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流通雑感のブログ

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「流通雑感 臨時号NO.9」2024年12月20日

 

「流通雑感 臨時号」は、住谷ゼミのOBOGの皆さんに読んでいただこうと思って発行するものです。

臨時号とするのは、毎月掲載するわけでもなく、一定量が溜まったらなので、月に1回かもしれませんし、2~3か月に一度くらいかもしれません。その点はご容赦のほどお願いします。現在は、月1回の刊行を目指しています。住谷ゼミのOBOGの皆さんに、少しでもお役に立てたら幸いですし、私の近況もお知らせしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

 

*12月4日から3泊4日で南九州(宮崎・鹿児島)に旅行しました。今まで行ったことがなかったところだったので、いろいろな発見がありました。また、ツアーに参加した人たちとの交流もあり、楽しい旅でした。

*今年は、あまり良い年ではなかったので、来年に期待したいと思っています。来年の2月には、「スポーツ吹き矢」船橋市大会があります。初めて参加予定です。3月中には、「准教授麻子の事件簿2~教務課女子職員殺人事件~」をkindleから刊行したいと思っています。原稿はすでにできています。そして、旅行したいと思っています。体力的な面もあり、せいぜい3泊4日までですが、いろいろな所にいきたいと思っています。「准教授麻子の事件簿」も「その3」「その4」くらいまでは原稿を書きたいと思っています。新しいサークルにも入ってみようかなと思っています。

*来年が、皆様にとって、良き年になりますように祈念しております。

 

1.社会・消費者について

(1)エンゲル係数約3割

(2)オーストラリア、SNSの利用、16歳未満禁止

2,小売業について

(1)公取委員会、アマゾンに対して3度目の調査

(2)7&iを巡る動向

(3)セブン&アイのコンビニ以外の会社が売却されそうです

(4)ヨークHDの価値はいくらでしょうか?

(5)イオン連邦経営も長所と短所

(6)コンビニも訪日客対応強化

(7)ローソン、店で服薬指導

(8)ロピアの急成長

3,消費財メーカー

(1)ロレアルはなぜ中国市場に頼らずとも成長しているのか

(2)赤城乳業、女子向けアイスに挑戦

(3)ホンダ、日産と経営統合か?

4,その他

(1)2024年ヒット商品番付

(2)今どきのちょっとしたヒットの傾向

 

 

 

1、社会・消費者について

(1)エンゲル係数約3割

値上げが続いています。10月にはおよそ2900品目の食品で値上げがありました。収入がなかなか増えない中で、食品の値上げは多くの国民の家計を圧迫しています。エンゲル係数は約3割になりました。

この夏、8月下旬、我が家では米がなくなり、スーパーでも米が売っていませんでした。しかたなくコンビニで購入したり、郷里の秋田から米を30キロ送ってもらって、どうにかなりましたが、米の値段もあがりました。千葉県では水道代が2割あがるそうです。

物価高で、収入の少ない家庭、年金生活者などにとっては辛い状態になりそうです。しかも、この物価高、まだまだ続きそうです。国は、インフレにして、給料もその分上げると言っていますが、実現するのでしょうか。

(2)オーストラリア、SNSの利用、16歳未満禁止

オーストラリア議会は、16歳未満のSNS利用を禁止する世界初の法案を可決しました。

SNSの運営会社が、利用者の年齢を確認し、16歳未満の人には利用できなくするものです。もしも、16歳未満の人がSNSを利用しても処罰されません。処罰されるのは運営会社で最大4950万豪ドル(約50億円)の罰金が科されます。

 X、TikTok、インスタグラム、フェイスブックは規制対象です。YouTubeやメッセージアプリ、オンラインゲームなどの一部サービスは規制対象から免除されたそうです。

 利用禁止を法制化し、子供のこころの健康を守る狙いがあるそうです。

 しかし、何を規制し、何を許可するのか?その線引きも難しいところです。また、SNSの運営会社に利用者の年齢という個人情報を渡すことになる点も問題かもしれません。

 施行は1年後だそうですが、これから具体化する段階でも、何を免除するのか、大いに議論されそうです。また、オーストラリア以外の国でも議論されそうです。

日本でも大いに議論すべき問題だと思います。中学生のいじめがSNS上で展開されているとしばしばニュースでも読んだり、見たりします。また、中学生の性的被害の発端がSNSであることも良く耳にします。日本は何でも自由で良い国ですが、規制すべき点もいろいろとあるのではないでしょうか。

 

2,小売業について

(1)公取委員会、アマゾンに対して3度目の調査

公正取引はアマゾンに対して3度目の調査をしています。調査しているのは、マーケトプレイスに出品する際、「他のサイトより安値での販売とアマゾンが有料で提供する物流サービスの利用を要求している」疑いがあるからです。

一度目の調査は、2016年でした。競合のECサイトと同等か有利な価格・品揃えで出品させる「最恵待遇条項」の調査を開始。同社の条項撤廃を受けて17年に調査を終えています。

二度目の調査は、2018年でした。通販サイトの値引き分を納入元に一部補填させていた疑いで立ち入り検査をしました。同社側が納入元へに約20億円を返金するとした改善計画を出し、公取委員会は20年に「確約手続き」に基いて計画を認定しました。

今回は、どうなるのでしょうか?「優越的地位の濫用」や「拘束条件付き取引」に該当する可能性があり、過去の2度の調査よりも重要性は高いと思われます。

(2)7&iを巡る動向

セブン&アイに対してカナダのクシュタールが7兆円で買収したいという意向を示して以来、セブン&アイは揺れています。

クシュタールの買収案に対抗する形で、創業家の伊藤家が伊藤順朗副社長(+伊藤家の資産管理会社:伊藤興業)を中心に、国内の3メガバンク、伊藤忠商事、外国のファンド会社などに出資を要請しているようです。7兆円以上の資金を集めなければならないので、実現するかどうか注目されています。

特別委員会は、クシュタールの買収案、伊藤家の買収案、セブン&アイの今後の成長戦略と3つの案を検討して、「株主価値の実現のためにすべての選択肢を検討」と言っています。

おそらく流通雑感12月号がアップされても、まだ、結果は出ないのではないかと思われます。できることなら伊藤家が買収できると個人的にはうれしいのですが、はたして9兆円といわれている資金が現実に集まるのかどうか、難しい面も十分にあると思います。

(3)セブン&アイのコンビニ以外の会社が売却されそうです

セブン&アイHD傘下でイトーヨーカ堂などの非中核会社を束ねる中間持ち株会社「ヨーク・ホールディングス」の株式売却手続きに向けた入札に、ベイン、KKR、アメリカフォートレスト、・インベストメント・グループ、住友商事などが入札したことがわかりました。

ヨークHDの傘下には、イトーヨーカ堂、ヨークベニマル、ヨークマート、ロフト、赤ちゃん本舗などの小売企業が入っており、外食産業のデニーズなども入っています。

なお、11日、2次入札に進んだ企業が判明しました。JIP(日本産業パートナーズ)、アメリカのベインキャピタル、KKRの3社です。住友商事は入れませんでした。

どうして、31社をこの時点で売却するのか?セブン&アイの買収の件が済んでからでも良いのではないかと思いますね。何か変。

(4)ヨークHDの価値はいくらでしょうか?

ヨークHD(イトーヨーカ堂、ヨークベニマル、ロフト、赤ちゃん本舗、デニーズ、セブン&アイ・クリエイトリンク、シュルガーデンなど31社)の価値はどのくらいでしょうか?

日経の試算によると、5208億円あるいは5404億円だそうです。時価総額ではヤマダHD(4358億円)や高島屋(3990億円)より高くなりそうです。

このヨークHDの株を2026年2月までに売却(70~80%)する予定です。買い手としては、住友商事、アメリカのKKK、ベインキャピタルなどが入札しています。

31社で5000億。この価値が高いのか安いのかは判断できませんが、なんにでも値段はつくものだと改めて思いました。

(5)イオン連邦経営も長所と短所

USMHがいなげやと経営統合します。統合後の売上高は9000億円強とSM国内最大手となります。統合によって、商品の一括仕入れや人事部門の統合などで効率化を進める予定です。

今までのイオンの連邦経営のメリットは、「緩やかにして各社の自主性を重んじる」点です。各社が屋号も変えず、自由にやっているのです。PBもイオンのPBを品揃えするだけで良いと思いますが、USMHは「イ―タイム」を自主開発し、マルエツは「365」、カスミは「ミール」をそれぞれ自前でPBを開発し、品揃えしていますので、イオンの「トップバリュ」がなかなか広がりません。共同配送もうまくいっていません。

今までは連邦経営の短所の方が目立っているように思います。いなげやを統合したのを契機に、「仕入れの統合」「共同配送の実施」「PBはトップバリュだけにする」などの施策をおこなえば統合のメリットも大きいと思うのですが。そのようなことを行っても各社の商売の特徴は十分に発揮できると思います。いなげやの統合を契機に、マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東、いなげやの4社はよく話し合って、既述のようなことを確実に実施していくべきだと思います。

ぼやぼやしていると、「ヤオコー」「「オーケー」「ロピア」など元気な食品スーパーにシェを奪われていくと思います。

(6)コンビニも訪日客対応強化

訪日客消費が過去最高の8兆円規模に拡大するようです。そのため、都心の百貨店やドン・キホーテなどは売り上げが増えているわけですが、コンビニも訪日客対応を強化しようとしています。

セブンイレブンは、25年3月までに現状200店のeSIMの取り扱い対象店を全国に拡大する予定です。ファミリーマートは、インバウンド専門部署を設立しました。そして、免税レジをおく店舗数を現状の2倍にあたる1000店舗に増やす方針です。衣料品や化粧品を拡充しようとしています。また、店内で調理して販売する商品について、中国語表記を追加し用途検討しています。ローソンは、韓国のSNS「カカオトーク」でアカウントを開設し、旅行前に商品情報を提供しようとしています。そして、クーポンの配信も検討しています。また、eSIMの販売にも乗り出しています。

各社、訪日客需要を取り込もうと知恵を絞っています。成果が出るといいですね。

(7)ローソン、店で服薬指導

このタイトルを見ると、ローソンは店舗で処方薬を受け取れるようになるのかと思ってしまいます。しかし、そうではありません。

利用者はローソンの店内の専用ブース内のネットワークで画面を通じて、調剤大手のクオールの薬剤師と話をして、その後、処方薬は自宅に配送する仕組みです。処方薬は24時間以内に届くわけでもないようです。

これなら調剤薬局で説明を聞き、受けとる方が早いですね。やたらとまたせる薬局もありますが、LINEで知らせておくと、用意してくれる薬局もあります。ローソンの店舗で、処方薬を受け取れるのでしたら便利ですが、宅配で受け取るのだったらあまり顧客にとっての利便性はないのではないでしょうか。2026年から始めるそうなので、その後の改善に期待ですね。

(8)ロピアの急成長

ロピアを含むOIC(オイシー)グループが売上高5000億円に近づいてきています。

OICグループは、「貿易・卸」、「製造」、「小売」、「外食」と手を広げ、積極的な「買収」と「食のSPA」を進めています。

 「貿易・卸」では、ユーラス(海外から食品輸入)、川崎南部青果(青果の卸売)、川崎丸魚(水産物の卸売)があり、「製造」では、利恵産業(デザートなど製造)、ファインフルーツおおぎみ(マンゴーの栽培)、甲斐食産(鶏の加工処理)、とら醤油(江戸創業の老舗醤油店)があり、「小売」ではロピア、スーパーバリュー、アキダイ(青果スーパー)があります。また、「外食」には「トシ・ヨロイヅカ」「道場六三郎事務所」、ソラノイロ(ラーメン店)、タイシステム(BBQ場)などがあります。

 買収は1件当たり10億円前後で、年間投資枠は最大200億円と設定しているようです。現在、グループの会社数は32社ですが、32年2月期にはグループの会社数を100社にする予定だそうです。

 小売りの方は、いわゆる個店経営です。売り場の責任者であるチーフ職を「最小単位の経営者」と位置づけて仕入れや値付け、パートの採用の権限を持たせています。売り場の売上高や利益がチーフの評価や年収に直結し、業績がよければ20代でも年収1000万円に到達する仕組みになっています。

 スピード感のあるM&Aと個店経営を特徴に、食のSPAを進めているロピアがどこまで成長するのか注目されます。同時に、これだけの多くの企業をどのようにまとめていくのか?グループの経営者の手腕も問われるものと思われます。

 

3,消費財メーカーについて

(1)ロレアルはなぜ中国市場に頼らずとも成長しているのか

ロレアルの稼ぐ力は化粧品業界の中で突出しています。2024年12月期は中国景気が減速する中でも増収増益の見通しです。売上高営業利益率は米エスティ・ローダーの約3倍です。消費者の心を掴むのは皮膚科学に基づき肌の健康に着目した化粧品「ダーマコスメ」です。

「ロレアルは21年以降中国に成長を頼っていない」と言われています。中国への販売依存度は16%で新興国市場とほぼ同じです。

ロレアルは、一般消費者向けから高価格帯まで全事業の採算性が高いのですが、中でも「ラ ロッシュ ポゼ」などのブランドで知られるダーマコスメが強く、営業利益率は26%と全事業で最も高いのです。また、営業利益は前期で、16億ユーロと前期比28%増で、全体に占める比率は18.3%になっています。

ロレアルは市場の予測、化粧品の成長分野の見極めなどに優れていると考えられます。海外の専門家は「化粧品のトレンドを捉え、有機的な売上成長の実現のためにある市場から別の市場へと資本を再配分する能力を持つのはロレアルだけ」と言っています。

日本のメーカーも韓国のメーカーも、現在、「ダーマコスメ」に参入すべく頑張っています。

(2)赤城乳業、女子向けアイスに挑戦

赤城乳業といえば、少年がパッケージの「ガリガリ君」で男性需要が大きいのです。社員から女子向けのアイスも提供したいという気持ちがあったようです。そこで今度、平成ギャルをイメージしたアイスを発売することになりました。

「ウチラのギャルアイス チョコとベリーがグッド!」という長い、ちょっとダサい商品名です。ストロベリー風味のアイスの中に、粒チョコとチョコチップの素材を混ぜ込んでいます。パッケージデザインも赤とピンクを基調にしています。

どのアイスにもギャルが語りかける言葉が6パターン刻印されています。「生きてるだけで偉」「ウチら悪くなくない?」「なんとかなるっしょ!」「これからもズッ友だよ」などと思いっきり遊んでいます。

12月3日からコンビニ・スーパーで、期間限定で売り出されます。果たして成功するでしょうか?

(3)ホンダ、日産と経営統合か?

ホンダと日産自動車は、12月23日にも経営統合に向けた協議に入ると報じられています。もしも、ホンダと日産が経営統合し、日産が筆頭株主の三菱自動車も加われば、ホンダと日産、三菱自動車の3社で800万台になり、世界の自動車メーカーとしてはトヨタ、VWに続いて第3位の勢力になります。

この大きな動きの背景には、➀台湾のホンハイ(2019年にEV事業への参入を表明し、日産が持つEVの開発力や製造技術に目を付けていて、経営参画に動いている)がフランスのルノーの最高経営責任者と会談の可能性があると報じられるなど、ホンハイによる日産買収の動向があること、➁中国の電気自動車大手のBYDの24年の世界販売台数は400万台を超え、ホンダ、日産をそれぞれ追い抜く勢いを示している事、➂ソフトウェア定義車両(SDV)と呼ばれている、自動運転機能や車内で楽しむ音楽・動画などのエンタメ機能をインターネット経由で追加・拡充できる次世代車は、車載システムを最新の状態に保つことができます。電気自動車だけでなく内燃機関車でも採用が広がる見込みで、これからはSDVの競争になる可能性が高のですが、これへの先行投資は巨額になり、1社で負担するのは厳しい状況にあること、これらの課題、問題があり、ホンダ、日産共に経営統合へのニーズがあるものと考えられます。

ホンダもソニーグループと組み、共同出資のソニー・ホンダモビリティは、運転性能を継続的に高められるEVを26年に投入する予定になっています。これに日産も加わって、共同で研究すればさらに良い成果が得られるかもしれません。ただし、日産は業績が悪化し、9000人の人員削減や世界生産能力の2割削減を打ち出しています。それが経営統合の妨げにならないと良いのですが。ホンハイによる買収というのは最悪のストーリイです。スムーズに、ホンダと日産の経営統合が進むことを期待しています。

 

4,その他

(1)2024年ヒット商品番付

恒例の日本MJ社による2024年のヒット商品番付が発表されました。

横綱:東:大谷50-50、西:新NISA

大関:東:スポットワーク、西:春「夏」「夏」秋冬

関脇:東:SHOGUN将軍、西:グラングリーン大阪

小結:東:鰻の成瀬。西:地面士たち

前頭筆頭:東:Pokemon Trading Card Game Pocket、西:アサヒビール「未来のレモンサワー」

 皆さんは、上記のワードとその内容がわかりますか?全部わかった人は時代に乗っている人ですね。私は、横綱の2つのワードはよくわかりますが、それ以外はわかりませんでした。時代に乗っていませんね。

(2)今どきのちょっとしたヒットの傾向

「焼きボンデ」「焼きキットカット」、こんなこと皆さんはやりましたか。「自分でカスタマイズした食べ物への関心の高さ」があるのだそうです。「おうちドリンクバー」など「ヒットの条件として、完全にパッケージされたものよりカスタマイズあるいはアレンジという体験価値の提供が欠かせない」といいいます。「ギリギリダンス」「さつまいもタイム」など「SNSを通じてみんなが知っている流行物を自分なりに表現し、投稿するというスタンスは新世代界隈の日常行動と言えるだろう」といいます。そして、結論は「共通性を探してみると自ら参加するセルフの要素があり、今この瞬間を楽しむという感覚、そして時間的にも費用的にもパフォーマンスの高い点だ」と言います。

「セルフ×今ここ×タイパ・コスパ」という随筆を紹介しました。若者にうけるヒットの条件を探しているようです。何だか難しいですね。今年の夏、サントリーが「ビールの素(ビールボールかな?)」みたいなものを発売して、広告していましたけど、既述のパターンを狙ったものだったのですね。それぞれが自己満足の世界だから、それを大量販売するのは難しいような気がします。

 

                                     以上