運動会でみんなと一緒にダンスをすることが目標のAちゃん。


三年生の先生からできたてホヤホヤのダンス動画を頂いてからの指導、実践編です爆笑




まず、このAちゃん。


昨年はほとんどダンスに参加できませんでしたが、その原因には、体を動かすことの不器用さがありました。 

昨年度二学期末の面談で、お母様に
「アルプス一万尺ができないんです…」
というお話を聞き、三学期に指導してみましたが、やはりタイヘンでした💦💦😅


アルプス一万尺は、確かに目の前の人と左右逆(実際には同じ)の動きをしなくてはならないので、Aちゃんは大混乱。

パン!右、パン!左、パンパン!右左……

などと口で言っても全く体を動かせません。


耳で聞く情報と、目の前の私の動きが一致しないことが原因だと思いますが、ゆーーっくり最後まで通すのに二時間かかりました。 



この経験を元に、どのように指導すればAちゃんが動きを理解し、実際に自分が動きやすいのかを考えました。


①頭で理解させる。
AちゃんはWISC-Ⅳ(知能検査)では言語理解とワーキングメモリが長けています。

そんなAちゃんはフィーリングで「こんな感じよ」と言っても、真似をすることはできません。
(大抵の子供はこれでOKです)

なので、振り付けに動き方を表す言葉をつけて、歌詞として覚えてもらいました。 

右まる、あわせてパンパン! 
 左まる、あわせてパンパン! 
 くるくるくるくる 外、中、外………

という具合です。
歌詞を頼りに動きを思い出すという形にすると短時間で振り付けを覚えることができました!


②左右の区別を分かりやすく
左右が分からないので右手に絆創膏を貼りました。(輪ゴムはイヤだというので…) 

このダンスは右から始まる動きがほとんどだったので、絆創膏を意識すると迷わずに体を動かすことができました。



③友達とチャレンジすること
苦手なことにチャレンジするのはハードルが高いですよね。
そこで、同じ時間帯に指導を受けている女の子に一緒に練習に参加してもらうことにしました。
2人で「あれ?こうだっけ?」「こっちだったね」
などと和気あいあい取り組むのが楽しかったようです。

すると、
一回目は先生の見本を見て踊り、

二回目は先生と一緒に踊り、

三回目は自分たちだけで歌詞を口ずさみながら踊る

という流れができました。

これをくり返し、一つ一つの動きを加えていくと、
なんと最初の一時間の指導で、
メインの(何度も繰り返す)動きの半分をマスターしてしまったのですキラキラキラキラキラキラ


その後はするすると進み、
学年練習にも前のめりになって一生懸命取り組むようになりました!!!

一年前、
「やりたくない!!!」と校内を逃げ回り、
なんとか捕まえて「体育館に入ろうよ」「ここで座って見ていようよ」説得したAちゃんは、遠くの彼方にいってしまいました。


私が指導したのはたったの二回です。


あとは、家でDVDを見せてくれた保護者と、Aちゃんのやる気です。

Aちゃんはもちろん特訓をしたわけではありません。

取り組ませ方を工夫しただけで、ここまで成果が出る!

特別支援ってすばらしい爆笑キラキラ

と自分の支援やチャレンジの意義を実感できた素晴らしいケースでした。



こんな実践をどんどん増やしていけたら…
今日も初心にかえって、その子にあった支援を考える日々です!