深海/Mr.Children | カープ・ドランク・ロックンロール
前回のキーワードになった「アルバムの1曲目」

名盤の定義として
個人的に重きを置くひとつに
「1曲目」と「最終曲」のクオリティを挙げます。


やっぱりオープニングのインパクトは大事です。
逆にエンディングは作品を締めるにあたり重要なポイントです。
制作側としても、この2点は力を入れていると思います。


そして、最も重要なのは
その2曲ともアルバム用の書き下ろしだということ。

もう、それらが先行シングルカット曲なんて目も当てられません。
百歩譲ってもB面(古っ)、カップリングですね。

そんなにいい曲なら逆にシングルカットなんてしなくていい。
シングルにするのはわかりやすい曲でいいでしょうし。

まあ例外もあるでしょうが
名盤である以上、相対的にはそう思うんです。


ということで 今回はコレ。
深海/Mr.Children(1996年)

¥3,059
Amazon.co.jp

言わずと知れたミスチルさんです。
(正直この略称には未だ抵抗がある)

これまでに存在は知ってましたし、好きな曲もあったのですが、
アルバム買うほどでもねえなと、関心は薄かったのです。 



それまでの彼らはヒットチャートの常連として確固たる地位を確立。

当時このアルバムは
多くのそれまでのファンを裏切った「怪作」ともいわれてました。
ジャケはもちろん曲も音も全体的に暗いんですよねえ。

でもこのジャケかっこいいです。 




そんなこととはつゆ知らず
偶然友達の車から流れてきたのが「シーラカンス」という曲。




…思わず声を上げてしまいました。「おおっ」っと。




第一に、音。


ザラザラですやん。 独特の表現です。ご了承ください。
ギターがジャキジャキ、ドラムがバコバコ…独特の表現です。ご了承ください。 

たしかプロデュースが小林武史氏で
同時期に「YEN TOWN BAND」を手掛けていたのもあり、
どちらも70年代っぽいサウンドだなというのが率直な感想です。
ああいうのに弱いんです。


そして、トドメを刺したのが後半の変調。

もともとスロウなこの曲、それが突然テンポアップします。
その「なだれ込み方」がめちゃくちゃカッコよく、
頭に鳥肌が立ったのを今でも覚えています。

例えるならQUEENの「ボヘミアン・ラプソディ」。
まあ、あそこまで振り切ってはないですけど。


実はこれ、アルバムの2曲目なんですが
1曲目が1分ちょっとのインストなので
暫定1曲目ということでご了承ください。



それでは聴いてちょうだい。


この曲は自分の好きな曲ベスト10に入ります。
いずれにしても こういう曲を作ることができるというのは
アーティストパワーあってのものだと思います。
そこは有象無象のヒットチャート常連とは違うと。何を偉そうに。






そして最後の曲「深海」
ピアノ一本からストリングスが重なり、
やがてバンドアンサンブル。

エンディングの桜井氏の叫び
それに覆いかぶさるギターソロ。
大盛り上がりでこのアルバムは大団円を迎えます。





ただ欲を言えば、
今後のミスターチルドレン
このアルバム「深海」路線で突っ走って欲しかった。

まあ、そうすれば売れないのは分かってるんですけどね。
それでも
ロックの屋台骨を背負ってくれるバンドになってほしかった。


後で聞いた話によると
売れっ子であるが故の葛藤がこの作品の暗さに反映され、
のちに活動休止につながるほど 
心理的にも追い込まれていたそうです。 

なるほど、
良きにしろ悪しきにしろ命を削って創ったこの作品。
それだけに本人達の気持ちとは裏腹に
名盤につながることもあるわけです。

この魂の叫びがこもったアルバム、
聴いたことない人は
ぜひノンストップ、ハイボリュームで聴いてほしいものです。






今回かなりリキ入ってますが、
今回のコンセプトに最もふさわしいと思った作品。 
真っ先にこのアルバムが思いつきました。

正直ミスターチルドレンの大ファンではありませんし、
アルバムも2枚しか持ってません。

最近の作品に至ってはほとんど聴いた事ありません。

しかし 
このアルバムを世に産み落としたことは
大いなる日本のロックの財産だと思うのです。






…… 












…… 













……キマった?










…… 








…………キマってない?