観光庁による2023年の統計、訪日外国人消費動向調査で、旅行消費額総額が5兆2923億円で、過去最高になったと伝えています。これはコロナ禍前に最高値であった2019年を上回り9.9%増となりました。



訪日客数はまだ8割の回復なのに
インバウンド客数はまだ8割の回復にもかかわらず、旅行消費額の伸びが著しい背景には円安や物価上昇、宿泊日数の増加が挙げられます。
2019年為替レートが1ドル105~112円であったのに対し、2024年現在は150円前後と大幅な円安で推移していることがこの消費額を押し上げたのでしょう。

 

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消費額トップはどの国?
国・地域別の訪日外国人旅行消費額のシェアは、訪日客数1位の韓国をおさえ、訪日客数2位の台湾が全体の14.7%を占め、総額7786億円となり、初のトップとなりました。これは熊本のTSMCも大きく影響しているかもしれません。
(ちなみに以下にも詳しく表で示していますが、韓国は訪日客が最も多い国であるにもかかわらず、ひとり当たりの消費額は非常に低い国です。)
続いて、消費額が多かったのが、中国の7599億円(構成比14.4%)、韓国7444億円(4.1%)、アメリカ6062億円(11.5%)、香港が4795億円(9.1%)となりました。これらは上位5カ国で全体の63.7%を占めています。
ちなみに、2023年の訪日客数のトップ5は韓国、台湾、中国、香港、アメリカの順でした。

消費額の伸び率だけでいうと、(2019年比で)最も伸びたのはシンガポールで98.0%増の1687億円です。コロナ禍以前と比較して、シンガポールから日本への注目度はかなり高まっています。今後、さらにシンガポールをどう取り込んでいくかが重要ですね。


2023年訪日外国人旅行客消費総額 
5兆2,923億円




訪日客は何に一番お金を使っている?
消費額を項目別に見ると、当然ながらホテルなどの宿泊費用が全体の34.6%に上ります。その額、1兆8289億円。
続いて、ついでショッピングに(26.4%)、飲食費(22.6%)、交通費(11.4%)、娯楽サービス費(5.1%)となっています。
2019年と比べると、買物のシェアは8.3ポイント減少していますが、客室料金の高騰により宿泊費が5.2ポイント増加しています。

訪日外国人力社の費目別構成比(グラフ)




ひとり当たりの旅行支出、最多はスペインの34万円
訪日外国人旅行者1人当たり旅行支出は21万2000円と、2019年に比べ33.8%増となっていますが、これを国籍・地域別にみると、最も多いのはスペインの34万1562円でした。
2位は2019年まで2年連続トップだったオーストラリアの34万604円、ついでイタリア33万5691円、 イギリス33万811円、フランス32万4092円でした。


ひとり当たりのトータル消費額はスペインが多いですが、費目別では面白い結果が得られています。
宿泊費に英国民が15万62円(2019年比べて滞在日数も3.2泊増加)、飲食費はイタリアが8万2455円、交通費はスペイン6万3454円、娯楽サービス費は中国が2万3121円、また買物代にしても中国の11万9484円となっています。
買物代は全体平均が5万5739円という中で、中国は突出して高いのですが、一般的に西洋圏からの訪日客よりもアジアから訪日客の方が買物代にかける割合が多い傾向にあるようです。
国民性が影響するのでしょうか。こうして見ていくと、国ごとに何に金額を一番多く書けているかが分かりやすいですね。

10月~12月(2023年)国籍別消費総額 
1兆6,688億円



 


上記は2023年全般で見たものでしたが、第4四半期(10月から12月)の1人当たりの旅行支出はさらに増えており、国籍・地域別にみると、スペイン39万2819円、イギリス38万6526円、イタリア36万8783円とさらにボリュームが大きくなっています。
2024年がどれくらいまで大きく伸ばすことができるか。
インバウンド需要を高めることは経済活性化の原動力となります。旅行業界だけでなく、それに携わるホテルや運輸、小売り業だけでなく、施設を増やす建設業界など、様々な関連しています。
日本経済の発展のため、さらなる旅行業界の発展を願うばかりです。

 


いかがでしたか?
以上、2023年度 インバウンド消費が過去最高の5兆円超え(一人当たり旅行支出21万円台)というニュースについて、要約と補足情報を交えてお伝えしましたが、皆さんは、このニュースについてどう感じられますか?

 

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