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流通雑感のブログ

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「流通雑感 臨時号NO.8」2024年11月20日

 

「流通雑感 臨時号」は、住谷ゼミのOBOGの皆さんに読んでいただこうと思って発行するものです。

臨時号とするのは、毎月掲載するわけでもなく、一定量が溜まったらなので、月に1回かもしれませんし、2~3か月に一度くらいかもしれません。その点はご容赦のほどお願いします。現在は、月1回の刊行を目指しています。住谷ゼミのOBOGの皆さんに、少しでもお役に立てたら幸いですし、私の近況もお知らせしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

 

*私の兄(秋美:77歳)が先週末に永眠し、急遽、秋田に帰っていました。そのため、流通雑感をアップするのが遅くなりました。また、来年の年賀状が出せなくなりました。ありがたいことに長男・長女がまだ元気に秋田で生活しているので(秋美は次男)、秋田に帰っても楽をさせてもらっています。

*パワーリハビリに参加して、1か月が過ぎ、腰に違和感が出るようになって、残念ながら離脱。楽しくやっていたので残念。

*先日、妻と北海道の道東に3泊4日で旅行に行ってきました。やはり北海道はいいですね。自然、温泉、サッポロクラシック、それに食べ物が美味しい。12月は南の方に旅行に行く予定です。

 

1.社会・消費者について

(1)   小中学生の不登校 最多の34万人

(2)大学淘汰の時代

(3)クレカが映す若い世代の個人消費

2,小売業について

(1)イオン、京成電鉄と資本提携

(2)カインズがヨーカ堂にPB商品を供給

(3)セブン&アイの社長、「30兆円」目標

(4)小売「新御三家」

(5)EUが「Temu」を調査

(6)ウォルマートなぜか収益力に陰り

3,消費財メーカー

(1)   船井電機、破産

4,その他

(1)米ディズニー、富裕層シフト

(2)スターバックス、店舗数で「すき家」を抜く

(3)ロイホの自販機

 

1、社会・消費者について

(1)小中学生の不登校 最多の34万人

文科省の全国調査によると2023年度に不登校だった小中学生が前年度比16%増の34万6482人でした。過去最多です。

「不登校」の定義は、病気や経済的理由などを除き、年間30日以上登校していない状態を不登校としています。不登校の小学生は13万370人(前年比24%増)、中学生21万6112人(前年比11%増)でした。また、年間の欠席日数が90日以上の児童生徒は不登校全体の55%を占める19万392人でした。

なお、不登校の小中学生34万人6482人は、小中学生全体の3.7%です。40人クラスだと1人か2人という事になります。

不登校児童について、教員が把握している事実(複数回答)は次の通りでした。

➀「学校生活に対してやる気が出ないなどの相談があった」(32%)

➁「不安・抑うつの相談があった」(23%)

➂「生活リズムの不調に関する相談があった」(23%)

④「学業の不振や頻繁な宿題の未提出がみられた」(15%)

➄「いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった」(13%)

 どうやら両親の「無理に通学させる必要はないとする価値観のひろがり」も背景にあるようです。

 このような現象に対して、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを増員するとか、「学びの多様化学校」(不登校特例校)の拡大など、不登校児童を減らそうと努力しているようです。「学級崩壊」という言葉も一時、よくマスコミ報道で使われました。小学校・中学校の教員は大変だということが知られ、小学校や中学校の教員になりたい人も減っています。

 それに対して、国立大学の付属小学校や中学校は、公立の小学校・中学校とはまったく異なる教育をやっていて人気です。

 教育の仕方が問題なのか、人材(教員)が問題なのか、設備が問題なのか(いまだに黒板、エアコンは入っていないところが多い、トイレは和式)・・・・地域ごとに真剣に議論して、改善案を実行すべきです。なお、この議論に参加できるのは35歳以下の教員に限定したらいかがでしょうか?

(2)大学淘汰の時代

大学の23年度の募集定員は63万人です。しかし、文科省の試算によると30年には大学入学者数は63万人だが、35年には59万人、40年には45万人、50年には42万人になるそうです。2040年には定員充足率は71%になるわけです。

24年にはルーテル学院大学(東京)、高岡法科大学(富山)が25年以降の学生募集停止を発表しています。今後、さらに学生募集停止の大学は増えるでしょう。実際、24年度の入学者が定員割れした4年生の私大は354校で59%でした。私大の淘汰は時間の問題です。

入試倍率が2.0を割ったら危ないかもしれません。日本は異常に大学が多いので、多少淘汰されるのはやむを得ないと思います。

(3)クレカが映す若い世代の個人消費

丸井グループ社長の青井浩さんが、日経の記者のインタビューに答えています。クレジットカードから見る若い世代の消費をどう考えるのかという内容です。

第一にモノの消費は減っていないと言います。衣料品の国内市場は1990年の約15兆円から直近では8兆円程度になっていますが、消費している数量はほぼ倍増しています(衣料品の単価が四分の一程度になっているからのようです)。だから、「皮膚感覚でいえばモノの消費はむしろ増えているのではないでしょうか」という発言になります。

第二に、モノの消費が増えているとしたらどんなモノを消費しているのでしょうか?それに対して、「自分の好きな事には積極的にお金を投じる。『推し活』は端的な例です。それ以外にも何かを応援したい、大切にしたいという気持ちに押された消費行動が特に若者には顕著です」。また、表現を変えて「『好き』が経済を駆動する、ということです。ペットだけでなく、アイドル、スポーツなど人にはみんな好きなコト、モノがあります。そこに重点的にお金を使う傾向が、若い人には強いようです」と言います。

これから、もしも、経済が好転したら、どうなると思いますかという質問に対しては、「コスパから非コスパ、好きなモノに重点的にお金を使うメリハリ消費が強まっていくと思います」と述べ、さらに「もっと楽しく、意味のあるお金の使い方をしたいという気持ちの高まりを感じます」と表現しています。

若者世代の消費の特徴は、「好きなモノ、コトに積極的にお金を投じる」という事になるのでしょうか。ただ、この傾向は年代に関係なく生じている消費の特徴のように思われます。

 

2,小売業について

(1)イオン、京成電鉄と資本提携

イオンは、10月31日、京成電鉄と資本提携すると発表しました。イオンが第三者割当増資で150億円分にあたる0.46%の同社株式を京成に割り当てます。その後、イオンは150億円分に相当する京成電鉄の発行済み株式の2.33%程度を取得します。京成グループの商業ビルなどの再開発や小売事業で協業します。相互出資は2025年12月末までに完了する予定です。

京成グループには、新津田沼駅に京成グループが保有する商業ビル「津田沼12番街ビル」があります。このビルの中核店が「イトーヨーカ堂津田沼店」でしたが、9月末に営業を終えました。そのため、後継テナントして、各種の提案を受けたようですが、イオンの提案が最も良かったそうです。それが、イオンと京成が資本提携するきっかけになったようです。

京成電鉄はエキナカや沿線に商業施設を持っていますし、京成ストアもあります。これらの活性化にイオンのノウハウを導入しようという考えのようです。この提携は両社にとってメリットのあるものだと思います。

これから地域活性化を共通の目標にして、東京都・千葉県・茨木県の1都2県中心に不動産情報やノウハウを共有して行こうと考えているようです。

(2)カインズがヨーカ堂にPB商品を供給

最近、セブンイレブンに行ったら「ダイソー」というコーナーがありました。陳列している範囲が狭く(商品数が少ないので)、魅力的には映りませんでしたが。ローソンに行くと「無印良品」の商品がずらりと並んでいます。いわゆ雑貨品はそのような企業のものを仕入れて陳列した方が効率的と判断しているようです。

イトーヨーカ堂も、首都圏50店にカインズ(ホームセンター)のPB商品を仕入れて、陳列するそうです。カインズは郊外立地ですので、駅前立地のイトーヨーカ堂は魅力的に映ったようです。とりあえず洗濯用品や掃除用品といった日用雑貨など約30点をヨーカ堂は取り扱うそうです。将来的には、首都圏以外のヨーカ堂にもカインズの商品が並ぶかもしれませんし、取扱い品目も増えるかもしれません。食品に特化したいというのが本音かもしれませんね。でも消費者の利便性も考えないといけないしということで、このようなことが起きているのかもしれません。

(3)セブン&アイの社長、「30兆円」目標

セブン&アイHDの社長が、10月24日、投資家向けの事業説明会を開きました。そこで「2030年度にグループ売上高30兆円以上にする」と初めて売上高目標を明らかにしました。なお、この売上高というのはセブンイレブンの店舗の売上高を足したものです。24年2月期のグループ売上高は17兆7899億でした。30年度までに10兆円以上増やすという計画です。なお、30年度までに世界30の国・地域で展開し、店舗数を10万店まで増やす計画です。

どのようにして、この計画を実現し、その時の営業利益総額や営業利益率はどうなるのかとかの具体的情報が少なく、おもしろみのある説明にはなっていないと思いました。

(4)小売「新御三家」

日経の編集委員の中村直文さんが、人口減少下の小売「新御三家」という文章を書いています。新御三家とは、「ドン・キホーテ」「ロピア」「オーケー」のことです。いずれも価格訴求で成長しています。また、「ドン・キホーテ」と「ロピア」は現場に仕入れ権限を委譲している、地域密着型の現場主義です。売上規模では、ドン・キホーテは、すでに日本の小売業の大手ですから、御三家と言われるのはどうかと思いますが。しかし、今、注目されている3社であることは間違いありません。特に、ロピアとオーケーの動向には注目していきたいものです。

(5)EUが「Temu」を調査

EUの執行機関である欧州委員会は「Temu」に対してデジタル規制法に違反した疑いで正式に調査を始めると発表しました。

欧州委員会は、オンライン上の違法コンテンツ排除を義務付けるデジタルサービス法(DSA)で定めた調査に入ります。もしも、DSAに違反している場合には、最大でグローバル売上高の6%の制裁金を科します。

委員会は、テムのアプリが「依存性のあるデザイン」だと問題視しています。例えば、アプリ内のゲームの報酬として期限付きの割引クーポンを提供し、購入を促す仕組みは「消費者の心身に悪影響を与える」と懸念を示しています。また、テムがEC上で違法な商品を流通させていないかも調べます。

テムはアメリカでもヨーロッパでも、低価格品が免税対象となる関税の仕組みを活用して、安価な商品を提供する事で人気です。ただ、あまりにも人気で、既存業者からの苦情もあるかもしれません。また、欧州員会の調査開始は、アメリカやカナダなどを刺激するかもしれません。

(6)ウォルマートなぜか収益力に陰り

あのウォルマートの収益力に陰りがあるとそうです。2024年1月通期の売上高は前期比6%増加の6481億ドル(約98兆円)、EBITDは10%増の388億ドルでした。順調そうに見えるのですが、今や売上高の15%になったECが赤字なのです。投資が先行して、ECは赤字なのです。そのため、店舗数を増やして、配送範囲を少なくし、赤字解消の努力をしているようです。

そうなのです。ウォルマートは注文品を店舗から発送するやり方で、倉庫型ではないのです。そのため、規模の経済性が効かないのです。そのため、ひろいアメリカに店舗を増やせば1店舗からの配送距離が短くなると考えているようです。

今からでも遅くはありません。ECは倉庫型にすべきです。

 

3,消費財メーカーについて

(1)船井電機、破産

船井電機が破産し、従業員2000人を即時、解雇したと聞いて、驚きました。船井電機は、80年代にホームベーカリー「らくらくパンだ」を発売し、ボタンを押すだけで焼き立てパンを食べられる手軽さが受けました。そして、船井電機といえばテレビです。97年のアメリカのウォルマートとの取引開始で販売に弾みが付き、中国などで量産したテレビやDVDプレーヤーを北米で安く売る戦略が成功し、2000年代初めまで2000億円に満たなかった船井電機の売上高は2007年3月期には3967億円になりました。

しかし、2008年3月期には売上げ高が前年比で3割も減少し、上場来初の赤字を計上しました。ソニーグループや韓国サムスン電子との競争激化に伴い、液晶パネルの調達などに苦戦した結果、売上高を大きく減少させ、赤字になったわけです。私は、船井電機のテレビなどを家電量販店でよく見ていたものですから、あの船井電機が倒産したのかと驚いたわけです。

2008年3月期の赤字で、創業者の船井哲良氏が社長を退任しました。それからトップが安定せず、会社経営も迷走したようです。2021年には出版を手掛ける秀和システムの傘下に入り、上場廃止となっています。その後も、経営は迷走し、23年に脱毛サロンを買収し、翌年売却するなど、迷走は止まらず、ついに倒産・破産手続きとなってしまいました。負債は460億円に達するようです。

給与も支払われず、突然従業員全員解雇。誰に責任があるのでしょうか。悲惨な結果になってしまいました。あの一世を風靡した船井電機が倒産、時代の大きな変化を改めて感じました。

 

4,その他

(1)米ディズニー、富裕層シフト

フロリダ州のパークでは最大449ドル(6万9000円)で並ばずに乗れるプレミアムパスの導入が明らかになりました。これは、しかも特定のホテルに宿泊する人だけが購入できるのです。

ディズニーは近年、様々な有料パスやガイド付きで優先搭乗できる1時間当たり450~900ドルのVIPツアーを売り出しています。

10月にはカリフォルニア州のパークの1日の入園料がクリスマスなどの繁忙期は194ドルから206ドルに上がり、初めて200ドルを超えました。

4人家族が1泊でディズニーワールドに行ったときにかかる平均費用はアトラクションに乗りやすいオプションや豪華な食事をいれると2332ドル(約35万円)かかるそうです。値上げ後に4人家族で行くと入園と優先搭乗だけで最大2592ドルかかるそうです。

シャトルバスも有料になりました。ディズニーランドは、1人100ドルの入園料で1万ドルの収益を得るよりも、1人120ドルで90人から1万800ドルを稼ぐ戦力をとっているそうです。

夢の国も「格差」が広がっているようです。なんだか残念。

(2)スターバックス、店舗数で「すき家」を抜く

スターバックスは日本に進出して28年になります。そして今年「すき家」(1957店)を抜いています。スターバックスコーヒー(1917店舗)+リザーブ(上質なコーヒー豆やコーヒー、ワインなど種類を提供:63店舗:黒スタバとも呼ばれている)+ティー&カフェ(30種類以上のお茶メニュー、茶葉をベースにフラペチーノやラテなどを提供:14店舗)で合計1994店舗となっていて、スターバックスは、マクドナルド(2978店舗)に次いで、日本の外食店舗数で2位に浮上しています。なお、スターバックスの23年9月期の売上高は2894億円です。

現在も年間100店舗の出店を続けていますので、年内には2000店舗を超える見通しです。特に、これからは女性をターゲットにした「ティー&カフェ」が伸びていきそうです。もしかしたら、この「ティー&カフェ」がヒットしたら10年後にはマクドナルドを追い抜くかもしれませんね。直営店主義でここまで成長するのはたいしたものです。

(3)ロイホの自販機

ロイヤルホストは店舗数220店と店舗数自体は多くはありません。そこで新型コロナの時に、自販機を設置し始めました。11品目くらいの自販機です。でも売れませんでした。

そこで、目を付けたのが自店の駐車場でした。「三井のリパーク」の運営会社と提携し、東京都内の板橋、世田谷やさいたま市など約30か所にロイホの自販機を設置しました。つまり、店舗の前など、店舗の近くに自販機を設置したのです。これがうまくいっているのです。店でたべたところ「おいしかったので自宅でもたべてみよう」あるいは「家族にもって帰ろう」という理由で購入するパターンもあれば、営業時間外で店の前の自販機に反応し、テイクアウト感覚で購入するパターンもあるようです。いずれにしても店の前に設置したらうまくいっているのです。自販機も設置場所が重要なのだと勉強になりました。

                                     以上