M&Aの交渉現場に居るAさんから電話が入りました。

 

T)Aさん、おつかれさまです。どうされましたか?

A)急にすみません。対象会社が「監査役非設置会社」なのですが、何かリスクはありますか?

T)そうですね。すぐに思いつくリスクはありませんね。ただ、監査役非設置ということは、取締役会も設置されていないことでしょうか。取締役は何名ですか?

A)2名です。クロージング後、当社側から3名出す予定です。取締役会を設置しなければ、監査役はこのまま選任しなくともよいのですよね?

T)はい。そうなんですが、少し待ってください。取締役会を設置しなければ、法的に多数決で決定することを強制できませんから、majorityを取る意味がありません。それに、取締役会非設置会社の場合、各取締役が業務執行権を持ちますから、仮にminority2名が独断専行に走ったならば、それを数をもって制することができません。統制上の観点からも、取締役会を設置し、監査役を設置しなければならない、ということになるのではありませんか?

A)なるほど。そうですね。

 

<解説>

取締役会が設置されていない会社では、各取締役が業務執行権を持ちます。さらに、代表取締役を選任していなければ、各取締役が代表権を持つ、という、訳の分からない事態となります。このように、取締役会が設置されることにより、各取締役の独断専行を防ぐ、という相互監視機能が働きます。

M&Aで株式を取得する場合など、いかにbuyerのガバナンスを効かせるかが重要であり、取締役会とその構成は、十分検討しなければなりません。

今回は、監査役非設置に関するご相談でしたが、重要ポイントは、監査役非設置それ自体ではなく、その法令上の制約が引き起こす「取締役会非設置」にあるという、なかなかしびれるご相談でした。

 

 

何か、ラーメンのブログなんじゃないか、と自分でも思い始めたところですが、今すぐ食べたい、はしごの「だあろうだんだん」をうっかりのせちゃいます。ほかの店では、担担麺と呼んでるやつです。

おいしいです。(つづく)