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流通雑感のブログ

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「流通雑感 臨時号NO.11」2025年 2月20日

 

「流通雑感 臨時号」は、住谷ゼミのOBOGの皆さんに読んでいただこうと思って発行するものです。

《近況》

*「ワインカルチャー」というサークルに入りました。とても楽しいサークルです。これで「自彊術」「スポーツ吹き矢」「ワインカルチャー」と3つの地域サークルに入りました。少しずつ交流範囲も広がりつつあります。ひとつのサークルでは4月から役員になります。

*隣駅から徒歩5分のフレンチがとても気に入りました。一日3組のお客様しか予約をとらないそうです。2日以上前の予約のみです。そんなこともあり、夫婦で初めて訪れた時は、貸し切りでした。コース料理しかありません。雰囲気が良く、とても美味しい料理でした。ワインともよく合い、帰りに次の予約をし、もうすでに2回、そのフレンチに行きました。

*先日、花粉症になってしまいましたが、なるべく前向きに生活していきたいと思っています。

*「准教授麻子の事件簿2~教務課女子職員殺人事件~」は2月28日にkindleから発売されます。今は予約を受け付けているようです。表紙はゼミのOGの方が作成してくれました。

 

1.社会・消費者について

(1)逆・木綿のハンカチーフ

(2)再び東京圏への人口集中

(3)エンゲル係数が43年ぶりに高水準

(4)窃盗、5年ぶり50万件超える

2,小売業について

(1)躍進するマミーマート

(2)無印、中国で低価格店

(3)ダイソー、アメリカに4ドルショップ:SPを出店

(4)ローソン、中国内陸部で事業拡大

(5)タイで苦戦するローソンの改革

3,消費財メーカーについて

(1)ホンダと日産、協議打ち切り

(2)デジタルオートメーカーインデックス

(3)資生堂4年ぶりの赤字

(4)シチズン、TSUYOSAコレクション、若者を掴む

4,その他

(1)スタバが立地別価格制導入

(2)サイゼリア、いつ値上げするのか?

 

1、社会・消費者について

(1)逆・木綿のハンカチーフ

太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」は都会へ出て行った恋人に想いを寄せ続けた女心を歌う1970年代後半のヒット歌謡です。

実際、80年代から90年代初めにかけて東京圏への転入超過数は男性の方が多かったのです。しかし、その後は男女ほぼ同数となり、2010年ごろを境に女性が上回るようになったのです。その傾向は、コロナ禍を経てより鮮明になっています。今や、「逆・木綿のハンカチーフ」現象が起きているのです。地方圏での未婚男性の過多です。要は男余りです。

20年の国勢調査をもとにした分析によると、20歳~34歳未婚者の男女比率は、福島県、茨木県、富山県、栃木県、福井県、静岡県、山形県の7県で30%以上の男余りになっています。秋田県、青森県、群馬県など16県は20~30%の男余りです。

出生時の男女比は男性が5%多いので、男性が幾分余るのは致し方ないのです。全国の生涯未婚率(50歳時未婚率)は20年国勢調査によると男性28%、女性18%です。これは全国で見るからで、上記の男余り県ではもっと数字が高いのではないでしょうか。

上記の7県に、20歳代の外国の女性1万人ずつを日本にきていただくようにするとか、何か思い切ったことをしないとこの傾向はさらに進む可能性が高いように思います。

(2)再び東京圏への人口集中

住民基本台帳に基づく2024年の人口移動報告によりますと、東京都への転入者が転出者を上回る「転入超過」が7万9285人と前年から1万1000人拡大しました。首都圏(あるいは東京圏とよばれる東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)への転入超過は13万5843人でした。これは前年度よりも9328人の増加です。

明らかに東京圏への人口集中現象が再び起きています。東京圏への流入は女性と若者で多いのです。24年は、東京への転入超過は女性が53%を占めています。また、東京圏への流入を世代別で見ると、転入超過が全体で13万人に対して、20~29歳が11万8973人にのぼっています。進学や就職という理由が多いようです。

この傾向は変わらないのではないでしょうか。地方の人口減少・高齢化は顕著で空き家比率も高まっています。「地方都市の再生」という言葉やスローガンはあるようですが。実に難しい問題です。若者が集まる地方都市作りができると素晴らしいのですが。

(3)エンゲル係数が43年ぶりに高水準

総務省の家計調査によると。2024年の消費支出は実質で前年比1.1%減少でした。消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は28.3%と1981年以来、43年ぶりの高水準でした。野菜やコメの高騰、相次ぐ加工食品の値上げ。今は、何でも値上げです。エンゲル係数も上がるはずです。実質賃金が増える事を、是非、実現していただきたいものです。

(4)窃盗、5年ぶり50万件超える

日本の治安が悪くなっていると感じている人は多いと思います。警察庁が24年10月に5000人を対象に実施したアンケート調査では、ここ10年で日本の治安が「悪くなった」「どちらかといえば悪くなった」を合わせると回答は76.6%を占めていました。

私の住んでいる町内には制服の警察官が戸別訪問し、門扉と玄関のカギを常に閉めておくこと、家電は留守電にしておくように注意されました。確かに家電を留守電にしたら、セールスの電話は激減しました。彼らは録音されるのを嫌がるのだそうです。昼でも強盗の入る時代ですから、確かに門扉の鍵を閉めておくのも有効のようです。

ところで、警察庁のまとめによると24年の窃盗犯は50万1507件となり、5年ぶりに50万件を上回ったそうです。目立つのは、外国人窃盗グループによる太陽光ケーブルの窃盗とドラッグストアでの万引きだそうです。太陽光ケーブルの銅線の窃盗は2万701件、ドラッグストアでの万引き被害は1万5161件に達しているそうです。

窃盗、強盗、詐欺、日本も油断のできない国になっています。皆様、気を付けましょう。

 

2,小売業について

(1)躍進するマミーマート

埼玉県には、ヤオコーとベルクという成長している食品スーパーがあるのですが、その埼玉県のマミーマートが埼玉県から飛び出し、千葉県、東京都、群馬県、栃木県などにも出店予定です。

マミーマートは、「価格帯も品揃えも普通のスーパー」(岩崎社長)と表現していますが、お惣菜が美味しくて充実しているという特徴があります。そのマミーマートは、今、それ以外に「生鮮市場TOP!」と「マミープラス」という業態を持っています。

「生鮮市場TOP!」は、料理好きをターゲットに生鮮品を充実しています。たとえば、生ラム肉や鳥のトサカなど通常見かけない商品も扱っているのが特徴です。また、ケース売りも多く、一般消費者だけでなく、飲食店の方々が仕入れにくるのも特徴です。「マミープラス」は、EDLPを徹底させて、低価格販売する店です。1店舗当たりの正社員は平均4人と業界平均(14.7人)よりも圧倒的に少なくしています。そのため、段ボールやケースに入ったまま販売しています。

マミーマートは、「マミーマート」、「生鮮市場TOP!」、「マミープラス」の3業態で、現在80店舗なのですが、2030年度には120店舗にする計画です。このマミーマートは、住友商事と資本提携しています。ヤオコー、ベルクについでマミーマートですから、埼玉県出身の小売店は成長しますね。

(2)無印、中国で低価格店

無印良品は、日本で「無印良品500」を45店舗運営しています。日用品や消耗品の約7割が500円以下で、売場面積は一般的な無印良品の店舗の6分の1です。この「無印良品500」を、夏をめどに中国に初めて出店するそうです。すでに「無印良品」は中国に約400店舗出店しているのですが、中間層の開拓を狙って、「無印良品500」を出店していくそうです。小型店なので、出店しやすそうです。うまくいけば短期間で多くの店舗を出店できるかもしれません。

(3)ダイソー、アメリカに4ドルショップ:SPを出店

ダイソーは、現在、アメリカに200店弱の店舗を出店していますが、今度、初めて「スタンダードプロダクツ(SP)」をシカゴ郊外に出店します。価格は4.25ドル(約660円)が中心で、最安値は1.75ドル、最高値の商品は12.25ドルです。1号店は約900㎡と大型店舗です。商品は、日本の「スタンダードプロダクツ(SP)」と同じです。もちろん、競合店はあるわけです。果たして、計画通り、31年2月期までにダイソーと合わせて、アメリカでの店舗数をほぼ6倍の1000店舗にすることができるでしょうか。

(4)ローソン、中国内陸部で事業拡大

ローソンが中国内陸部で事業拡大しています。たとえば、四川省では21年12月にコンビニチェーン「WOWO」を買収。不採算店を閉鎖し、残りの200店舗を順次ローソンに変えました。そして、わずか3年で倍の400店舗とし、通年黒字化しました。

➀毎月、コラボ商品を期間限定で販売。たとえば、「ONE PIECE とパンダのコラボ商品」など。商品によっては、発売前に3時間待ちの行列ができたこともあるそうです。

➁中国に合わせて、従来の約半分の30~40㎡のミニ店舗を展開。

➂デリバリーサービスも導入。

④「みんなと暮らすマチを幸せにします」と毎日、朝礼の時にこの企業理念の浸透を図っている事。

以上のような工夫で四川では成長しています。ローソンは、中国で約6500店舗のコンビニを展開していて、日系ではトップですが、中国企業を含めた全体では5位です。

(5)タイで苦戦するローソンの改革

タイでは、セブンイレブンが他を圧倒しています。店舗数は約15000店舗で、毎年700店舗くらい出店しています。コンビニのシェアは7割程度になります。次に、トップス・ディリーがります。店舗数約520店舗です。トップス・ディリーは百貨店を持つ強みを生かして、ワインや菓子など高価格品に注力していると言われています。

それに対してローソンは約200店舗と少ない店舗数で、これから改革していこうとしています。その旗艦店が2024年9月にオープンした「ローソン108 ユナイテッドセンター店」です。ここでは、日本食を他店の4倍にし、日本食を前面に出しています。「Lチキ」「おにぎり」「おでん」「かつ丼」「フラッペ」、日本で見慣れた菓子、カップ麺、化粧品も品揃えしています。その結果、通常店に比べて来店客数は3倍になり、客単価も平均を上回っています。この成功を他の店にも水平展開していこうとしています。また、日本食を武器に観光地や高所得者の多いコンドミニアムにも店舗を展開しようとしています。どこまで店舗数を増やせるのか、難しい状況は続いています。

 

 

3,消費財メーカーについて

(1)ホンダと日産、協議打ち切り

24年12月23日、ホンダと日産は経営統合に向けた協議に入ると発表しました。日産が筆頭株主である三菱自動車も含めると世界で700万台の生産規模になり、規模ではトヨタ、フルクスワーゲングループに次いで世界第3位のメーカー誕生かと沸き返ったのですが、日産は、2月5日、ホンダとの経営統合に向けた基本合意書を破棄する方針を固め、協議を打ち切る旨をホンダに伝えました。

わずか43日間の夢だったのでしょうか。ホンダは日産のリストラが不十分でスピード感がない事に不満だったようです。日産のリストラが進まず、業績改善の兆候も見えないので、それなら日産をホンダの子会社にして、ホンダ主導で、日産のリストラを、スピード感を持って進めるのはどうかと提案したようです。この提案が、プライドの高い日産の強い反感をかったようで、急に風向きが変わり、基本合意書の白紙撤回だとか協議の打ち切りだとかになったようです。

残念な事です。これで日産とホンダの統合協議の前から、日産に食指を伸ばして来ていた、台湾のホンハイによる日産の買収が行われるのかどうかに関心が出てきています。現在、日産の筆頭株主はルノーで約36%の日産株を所有しています。その他に、いくつかのファンドも日産株を仕込んでいるようです。ホンハイがいつ日産の買収に動くのか?日産は単独で生き残れるのか?あるいは、もう一度、ホンダと日産の経営統合の協議が再開されるのか?いずれにせよ日産は単独では成長できないでしょうから、まだまだ、日産の動向は注目されます。

(2)デジタルオートメーカーインデックス

1位:テスラ(アメリカ)

2位:NIO(中国)

3位:シャオペン(中国)

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16位:ホンダ(日本)

19位:日産(日本)

20位:トヨタ(日本)

これはアメリカの調査会社ガートナーが世界の自動車メーカーのソフトウェア開発能力などを評価した指数です。テスラが1位ですが、2位、3位は中国のメーカーです。日本のメーカーは、欧米の主なメーカーよりも指数が低くなっています。

たとえば、テスラは、人工知能や自動運転で成長を狙っており、すでにAIを活用した自動運転タクシー「サイバーキャップ」を公開しています。車体構造では、テスラとNIO、シャオペンは同等の評価をされています。自動運転技術はシャオペンが首位です。

自動運転車、自動運転タクシー、自動運転バスなどがこれから実用化されてくると思います。しかも、それらの車はインターネットと結ばれて各種のソフトが使われ、バージョンアップされたりするようになるのです。

アクセンチュアの予測によると、「自動車メーカーのデジタル技術による売り上げは、現状、全体の10%程度だが、40年には3割を占めるようになる」そうです。自動車のデジタル化はこれからもっとスピードアップしていくように思います。

(3)資生堂4年ぶりの赤字

資生堂が2月10日に発表した2024年12月期の連結最終損益は、108億円の赤字でした。売上高は9905億円。

赤字の要因のひとつは、「ベアミネラル」など化粧品3ブランドの売却対価が回収不能になる可能性が生じたという事で引当金128億円を計上したことです。かつて買収した海外の化粧品メーカーやブランドを次々と売却して、ついには日雑部門も売却したわけです。その海外ブランドの売却代金が回収できないとはどういう事でしょうか?売却をきめた当時の役員に責任はないものでしょうか?疑問に感じます。

資生堂は、売却した資金の半分くらいだったでしょうか中国に投資したわけです。これからは日本と中国だと言って。その中国事業が不振なのです。中国での免税品販売を中心とするトラベルリテールが大幅に減速したのです。中国のハワイといわれている海南島での免税販売が前期に比べ3割以上減少し、中国本土での店頭販売も減少しました。中国での売上高は24年12月期で、1078億円で前期比2割減です。

どうやら資生堂は中国で不採算店を減らしたり、日本でも美容部員など約1500人の早期退職をすすめたりとコストカットに動いているようです。25年にはアメリカ中心に不採算店舗の閉鎖、欧州やアジアでの人員の削減、不採算ブランドの削減など、さらにコストカットを進めるようです。

縮小均衡になっていきそうな資生堂です。誰がこんな情けない企業にしたのでしょうか?資生堂の資産・財産を売却し、今度は人と店舗の削減ですか?あの資生堂が情けないと思います。

(4)シチズン、TSUYOSAコレクション、若者を掴む

シチズンのゼンマイで動く機械式の「TSUYOSAコレクション」が創業以来最も売れている時計です。21年の発売から3年間の累計販売数は過去10年間で最も売れた腕時計の4倍に達しているそうです。

シンプルなデザインながら多数の色の文字盤をそろえ、価格を機械式では手ごろな5万円弱にしたところ欧州から人気に火が付いたのです。20~30代が主な購買層。ブランド名も当初はなかったのですが、SNSで若者が付けた愛称(TSUYOSI)をシチズンが正式名称にしました。時計を売るなら中高年層や富裕層という定石の逆を行く戦略で突破口を見出したわけです。

なぜ、この事例が重要かというと若者を対象にした商品が少なくなってきているからです。そのため、2022年春には、パナソニックの20代の認知度が53%という事態も生じていました。若者には購買力があります。その若者をもっと意識して商品開発をし、プロモーションをしていかないといけないのではないかという日経の特集がありました。2月17日のことです。一面に「若者から逃げるな」という見出しが強烈でした。

マーケティングを研究していたものとしては、ショックな見出しです。企業で働いている方々、もっと若者ターゲットの商品開発を意識しましょう。

 

4,その他

(1)スタバが立地別価格制導入

スターバックスは、2月15日から立地に応じて提供メニューの価格を変えると発表しました。全国一律の価格制を変えるわけです。

東京都23区は全店、大阪市や名古屋市といった全国主要都市の一部店舗などが対象店です。4%の値上げになります。また、空港や高速道路のサービスエリアでは6%の値上げになります。

すでに日本マクドナルドはコスト負担の重い都心店で価格を高くする「都心型価格」を導入していますし、「ガスト」も同様の価格体系を取り入れています。

人口は東京に流入してきますけど、東京の物価はそれだけ上がるようですね。

(2)サイゼリア、いつ値上げするのか?

たまにサイゼリアにいくと、「安い!」と思います。料理は美味しいと思います。客の立場からすると今の価格で、今の美味しい料理を提供して欲しいと思います。

しかし、業績は必ずしも順調ではありません。24年9月~11月の連結決算は、国内事業の営業利益が計画を15%下回ったのです。食材価格の上昇、人件費の上昇が続いています。特に、9~11月に影響を及ぼしたのは野菜やコメの急激な価格上昇だったようです。

サイゼリアは、「原価上昇を理由に値上げする事は考えていない」と松谷社長は言い切っています。ただ、24年8月期の営業利益率は1.9%。19年8月期までの5年間の平均営業利益率が約5%でしたから、営業利益率の低下は深刻です。セルフ注文システムの導入やメニューの削減などで、人件費などの固定費を抑えてきているのですが、損益分岐点比率が96%になっていて、コロナ前の平均が91%でしたから、いまのところ、働いても働いても利益が出にくい状況です。お客にはおおいにメリットはあるのですが。

サイゼリアはいつまで値上げせずに頑張るのでしょうか?今の値段なら、1割値上げするだけで楽に利益をもっと出せるのですが。「頑張れサイゼリア」とも思うのですが、そろそろ値上げでしょうか?

 

                                     以上