テレビ、題名のない音楽会で、「オペラ『運命の力』序曲」(G.ヴェルディー)が流れた。青島広志さんが問題を6つ出し、佐渡裕さんと共に解説をした。

まる(○)か、ばつ(×)か。オーケストラ入門講座のような話だそうだ。

第1問
オーケストラとは、管弦楽、或いは管弦楽団のことである。 ○
「オーケストラはバースデーケ-キみたいなものです。バースデーケーキはスポンジが大事でしょ? 弦楽器の多い、重要な所です。真ん中が細くなっていて、3層になってますね。上がヴァイオリン、中がヴィオラ、下がチェロです。底のタルト台は、コントラバスです」

第2問
ヴィオラは、ヴァイオリンを大きくした楽器である。 ○
「ヴァイオリンは主旋律を演奏し、ヴィオラは内声部を演奏するのです」
別々に聴かせてくれたが、ヴィオラは確かにヴァイオリンを支えている重要なパートだ。

第3問
コントラバスは、チェロを大きくしたものである。 ×
「ヴァイオリン属とヴィオール属があり、コントラバスはヴィオール属なのです。ヴァイオリン属は、ソ・レ・ラ・ミのように5度調弦がなされ、ヴィオール属は、ラ・レ・ソのように4度調弦されています」

第4問
木管楽器は、木で出来た楽器である。 ○
「フルート、クラリネット、オーボエ、ファゴットは、木で出来たものです。フルートも、元は木で出来ていました。今は、銀製の他に金やプラチナまであります」
「木管楽器は個性的で、バースデーケーキでのクリーム部分です。金管楽器にはトランペット、ホルン、トロンボーン、チューバがあります。これらは真鍮で出来ているのです」

第5問
弱音器は、日本の喜劇が生んだ。 ×
「これは、ジャズから生まれた奏法なのです」

第6問
金管楽器はヴァイオリンより起源が古い。 ○
「金管楽器は大きな音を出すので、古代から合図として使われていました。ホルンは角笛です。ヴァイオリンは、中世期からのものです」
「金管は、いちごなどのトッピングです。目立って強い印象を与え、打楽器との相性がとてもいいのです」
「打楽器にはティンパニー、シンバル、大太鼓があり、バースデーケーキの蝋燭です。楽曲を引き締めます」

出題が全部終わった後、誰だったかな? 解答者であった司会者かゲストが、こんな事を言った。
「これから、オーケストラの見方が変わりますね。ケーキの食べ方も変わります」。これには笑ったね。


再び、「オペラ『運命の力』序曲」が演奏された。そして、おさらいのテロップが流れては消えた。

○ ヴァイオリンは主旋律を演奏。

○ ヴィオラは内声部を演奏。

○ チェロ、コントラバスはオクターブ違いで演奏。

○ ティンパニーはオーケストラの柱。

○ 木管楽器は個性的な音色で表情を変える。

○ 金管楽器は仲間同士で和音を奏でる。

○ 打楽器はアクセントをつける。




その後練習に行ったコープの卓球教室に、半ば過ぎてから、いつか書いたあの男の子が入って来た。私は休憩していたが、彼はこう言った。
「やってくれへん?」
先週も来た事は、メンバーから聞いていた。私は大分県の杵築市にある特別養護老人ホームに行っていて、休んでいた。
「今みんな練習していて、場所が空いてないなあ」

仲間も外から覗いているが、今日はもう、穏やかな少年の顔だった。
「ここは10時から12時まで練習してるよ」
「ふうーん」
「何年生?」
「2年生」
「中学の?」
「うん。中学2年生」
「卓球部?」
「そう」
「この子らも? 部員は何人いるの」
「17人」
「女子も入れて?」
「女子は別で・・」
「自分のラケットあるでしょ」
「家にある」
「卓球する時は、自分のラケット。ちゃんと靴履いて、ユニフォーム着てやらな。自分のラケットじゃないと、やりにくくない?」
「うん。やりにくい」
あの一時流行した、穴の開いたオレンジ色のゴム靴を履いていた。こちらは来月の試合の為に、ダブルスを組んで練習をしている。暫く見ていたが出来ないと思ったのだろう、仲間とこの場から消えた。やっぱり彼が中心みたいだ。

練習が終わり、コープの角を曲がると少し先にバス停がある。男の子が5・6人、バス停のベンチにたむろしているのが見える。遠くから、その子じゃない誰かが目ざとく私を見つけ、仲間に知らせているようだった。こんな派手な黄緑色のユニフォームのままで歩いているのだから、分からない方がどうかしている。近くに来た時、「やあ」と言うように私から手を上げた。

「今度、ラケット持って行くわ」
と、あの少年が言った。