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流通雑感のブログ

ブログの説明を入力します。

*6月号をアップするのを忘れていました。読者の皆様、失礼しました。

 

「月刊 流通雑感」NO.225、2023年 6月号

 《目次》           

1、 社会・消費者動向

(1)  生成AI使ったことがある人は27.7%

(2)  国の借金、1270兆円

(3)  チャットGTPの4月のサイト訪問者数、9億人

2、 小売業・卸売業の動向

(1)  ウォルマート、アメリカの店舗の65%を自動化へ

(2)  万引きで苦悩するアメリカの小売業

(3)  楽天、西友の株式を売却

(4)  ホームセンター:プロ向け専門店を増やす傾向

(5)  オーケーが今秋、銀座に出店

(6)ワールド、低価格古着店出店

3、メーカーのチャネル戦略、

(1)キッコーマンとハウス、共同販促。クロスMD

(2)市場拡大続くメンズコスメ

(3)加工食品、5年間で品目数が3割減少

4、その他

(1)5年間の授業料合計1000万円が無料の高専

(2)「2024年問題」

(3)AIのゴッドファーザーが、AIの危険性について言及

 

 久々に郷里に帰省しました。コロナ禍のため、なかなか帰省できなかったこともあり、気がつけば8年ぶりでした。両親の墓参りをし、兄弟が集まって会食をしました。私は3男で4人兄弟の4番目です。兄も姉も81歳、79歳、75歳とずいぶんと高齢になっていました。それでも元気そうです。80歳まで自分のことは自分でできるようにしないといけないのだと痛感。郷里は実にのんびりしています。時間がゆっくりと過ぎているような気がします。人々は親切で、緑が豊かです。私もなんだかのんびりと時間を過ごしました。また、近いうちに帰省しようと思いながら帰ってきました。

 6月は梅雨の季節。祭日もなく、黙々と仕事をする月です。私も夏休みを楽しみにしながら黙々と仕事をしようと思っています。

 

1、 社会・消費者動向

(1)生成AI使ったことがある人は27.7%

 日経は日経リサーチと共同で4月3日~6日の間に、「日経ID」を持つ方で、働いている方に対してネット調査をしました。回答は2099人から得られました。その結果、➀生成AIに対して興味が「非常にある」「ある程度ある」と回答した人が74%でした。多くの人が関心を・興味を持っていることがわかります。

 しかし、チャットGPTなどを利用したことがある人は27.7%でした。「仕事で利用」(7.7%)、「仕事・趣味で利用」(10.2%)、趣味で利用(9.8%)でした。チャットGPTなどは連日報道されていますので、5月とか6月に調査したら、もっと利用している人は増ええていると考えられます。

 使う際の懸念事項については、「情報の正確性や公平性」(64%)、「著作権などの法務リスク」(50%)、「情報流出などのセキュリティー」(47%)と続いています。

 4月上旬の調査だったので、使用している人が想像しているよりも少なかったのですが、日々、使用する人は増えるのではないでしょうか。チャットGPTを使っていると、私の場合は、簡単な問題の相談相手のような、ちょっとヒントをいただけるような、そんな道具になっています。「・・・・について2000字で整理してください」などと入力するとチャットGPTは拒否するので、学生がレポートにそのまま使えるというわけではありませんが、使い方がわかると、レポート作成にも十分に役に立つ道具のように感じています。

(2)国の借金、1270兆円

 3月末時点での国の借金(国債、借入金、政府短期証券の合計)が1270兆円4990億円になりました。前年同期から29兆円1916億円増えました。7年連続で過去最高になっています。税収で返済する必要のある普通国債の発行残高は1027兆973億円になりました。

 いつまで、どこまで借金を増やしていくのでしょうか?借金はいずれ返却しないといけないものです。返済計画なしに借金を毎年増やすのはいかがなものでしょうか?政治家には借金という意識がないのでしょうか?無責任すぎると思います。

(3)チャットGTPの4月のサイト訪問者数、9億人

 チャットGTPの4月のサイト訪問者数は9億人と世界の人口の1割超になりました。物凄い利用者数です。チャットGTPが公開されたのは、2022年11月30日です。公開からわずか5日間で100万人が利用し、わずか2か月間で月間利用者数が世界で1億人に達していました。このチャットGTPが今度は5月末からスマホで利用可能になりました。ますます利用者が増える事でしょう。また、マイクロソフトがウィンドウズにチャットGPT技術を導入すると発表しています。チャットGPTは世界を変えるほどの影響力を持ちそうです。

 

2、小売業・卸売業の動向

(1)ウォルマート、アメリカの店舗の65%を自動化へ

 ウォルマートは、アメリカの4700店の65%を2026年度までに自動化すると発表しました。自動化の内容は、地域配送センター内でアーム型ロボットなどが自動で仕分けや梱包作業をすることや、店舗併設型の配送施設で、人手で実施している作業を自動化機械で省力化する事を意味しているようです。どうやら配送施設内での作業の自動化を意味しているようです。そのためでしょうか、配送倉庫などで2000人以上の人員削減を実施しています。

 いずれにせよ、ロボットの導入は小売業でも進みそうです。どのようなロボットをどの作業で使うのか、人間の作業とどのように組み合わせていくのか、それが今後の課題となっていくでしょう。

(2)万引きで苦悩するアメリカの小売業

 先月号で「アメリカのアマゾン、レジ無し店、3割閉店」という情報を書きました。その背後には万引きがあるわけですが、その万引きがアメリカの小売業を悩ましています。

 決算報告の席上でも、万引き被害が報告されています。たとえば、ターゲットは「このままの状況が続けば在庫損失の影響額は2022年に比べ5億ドル(約700億円)も増える」と述べています。各社は、盗難や災害などによる在庫損失を「シュリンク(shrink)」という言葉で表現しています。ウォルマートが、4月に中部シカゴ周辺で4店舗を閉鎖することを決めた際には、それらの店舗だけで「年間数千万ドルの損失を出しており、この5年間でほぼ倍増した」と説明しています。

 アメリカの万引きは、個人が少量の商品をひそかに盗むだけではありません。最近は、白昼堂々と大きなバッグを持って、陳列品を詰め込み、会計をせずに店を出ていく手口も横行しているそうです。転売が容易になったため、万引きを新たな資金源に考える犯罪組織も増えたそうです。

 その一方で、人出不足が深刻なので、店側が十分な警備ができていないようです。安易にスマホ決済とかスマートカートの導入などを決めると、日本でも万引き被害が増える事を想定しないといけないのではないでしょうか。

(3)楽天、西友の株式を売却

 楽天は5月31日付けで同社が保有する西友ホールディングスの株20%をアメリカの投資ファンドのKKRに220億円で売却します。KKRは西友株の保有比率が議決権ベースで65%から85%まで上がります。楽天が携帯電話事業で巨額の損失を出していますので、その穴埋めのごく一部として西友株を売却するわけです。

売却後の西友と楽天の協力関係がどうなるのかに注目が集まっています。

 両社の発表によると今後も協力関係は継続していくそうです。ネットスーパーやキャッシュレス決済、データを使ったマーケティングなどでの協業を継続するそうです。

(4)ホームセンター:プロ向け専門店を増やす傾向

 ロイヤルホームセンターは、職人向けのホームセンター「ロイヤルプロ」の店舗数を現在の10店舗から30年度までに30店舗に拡大する計画を発表しました。コーナンも「コーナンPRO」を増やすそうです。また、カインズも現在3店舗あるプロ向けの「シーズプロ」について関東を中心に増やす計画です。

 プロ店舗を増やす傾向が出てきているのは、ドラッグストアと日用品の購入層が重なっていることも背景にあるそうです。また、プロ向け市場が伸びていることも一つの要因です。

(5)オーケーが今秋、銀座に出店

 EDLPで有名なオーケーが、今秋、銀座(マロニエゲート銀座2)に出店するそうです。売場面積2000㎡超です。銀座地区でオーケーに対する需要があることは理解できますが、高い家賃を払ってEDLPが実現できるものなのか関心があります。旗艦店として、知名度が上がればいいと考えているのか?しっかり利益を上げるのか考えているのか?今後の展開に関心を持っていきたいと思います。

(6)ワールド、低価格古着店出店

 ワールドは、「ラグタグ」という高級ブランドを中心に古着を扱う専門店をすでに22店舗展開しています。今度は、低価格帯の古着専門店「ユーズボール」をららぽーと横浜に出店しました。中心価格帯は2000円前後。6月中旬には2号店をららぽーと新三郷に出店予定で、3年間で7店舗まで増やすそうです。ターゲットは、Z世代だそうです。古着というのは市民権を得ているのですね。改めて、そのように認識しました。

 

3、メーカーのチャネル戦略

(1)キッコーマンとハウス、共同販促。クロスMD

 キッコーマンとハウス食品グループ本社は、そうめんとカレーのコラボレシピを考案しました。キッコーマンは、ハウス食品の商品を使うそうめんのアレンジレシピを14個、ハウス食品はキッコーマンの商品を使うスパイスカレーのアレンジレシピを4個考案しました。

 レシピはそれぞれの企業のホームページに掲載し、SNSや店頭でも関連情報を発信します。また、両社の商品を同じ売り場に並べる(クロスMD)ことや、オリジナルのPOPを作ったりします。

 このように店頭で共同販促を行い、クロスMDを展開していきます。

(2)市場拡大続くメンズコスメ

 メンズコスメ市場が拡大しています。17年:1389億円、22年:1583億円、24年:1655億円(予想)と拡大基調が続きます。

 ネオマーケティングが22年12月に公表したアンケートの結果によると、「使っているメイク用品のメーカー・ブランド」をZ世代に質問したところ、約3割が韓国系と答えています。「ティルティル」や「VT」といった韓国のブランドが愛用されているようです。

 日本のメーカーも続々とメンズコスメに参入しています。花王は新ブランドの「アンリクス」を立ち上げました。中世的なメイクで人気の3人のインフルエンサーを広告に起用しています。コーセーは「コスメデコルサ」に大谷選手を広告に起用し、新規顧客を開拓しています。資生堂は、「資生堂メン」以来19年ぶりとなるメンズコスメブランドの「サイドキック」を立ち上げました。ただし、中国市場がターゲットで、中国のECサイトで販売しています。日本は原宿の1店舗のみで販売しています。

 中国ではZ世代を「95後」と呼んでいるそうですが、いずれのメーカーもZ世代をメインターゲットにしながらメンズコスメを展開していきそうです。

(3)加工食品、5年間で品目数が3割減少

 日経のPOS分析から22年の加工食品の品目数は5年前に比べて28%減少したことがわかりました。

 各社とも原材料費などのコスト高騰に直面しているため、コスト削減と値上げの実施を行う必要があります。その実現のため、強いブランドに広告費や人を集中して、効率化しようという意図が見られます。また、品目数を絞り込むことによって値上げをしやすいようにしているようです。ネスレは、22年に1年半目に比べてSKUを約2割減らしたそうですが、23年もさらに1割削減する計画だそうです。品目数の削減は、効率化に結び付きやすいので、定期的に行う方が望ましいのです。コストが高騰しているので、そのような品目数の削減を行っているメーカーが多いのでしょう。

 

4、その他

(1)5年間の授業料合計1000万円が無料の高専

 23年4月、徳島県神山町に「神山まるごと高等専門学校」が開校しました。「デジタルを軸としたテクノロジーとデザインを組み合わせて企業家精神を養う」私立の高専です。1期生の入学試験の倍率は約9倍。全国から受験し、合格した44人が学び舎で学校生活をスタートさせています。

 この高専の授業料は年間200万円です。高専なので5年間ですから、5年間の授業料は1000万円ですが、入学した44人は無償です。授業料は無料なのです。学費は、ソニーグループ、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、ソフトバンク、リコー、MIXI、富士通、セコム、セプテー二・ホールディングス、ロート製薬などから拠出された基金、105億円の運用益で賄い、学生4人がそれぞれの企業名を冠した奨学生となります。もちろん、その企業に就職する義務はありません。

 拠出した企業の社員が出張授業を行ったり、インターシップで学生との交流を図ることはするので、それによって企業の社員が刺激を受ける事も期待しているようです。一流の企業がバックアップしていて、しかも5年間の授業料が無料。これは魅力的ですね。もっと入学試験の倍率は高くなるかもしれません。企業も、またよく1社10億円を拠出したものです。拠出した企業にも頭が下がります。

(2)「2024年問題」

 国が働き方改革関連法を施行した19年時点で猶予したトラック運送業への適用特例は、24年3月で終了します。そのため、企業が十分な運転手を確保できないまま。安定的な長距離輸送が困難になりかねないとして「2024年問題」と呼ばれています。

 なぜなら、大型トラック運転手の年間平均労働時間は2544時間(厚生労働省)に及ぶそうです。しかし、24年4月からトラック運転手の時間外労働時間に年間960時間の上限規制が適用されるからです。そのため、物流業界を中心に人出不足の懸念が強まっているわけです。

 この5年間で「働き方が5年前と比べて改善していると感じるか」という問いに対して「感じない」という回答が58.8%に達しています(UDトラックス調査:全国の物流ドライバー男女400人を対象にしたネット調査:23年3月調査)。「業務量が増えたと感じているか」という問いには42.8%が「感じる」と回答しています。どうやら職場環境の改善はあまり進んでいないようです。

 職場環境を改善するためには、「運送業界への新規参入者を増やす」(60.0%)、「荷待ちの時間を減らす」(56.8%)、「トラックの稼働率を上げる」(27.8%)、「短距離輸送を増やす」(20.3%)が必要という意見です。また、時間外労働規制に対しては「ネガティブと捉える」という意見が53.0%もあります。その最も大きい理由は「給与の低下」(75.5%)です。その他にも「運送業界の売上・利益減少」(40.1%)や「無理なスケジュールの要求」(35.8%)を懸念している声もあります。

 「2024年問題」によって、物流業界は効率化するのか、単純にドライバーの給与が上がって、物流コストが上がるのか、大きな関心がもたれる問題です。すでにセブンイレブンは、この問題に対処するために一日4便の配送(弁当・サンドイッチなど)を3便にすることを決めていますし、ローソンは弁当や総菜の店舗への配送を一日3回から2回に減らす方針を発表しています。

(3)AIのゴッドファーザーが、AIの危険性について言及

 AIのゴッドファーザーと呼ばれているジェフリー・ヒントン氏がグーグルを退職しました。そして、急速に発展するAIの危険性について述べています。

・悪者がAIを悪用するのを食い止める方法がなかなかみつからない。

・偽情報の拡散や人間の仕事を奪う可能性がある

・兵器に転用することによって人類への脅威になる可能性がある。

このようなAIの危険性があるので、世界の研究者が技術のコントロールに関して協力する事を呼び掛けています。そして、それまでは開発を加速すべきでないと主張しています。

                                      以上