一人暮らしの高齢者介護の覚悟
「一人暮らしの親に何かあったら心配。定期的に様子を見に行ってほしい」遠くに住んでいる家族さんからよくある希望の1つです。結論からいうと、それはできません。一人暮らしの高齢者は沢山います。一人の高齢者にその対応したら全ての高齢者に対応しなければなりません。それは現実的ではないし、行政は公平性が保てない支援はしません。私は、遠くの家族と一人暮らしの高齢の親の今後について相談を受ける際、必ず話すことがあります。①これからも一人暮らしを尊重するなら、いつ何かがあって亡くなっても仕方がないと覚悟する必要がある。高齢者の方は何かしら病気を持っています。循環器や呼吸器系の疾患は急変して亡くなるリスクが高く、視覚低下や整形疾患の可動制限から転倒や事故が起きて亡くなることもあります。同居していたら急変や異変に気がついてすぐに対応できますが、それ以外はまず対応が難しいです。それが心配だから遠くの家族は誰に定期的に見守りをしてほしいという希望もよくわかります。ただ、税金を使用した公的な対応な無理です。警備会社の見守りシステムを利用するのも方法ですが、ある程度の金は必要です。②今までの家族の生活や時間を犠牲にして親を家に引き取る覚悟はあるか。介護は子育てと違いゴールが見えにくいのが特徴です。子育ては成人したり、独立したり、家族以外に自分の居場所や支えてくれる大人がみつかるとひと段落します。ただ、親の介護は亡くならない限り終わりません。親の心身状況が悪化すればするほど介護負担は大きくなり、今までの家族の生活にも影響することも事実です。もちろん介護保険制度で介護負担を軽減する方法はあります。ただ、制度の決まり事や利用できるサービスがあるかどうかにもよります。高齢者本人やご家族が同居を希望されるのであればいいですが、どちらかが不安や不満、負担を感じるようであれば必ずよく考えて話し合うことが非常に大事です。つまり、一人暮らしの高齢者の介護とは、最終的には家族が親の死に目に会えないこと、自分達の生活を犠牲できるかの覚悟があるかどうかです。私は今までいろいろ複雑な課題を抱えた多くの高齢者やその家族を支援し、その現実を見てきました。なので決して家族には「心配ない」「大丈夫」など無責任なことはいいません。介護や家族形態はそれぞれ違い、負担も苦労は本人や家族にしかわからないからです。介護は綺麗事ではありません。もし、一人暮らしの高齢の親が遠くにくいいる場合、少しでも見守り環境を作るといいでしょう。例えば、町内会や民生委員さんとの関係作りや介護保険サービスを定期利用することで、どこかのタイミングで誰かがきにしてくれる、対応してくれる仕組みができますよ。過度の期待は禁物ですが、いろいろ知らないことは調べたり、行政に聞いてみるといいでしょう。一昔前のように親の介護は子供がしなければならないという思考にとらわれすぎるのはどうなんでしょうか?結局、家族であっても子供には子供、親には親、そしてあなたにはあなたの人生があります。まずはそのことに気がつき、考えたり尊重したり大切にすることが重要ではないでしょうか。