あずき豆類、特に小豆は現代でもたくさんの愛用者がある。
これはソバ殼より1.8倍も熱を発散しやすく、ひんやりして上等だが、重くて堅いのが欠点。
その上、小豆は少々値も高い。
江戸時代にも小豆の枕は安眠できると評判で高級品だったが、食料を頭に敷いてといわれるのを気がねして、こっそり用いたようである。
ただしこの枕は飢饒の時に役立つと書く古書もある。
播州赤穂地方の俗信では「枕の中に入れてある小豆を食べると三日以内に病気になって死ぬ」とある。
品評会に出品する小豆を艶出しのため枕に入れたなどという話もあるが、食料の大切な時代、特に小豆は赤い色彩から呪力がこもるめでたい食べ物と大事にされていたから、枕に詰めるなど贅沢とされたであろう。
西洋では鳥の羽根を用いるのが一般的。
羽毛は熱の放熱性に優れていて、ふわっとした柔らかさは申し分なく、肩の冷える人にはいい。
主としてベッド用だが、パンヤかソバ殼の枕を組合せて用いるのがよいだろう。
気泡を入れて弾力性をもたせた合成樹脂製品(スポンジや、天然ヤシ繊維、人工真珠やスプリング、さらにはプラスチックの粒やパイプを入れた商品もある。
表面に本物の真珠を貼った優雅なものもあり、最近はちょっとしたブームだから、いろいろな商品が開発されている。
特許をとったプラスチックのパイプを詰めたパイプ枕というのも丸洗いできる清潔性と、マジックテープで好きな高さに調節でき、パイプを通して湿気や熱が逃げるのでいつも爽やかと好評である。
変った詰物としては、不用になった碁石や小石もある。
砂枕は昔から夏季用として存在した。
ただしこの砂は川砂を用いる。
海砂を使う場合は水洗を充分にして完全に塩分を抜かねばならない。