「警察からのお知らせです。振り込め詐欺が復活しています・・」

しっかり聴き取ろうと思ったが、雑音に紛れて遠ざかってしまった。資本主義の世の中では、必ずこう言う事が起こる。貧富の差の酷さは、最早言うに及ばない。しかし、どの主義でも人の実力は同じではないので、結果はそんなに違う訳でもなく、貧富の差のない社会等、実現不可能だ。皆、お金が欲しいと思っている。

お金の量によって大富豪にもなれるし、十分な生活も出来る。考えようによっては、人に潤いを与えることも出来よう。しかし、ないと辛いものがある。だから、こんな酷い事をしてしまう犯罪が横行する。善悪を考える事もしない巧妙な知能犯だ。騙される方が悪いと言う人もいる。勿論、騙す方が悪いと言う人が多い。けれど、余生を楽しみに生きている老人を狙う等は最低で、明るい善き世の中を築こうとしているなら、騙すなど以ての外と言わざるを得ない。


昨日、家に帰る途中、バスに乗った。夕方6時前だった。込んでいて、つり革に掴まった私の目の前に、良く見るポスターがあった。例の警察庁から出された「重要指名手配」の・・。普通だったらチラッと見ただけで済ますのだが、ハッと思った。犯人の顔を何処かで見た、と言うのではなく、姓名の「名」の方が、全く私と同じ名前の人(人なのかどうなのか?)がいた。ええーっ、と思って見直した。読み方はちがっていたが、漢字は同じ(感じが同じならギョエーッ)。そんな事で見返すなんて、まだまだ修行が足りない(何の修行じゃ)。

これには、捜査特別報奨金が出ていて、5人には、1人100万円だった。右の1人は格が上がって200万円になっていた。どこかで見つけて100万円貰おうと思ったが、いやいや、そんな金要らない、と思い直した。殺人、強盗殺人・・。そんなのに出遭いたくなかっただけだ。こんな100万円、それは夢なんかではない。

どこかでオカリナを演奏して、お礼として何がしかを頂く。或いは、出演料を貰う。500円コンサートをする。ケーキか飲み物付きでサロンコンサートをしたりライブハウスで演奏したりする。こんな事で入って来るお金なら嬉しい。けれど、それは副産物で、聴いて貰えるのが第一だ。感動して貰える。もう一度聴きたいと言って貰える。それが、私の一番の大きな夢なのだ。


「指名手配のお前。逮捕する。オカリナの演奏をしろ!」
「嬉しいぃ。保釈金は用意しません。有りません!!」