「朝から飲んでます」
と言ったら、何故か殆どの者はアルコールだと思っている。どう見てもコーヒーや紅茶やお茶ではない。ドリンク剤、牛乳、青汁、ダイエットの飲み物では更々ないと思っているだろう。先入観と言おうか、文から感じた習慣と言おうか。「朝から」がなければ何でも可能だが。
実は、やっぱりアルコール。断って置くが、アルコール依存症なんかではない。
朝、階段を見ると、日が経っていそうな箱があった。見ると「泡盛」と書いてある。もしかして、娘が私の為に持って帰ったものかと思たが、万が一誰かにやる為に置いているのだったら、勝手に飲むのはまずい。私にだったらこんな陰みたいな所に置かず、食卓などの目立つ所に置く筈だが、といらぬ詮索をした。
運良く、とんとんと階段を下りる音がして、会社へ行く用意を始めた。いつものように慌しい。早速訊いてみた。
「この酒だれの?」
「お父さんのや」
これで、所有権が私に移った。笑いが止まらない。
「どうしたん?」
「友達が捨てるって言ったから持って帰ったんや。ちょっと飲んでるで」
「ええっ、そうかいな」
「もういらんから捨てるゆってたから」
「これは古酒で上等や」と言いながら開けて見た。
「半分しかないぞ」
「半分でもいいやん」
そりゃそうに間違いはない。「南風 泡盛 本格泡盛 25°」と書いてある。
原材料・米こうじ アルコール分・25% 容量・720ml
沖縄県酒造協同組合
那覇市港町2・8・9(電)098-868-1470
泡盛も種類が多く、何処の? と言うより、匂いや味はそんなに変わらない。ただ、古酒は古くなる程丸みが出て美味い。10年もので43度と言うのを、沖縄の読谷村から来た兄妹で始めた「未卯(みう)」と言う名の店で飲んだ事がある。三宮駅(JRか阪急)のすぐ北側を西に歩くと「がんこ寿司」があり、その角を曲がるとすぐ右手にある。エレベーターで上がる店だ。10周年を終えている。
その10年ものはフルーティーで、まろやかだ。43度には驚いたが、先ず氷を沢山入れてロックで飲む。勿論、ぐいーっとなんか私には出来ない。そして、本来の味が分かったら適当な所で水割りかお湯割りにする。帰り際に、立ち上がろうとして腰がふらついた事を思い出す。余談だが、同期で行った宮古島で、60度の一升瓶を買った奴がいたのには吃驚させられた。
半分になっている泡盛のキャップを捻って開けた。あのいい匂いが鼻を抜ける。何年ものとは書いてないから、3年ものならいい方だ。
「これは、上等だぞ」
「ふーん、そうなん」
「これ、どの位経ってる?」
「古酒やから古いんと違うん?」
「その人が開けてからどれ位経ったか聞いとんのよ!」
「そら、分からんわ」
笑ってしまいそうな会話が終わり、私はオレンジ色の琉球グラスに冷蔵庫から沢山氷を掬い、それに入れた。そして、25度を注ぐ。なみなみとではない。ほんの2センチ位だ。「うまい!」。口が勝手に叫んだ。
ただ、朝飲む習慣はなく、元旦に飲むのを除けば、1月の上旬に男同士車に分乗して1泊の「新年を寿ぐ旅」をするが、その時の朝、飲む位だ。朝は飲まないし、晩酌の習慣さえもないのだ。
食前酒になったのか、ご飯が美味い。娘の弁当に詰めた残りの玉子焼き1切れ。フライパンで焼いた小さなハムの余り。それと「わさびのり」で十分だった。ガラッと玄関の戸が開いたと思ったら、娘のバス停へ向かう足早な音が遠ざかった。
泡盛のロック。このオレンジ色のグラスは最高だ。それは正に、掌に乗せた夕焼けだ。強く濃い泡盛の古酒は次第に薄まって、まるで夕焼けの夢のように氷に融けてゆく。
と言ったら、何故か殆どの者はアルコールだと思っている。どう見てもコーヒーや紅茶やお茶ではない。ドリンク剤、牛乳、青汁、ダイエットの飲み物では更々ないと思っているだろう。先入観と言おうか、文から感じた習慣と言おうか。「朝から」がなければ何でも可能だが。
実は、やっぱりアルコール。断って置くが、アルコール依存症なんかではない。
朝、階段を見ると、日が経っていそうな箱があった。見ると「泡盛」と書いてある。もしかして、娘が私の為に持って帰ったものかと思たが、万が一誰かにやる為に置いているのだったら、勝手に飲むのはまずい。私にだったらこんな陰みたいな所に置かず、食卓などの目立つ所に置く筈だが、といらぬ詮索をした。
運良く、とんとんと階段を下りる音がして、会社へ行く用意を始めた。いつものように慌しい。早速訊いてみた。
「この酒だれの?」
「お父さんのや」
これで、所有権が私に移った。笑いが止まらない。
「どうしたん?」
「友達が捨てるって言ったから持って帰ったんや。ちょっと飲んでるで」
「ええっ、そうかいな」
「もういらんから捨てるゆってたから」
「これは古酒で上等や」と言いながら開けて見た。
「半分しかないぞ」
「半分でもいいやん」
そりゃそうに間違いはない。「南風 泡盛 本格泡盛 25°」と書いてある。
原材料・米こうじ アルコール分・25% 容量・720ml
沖縄県酒造協同組合
那覇市港町2・8・9(電)098-868-1470
泡盛も種類が多く、何処の? と言うより、匂いや味はそんなに変わらない。ただ、古酒は古くなる程丸みが出て美味い。10年もので43度と言うのを、沖縄の読谷村から来た兄妹で始めた「未卯(みう)」と言う名の店で飲んだ事がある。三宮駅(JRか阪急)のすぐ北側を西に歩くと「がんこ寿司」があり、その角を曲がるとすぐ右手にある。エレベーターで上がる店だ。10周年を終えている。
その10年ものはフルーティーで、まろやかだ。43度には驚いたが、先ず氷を沢山入れてロックで飲む。勿論、ぐいーっとなんか私には出来ない。そして、本来の味が分かったら適当な所で水割りかお湯割りにする。帰り際に、立ち上がろうとして腰がふらついた事を思い出す。余談だが、同期で行った宮古島で、60度の一升瓶を買った奴がいたのには吃驚させられた。
半分になっている泡盛のキャップを捻って開けた。あのいい匂いが鼻を抜ける。何年ものとは書いてないから、3年ものならいい方だ。
「これは、上等だぞ」
「ふーん、そうなん」
「これ、どの位経ってる?」
「古酒やから古いんと違うん?」
「その人が開けてからどれ位経ったか聞いとんのよ!」
「そら、分からんわ」
笑ってしまいそうな会話が終わり、私はオレンジ色の琉球グラスに冷蔵庫から沢山氷を掬い、それに入れた。そして、25度を注ぐ。なみなみとではない。ほんの2センチ位だ。「うまい!」。口が勝手に叫んだ。
ただ、朝飲む習慣はなく、元旦に飲むのを除けば、1月の上旬に男同士車に分乗して1泊の「新年を寿ぐ旅」をするが、その時の朝、飲む位だ。朝は飲まないし、晩酌の習慣さえもないのだ。
食前酒になったのか、ご飯が美味い。娘の弁当に詰めた残りの玉子焼き1切れ。フライパンで焼いた小さなハムの余り。それと「わさびのり」で十分だった。ガラッと玄関の戸が開いたと思ったら、娘のバス停へ向かう足早な音が遠ざかった。
泡盛のロック。このオレンジ色のグラスは最高だ。それは正に、掌に乗せた夕焼けだ。強く濃い泡盛の古酒は次第に薄まって、まるで夕焼けの夢のように氷に融けてゆく。