あれは5月の終わり頃のことだったでしょうか。


近所の公園(緑が一杯)でともと散歩をしていた時のことです。


やや朽ち果てた木に黒光りする動く物体を発見しました。


「で、でかいゴキブリ・・・??」


と思い近づいてみると、何とそれはカブトムシでした。


近くでは子供達が沢山遊んでいるので、見つかるのは時間の問題です。


ところで、カブトムシと触れ合うのは20年ぶりです。


こんなに力持ちだったっけ?というくらいパワーがあります。


木から引っぺがすのにも一苦労でした。


噛み付くわけではありませんが足の力が凄くてとても痛いです。


「ほら・・・怖くない・・」


ナウシカのテト ではありませんが、分かり合えた所で上着のポケットに入れて持ち帰りま

した。



・・・あれから2ヶ月を過ぎ、「太郎」と名づけられたカブトムシは元気に我が家の一員

となっていました。


異常なほどの長命です。(カブトの寿命は1ヶ月程度)


その前になんで5月からウロウロしていたのかが謎です。


ともは思い出したように


「たろう~」


と観察をしています。


甲虫に興味が出てきたのか、昆虫の本を欲しがるようになり


「クワガタはなんでおうちにいないの?」


と言い出すようになりました。


それならば、ということでクワガタトラップ を作成し夕方に太郎のいた公園にセットして

きました。


夜の10時にトラップを見にいくと・・・


ゲジゲジとか、野生のゴキブリとか、巨大な蛾とか、コガネムシとかに混じって・・・


いました!


カブトムシの雌が・・


ともは眠りもせず楽しみに待っています。


この雌を連れ帰っていくしかなさそうです。(手ぶらでは帰れません)


案の定、ともは納得がいかないようでした。


「ぱぱ、クワガタは挟んでイタイイタイするのあるんだよ?」


と教えてくれます。


これは雌です。イカした武器は必要ないのです。


その事を伝えてみても


「ぱぱ、クワガタはチョッキンチョッキンするのあるんだよ」


と取り合ってくれません。


これは雌なので、ひょっとすると卵を産むかもしれないのです。


そうすれば来年の夏に沢山のカブトムシと会えるかもしれないのです。


「ぱぱ、クワガタ獲ってきて」



彼女は「花子」と名づけられ、「太郎」との新婚生活がはじまりました。


その夜、仲良くしてるかな?と心配になり愛の巣を覗いてみた所、


「とても仲良くしていました」


これで卵がうまれるかな?と楽しみにしていたのですが、大事件は翌朝に待ち構えていま

した。


「太郎」がお亡くなりになっていました・・。


・・・頑張りすぎです


さて、ともに何と伝えればよいのでしょうか?


「死」という概念を持たない彼にどのように説明すればよいのでしょうか?


考えぬいた挙句


「死ぬということはどんなことなのか説明し、その上で太郎の死を一緒に悲しむ」


ことにしました。


ともはイマイチ理解できていないようでしたが、太郎が動かなくなってしまったことを悲

しんでいたようです。


太郎はともと一緒に庭に埋めてやりました。


約2ヶ月半に及ぶ太郎との生活が、ともにとって「命」を感じることができる何かになっ

ていれば幸いです。



太郎ありがとう 合掌