渡辺貞夫さんの恒例の「クリスマス・ライヴ」を聴きに、ザ・シンフォニーホールに行きたいと思うが、そう贅沢も出来ないので来年考えよう。12月11日午後7時からである。

チケットも安い方から売れるのでC席は既に売り切れている。B席5,000円、A席6,500円だ。交通費や食事代などを込めると、結局10,000円にはなってしまう。辛抱しなければ、他の事が出来ない。

渡辺貞夫さんは1933年生まれの76才である。この年で精力的にサックスを吹くのだから、私は何一つ愚痴や不満は言えない。それどころか、寧ろ勇気をさえ与えられるものだと思う。

通算70作と言われる「INTO TOMORROW」を是非聴いてみたい。貞夫さんの大信頼を得ているピアノのジェラルド・クレイトンとドラムスのジョナサン・ブレイクの共演も聴き所となろう。CD「INTO TOMORROW」が発売されているそうなので、これは機会と資金があれば是非欲しいものである。

ジャズもクラシックも垣根のない貞夫さんは、毎日必ずバッハを吹くそうである。ジャズのフレーズは練習しないのかとの質問に、「全然」と言って笑う。極めつけは、1日どれくらい練習するのか、と言うものだった。「いやー、時間のある限りね」と言って笑われたそうだ。プロの陰での練習は、誰でも想像を絶するほどハードなものなのだ。今更ながら思い知らされる。



私の田舎に町内が同じでよく遊んだ1・2年下のK.Y君がいた。何年か前亡くなってしまったが、音楽が好きで、いつの間にか田舎では知らない者がない程のトランペッターになっていた。

彼はクラブを経営し、そこでトランペットを吹いていたのである。亡くなる大分前だったが、田舎に帰った時一度クラブに彼を訪ねた事があった。ほんとに懐かしかった事を覚えている。彼に吹いてくれるように催促した。すると、歯が良くなくてしっかり吹けないと言いながらも、右手でトランペットを操り、左手はピアノを弾きながら聴かせてくれた。トランペット一筋の男だっただけに、上手いのは元より魅力の有る演奏だった。

今生きてくれていたら、ひょっとしてここでオカリナを吹けたかも知れない。このクラブには渡辺貞夫さんが訪ねて来たそうだ。今思えば、もっと早くからこのクラブに行っておけばよかったと思う事頻りである。