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田口裕史のブログ

戦争責任や戦後補償の情報を提供します

韓国・朝鮮人元BC級戦犯を主人公にした朗読劇「ビンタン・ブサール」(作・構成:武見龍麿氏)のダイジェスト版がYou Tubeにアップされました。

ぜひご覧ください。

朗読劇 ビンタンブサールダイジェスト版

 とりあえず、感じたことをメモしておく。


 今朝、テレビで、福島第一原発の放水作業に参加した緊急消防援助隊の会見を見た。救援のプロフェッショナルとしての誇りと誠実さがあらわれた、見事な会見だった。涙が出そうになった。
 ネット上には、彼らの活動への感動や感謝の言葉が数多く見受けられる。当然のことと思う。
 しかし同時に、会見を見ながら私が感じたのは、どうしようもなく深い怒りだ。
 彼らを現場に送り、危険にさらし、家族に痛みを強いたのは、原発安全神話をふりまいてきた電力会社や研究者・政府諸機関であり、原発を許し、恩恵を享受してきたわたしたちだ。
 これは、自然災害への対処とは根本的に質が違う。

 緊急消防援助隊の人々だけでなく、原発周辺の住民や作業員らは、いま、本来不要な被害を強いられている。


 私たちはもっと怒るべきではないのか。

 数年前、鹿児島の知覧特攻平和会館に行ったとき、遺書を読んで涙を流す若い参観者たちを何人もみた。参観者ノートには、死んだ特攻兵たちへの感動や感謝の言葉が並んでいる。

 しかし、私たちはもっと怒るべきではないだろうか。特攻を強いた者に対して。


 古い知人であるジャーナリスト田中伸尚さんは、日本の戦後社会が、戦争「被害」を「犠牲」と言い換えて美化し、責任の所在を曖昧化してきたと指摘する。「被害」は「加害」と対になる概念だが、「犠牲」という語には、何らかの良い結果を生み出す土台という意味合いが含まれており、特定の加害者が存在しなくても「犠牲」は成立する。くにのための死ということに関して言えば、これは他の社会においても共通する問題だろう。


 福島第一原発の問題にも、「犠牲」への言い換えは存在しないだろうか。


 原発については、まず状況のさらなる悪化が抑えられることが重要だが、いずれ、この問題は徹底的に責任追及されるべきだろう。

 安全に、安心して暮らせる社会への転換が、そこから生まれるはずだ。


 私たちはもっと怒るべきだ。

 そして、その怒りを通して、新しい社会のあり方を具体的に構想していこう。

転載します。


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日本大地震災害に対する韓国市民団体の声明


今回の日本の東北地域で発生した地震と津波により、想像を超える被害と苦痛を味わっている方々や被害者の方々に深い哀悼の気持ちを送ります。加えて、原子炉の爆発による放射能被害と、今なお続く各種災難や悲報に驚愕と悲しみを禁じることができません。一刻も早くこの災難が収拾されることを心から願っています。

今回の東北地域の災害によって、日本の市民だけではなく少なくない数の在日同胞と外国人も被害を受ける、もしくは今だに生死さえも確認できていない状態だと聞いています。宮城県に居住する日本軍「慰安婦」被害者宋神道(ソン・シンド)さんもまた、連絡がとれない状態だということで大変心配しています。

国境と民族を超え、この惨事を東アジアの痛みとしてすべての人々が立ち上がらなければならない時です。日韓過去問題と関連した韓国の市民団体もまた、日本のすべての人々がこのとてつもない惨事を乗り越えていけるよう、できる限りの努力を行うつもりです。日本市民と在日同胞を含めた外国人すべての安全のため、最善の努力と協力を行うことを韓国政府当局にも要請します。

再度、深い哀悼の気持ちを伝えながら、口にするにも辛い悲しみと衝撃を乗り越えて、再び立ち上がることができるよう祈っています。そのために、韓国の市民団体も積極的な協力を惜しまないことを約束します。

2011年3月15日

KIN(地球村同胞連帯)
(社)韓国原爆被害者協会
アジアの平和と歴史教育連帯
アヒムナ運動本部
韓国挺身隊問題対策協議会
原爆被害者および原爆2世問題解決のための共同対策委員会
世界NGO歴史フォーラム
全国歴史教師の会
太平洋戦争被害者補償推進協議会
大韓民国臨時政府史跡地研究会
挺身隊ハルモニとともに行動する市民の会
独島守護隊
ナヌムの家
南北経協運動本部
日本NPO法人 ASIA PEACE BUILDERS
興士団
平和統一市民連帯
平和博物館
民族問題研究所
靖国反対共同行動韓国委員会
歴史問題研究所
林鐘国先生記念事業会
正しい韓民族史運動本部
ウトロ国際対策会議
サハリン希望キャンペーン団
丹波マンガン記念館債権韓国実行委員会


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【3月18日追記】

上記声明に、「宋神道さんと連絡がとれない」という内容の記述がありますが、本日、宋神道さんが避難所にいらっしゃると確認されたようです。