「僕」の秘境駅(そのいち)
「探検!秘境駅」の担当は、局内でも鉄分の高い窪井D。
「放送に入りきらなかったものもご紹介したいんやわあ!」と熱く申しておりまして、
以下ご紹介いたします!
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「探検!秘境駅」の担当ディレクターである「僕」が
ロケ中やリサーチ中に聞いたり、そこで思ったことをそこはかとなく書き作ります。
真偽のほどは不明だったり、噂話だったりもしますので肩の力を抜いて
へー、そうなんだ~!?くらいのニュアンスで見てもらえば助かります。
それでは…
さて、番組では4月5日と12日に
函館本線・渡島沼尻駅についてご紹介しましたが、
今回は、たった15分の番組には入れることができなかった
地元で取材中、目にしたものについて書きたいと思います。
この番組を担当することになって
リサーチのために道内の「秘境駅」と言われる駅を結構な数、訪問しました。
秘境駅とは「まわりに民家がないこと」が定義のひとつらしいですね。
でもどんな駅に降り立っても、必ず周りに誰かが住んでいたり
または人の痕跡があるものです。
(小幌駅のような歴史的な背景からして全くの無人、というのは別ですが…)
たとえば渡島沼尻駅の駅周辺には
ざっと見渡したところ、離農したとみられる廃屋が2軒、そして民家が4軒ありました。
秘境駅としては結構な都会ですよね。
踏切が鳴り出してから走っても列車に間に合う距離。
これぞ「駅前」というすばらしいお宅です。
ところがその建物をパッと見た瞬間、僕は何か違和感のようなものを感じました。
うまく言えないのですが「あとづけ感」とでも言いましょうか
本来そこに玄関があるべきじゃないだろう?みたいな改造されたような…
チャイムを鳴らすと出てきたのは双子の中学生男子でした。
(ここで少し話はそれますが、2人は来年から高校通学のため渡島沼尻駅を使うそうです。
さらに近隣には子供が数人住んでおり、進学するにつれて
順番に列車を使うようになるだろうとのこと。番組では、たった一人の女子高生利用者が登場し、寂しい、人気のない駅に映っていたと思いますが
よくよく聞いてみると近い将来少しにぎやかになるのかもしれませんね)
さて、双子くんに違和感のある玄関のことを聞いてみたら
僕のカンは見事に当たっていました。
実は十数年前まで、このお宅では雑貨店を営んでおり
現在の玄関はお店をたたんだ後にシャッターを取り外し、
くっつけたものだったのです。
確かに基礎部分や壁の色をみるとその面影がありました。
お店では当時、食品や雑貨など何でも取り扱っていたそうです。
それもそのはず、元信号場だった渡島沼尻駅近くには
保線区員のための官舎が数軒建ち並び
お昼や仕事帰りに腹を空かせた鉄道マンたちが立ち寄っては
買い食いみたいなことをしていたようです。
いまでは誰もいないがらんとした渡島沼尻駅に
たくさん人が勤めていた時代の残照を少し見たような気がしました。
番組のエンディングで六角さんもおっしゃっていましたが
秘境だ、無人だとは言っても必ずどこかに人が住んでいるものです。
北海道の荒々しい大地を開拓し、そこに根付いた人間の
たくましさのようなものを感じたロケでした。
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