本命のヤマハに行く事が残っている。
この牛めしには、柿安と書いてあった。惣菜、昼食、夕食、オードブル、お弁当と、あらゆるシーンで利用出来る、メニューバリエーションが豊富に揃っている株式会社柿安である。
どうだったかって? はやく、そごうの地下に行きたい。旨い。柔らかい。顎が落ちそう。
余談ついでに、地下ではボジョレヌーボーの樽から、その場で瓶に入れて栓をしてくれるコーナーがあった。それはお金が貯まってから・・。来年でも待てる。だけど、牛めしは待てない。