「月刊 流通雑感」NO.165、2018年 5月号(その2) | 流通雑感のブログ

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2、小売業・卸売業の動向

(1)ユニー・ファミマを伊藤忠が子会社に

 伊藤忠は、株式公開買い付けで、ユニー・ファミマHDへの出資比率を約41.5%から

50.1%に引き上げて、子会社にします。

 この時期に、なぜ子会社化か?ということですが、日経MJの解説によれば、伊藤忠とユニー・ファミマの両社で、2017年9月に共同出資で新会社を作っていて、その会社が、自前のポイントや独自の電子マネーの開発に取り組んでいて、年内にもサービスの概要を固めるので、両社が一体となっているほうが良いと考えたのではないかということでした。ポイントカードとか電子マネーとは、いまさらという感じですが、伊藤忠・ユニ・ファミマとしては、需要な戦略と考えているようです。

(2)セブン&アイとイズミが業務提携

 セブン&アイHDと広島県が地盤のイズミが業務提携すると発表しました。新聞に書かれていた提携の内容としては以下の可能性があるようです。

・イトーヨーカドー福山店を来春をメドにイズミに引き継ぐ

・セブン&アイのPBをイズミに提供

・電子マネーを相互に利用できるようにする

・セブン&アイは、イズミの売り場作りを学ぶ

・商品の共同仕入れ(可能性)

・共同出店(可能性)

・ゆめタウンなどにセブンイレブンを出店させる

業務提携をどこまで実施するのかはこれからの進展をみないとわからないが、「西日本の雄」であるイズミと関東が地盤のイトーヨーカドーは競合が少ないので、お互いにメリットがあるのかもしれません。

(3)アマゾン、ベストバイと業務提携

 アマゾンが、アメリカの家電量販店大手のベストバイと業務提携することを発表しました。この意図は、アマゾンが外付け端末として売る「ファイアTV」の機能を内蔵したテレビをベストバイで発売しようとしているのです。

 ファイアTVが発売されれば、それにAIスピーカーを組み合わせることも可能となります。このことが1億人といわれている、プライム会員を増やすことにつながり、アマゾンのサービスがPCだけではなく、テレビを通じても提供されるようになります。

(4)ヤオコーの個店経営の魅力

 ヤオコーは2017年3月期まで28期連続で営業増益を達成しています。その秘密は、チェーンストアとしての個店経営にあるようです。

 川野幸夫会長は、「スーパーの方向は2つで、コモディテイーディスカウント型とライフスタイル型のスーパーマーケットです」と言い切ります。そして、ヤオコーは、後者を選び、提案型スーパーを行っていると。

 それを実現するためには、チェーンストアでありながら個店経営をしていかないといけないと。また、そのために店舗の従業員の全員参加が必要であると。そして、本部は個店へのサポートが仕事だと。それゆえ、店長の裁量はおおきくなります。その代わり、個店の正社員、パートがそれぞれ問題意識を持ち、課題解決に向けて、考えて、提案し、行動しないといけないので、(仕組みで動くのではないので)その育成に大変な時間がかかるわけです。そのため、このような考え方は、他社に伝わっても、すぐに真似できるものではありません。そこにヤオコーの強さも魅力もがあるわけです。

(5)ドンキホーテ、シンガポールで好調

 シンガポールに出店して4ヶ月がたったドンキホーテですが好調で、現在2号店が建設中です。「日本産、日本製、日本でプロデュースした製品」だけを3万点そろえ、日本で大量に仕入れた商品を船便で直接輸送して、販売価格を安くしています。即席麺は、他のスーパーよりも4割も安いそうです。また、ドンキはトレジャーハンティング的楽しみも提供しているので、それがシンガポールでも支持されているようです。どこまで、好調が続くのか、どこまで東南アジアで成長するのか、楽しみです。

 

3、メーカーのチャネル戦略                        

(1)欧州のスーパー、ネスレ商品を販売中止

 欧州の小売業団体「アジュコア」の主要加盟社が次ぎ次にネスレの卸売値は高いと主張し、品揃えからはずす動きをしています。スイスのスーパー大手コープ、ドイツのエデカ、フランスのアンターマルシェなど5社です。アジュコアは、2002年に結成された団体で、6社で欧州に2万1800店舗を抱えていて、総売上高は約18兆円5000億円です。

 欧州では、大手小売企業同士がNBの共同仕入れ会社を持っていることが多く、NBメーカーは、日本などより小売業のバイイングパワーにさらされているわけですが、この事例もそのような欧州の典型例になるかもしれません。

 果たして、ネスレが卸売値を下げるのか?注目される点です。

(2)キリン、PBを供給

 キリンがローソンやファミリーマートにPBを供給するそうです。第三のビールです。第三のビールだからPB供給もやむをえないと判断したのかもしれません。セブン&アイに対しては、「一番絞り」の専用商品を供給しています。

 もしも、第三のビールのPB供給に際して、「一番搾り」の店頭露出を増やすというような条件がついているのなら、メーカーの戦略として理解できるのですが、もしも単純にPB供給して、工場の稼働率を高め・・・などというのでしたら長期的には疑問符がつくような気がします。もしも、そうならなぜ第三のビールの専用商品を提供しなかったのか?なぜ、わざわざPBなのか?

(3)トヨタ、東京の4販社統合

 トヨタだけは、相変わらずチャネル別販売をしていて、「トヨタ」「トヨペット」「カローラ」「ネッツ」「レクサス」とチャネルがあるのですが、2019年4月に東京の4販社を統合するそうです。

 2019年4月に統合会社を新設し、そこで4チャネルの車種を合同で売る店を設けるそうです。そして、車の整備工場や事務部門を統合するそうです。コストダウンですね。合理化です。日産は2005年に、ホンダは2006年に販売店は全車種を売るようになりました。トヨタも徐々にそのように変わっていくのかもしれません。

 その理由は、「チャネルごとの車種の開発は、開発費が膨らむ」また、「保有から共有への消費構造の変化」もこのようなチャネル戦略の変化を呼び起こしているといわれています。

 トヨタが作り上げた車種別チャネルも崩壊するのでしょうか?

(4)カゴメと日清オイリオの共同販促

 カゴメのトマトや野菜ジュースと日清オイリオのオリーブ油の共同販促が5~6月にかけて行われます。

 カゴメの生鮮トマトや野菜ジュースに、日清オイリオのオリーブ油の子袋を取り付けた商材を100万個用意するそうです。そして、全国4000店の食品スーパーなどで陳列展開するそうです。野菜ジュースにオリーブオイルをかけて飲む習慣を提案するそうです。また、トマトの煮込み料理の最後にオリーブオイルをかけることも提案するようです。

 トマトとオリーブオイルの相性はいいと思いますが、習慣が日本人にはないので、習慣にするのは大変でしょうが、体にはいいように思いますね。

(5)アサヒ「グランマイルド」とカルビーのポテチのクロスMD

アサヒの「グランマイルド」とカルビーのポテトチップスのクロスマーチャンダイジングが、全国約3000のスーパーや量販店で展開されます。

マークを集めて応募すると、ツタヤの動画配信サービスで映画の鑑賞に使える5000円分のポイントかグランマイルドとカルビー高級ポテトフライ菓子「グランカルビー」が当たります。

夕食後、ゆっくり自宅で映画を見ながら、グランマイルドを飲みながら、ポテトチップスを食べるシーンを想定しているようです。

(6)食品大手5社、次年度春より全国共同配送

 2019年春より、味の素、ハウス食品グループ本社、カゴメ、日清フーズ、日清オイリオグループの5社は、全国規模の「F-LINE」を発足させます。味の素が45%出資して、筆頭株主になります。

 共同配送と配送伝票の統一をしていきます。

 ドライバー不足や燃料費の上昇などで、物流会社から値上げを求められている現在、効率的な配送システムをメーカー側から共同で構築する必要があると判断したようです。北海道での共同配送の実験では、トラックの大型化や積載効率の向上によって、配送に使うトラック台数を18%ほど減らすことができたそうです。(2018、4、27)

 

4、その他

(1)宝飾品の買取価格は適正か?

 日経新聞が、2~3月に11地域の買い取り業者26店にダイヤモンド、エメラルド、サファイヤの指輪を持ち込み、査定価格を尋ねたところ、最低が5万円、最高が26万円でした。実に5倍の差があるのです。

 比較的高く査定したのは、御徒町の業者とか新宿・銀座の業者で、埼玉や横浜の業者は非常に安く査定しているようです。

 高く査定するところは、転売できるチャネルがあるからのようです。「中国のオークションで転売できる」と答えたところが最も高く査定したところでした。安く査定しているところは「宝石には値段をつけられない」という姿勢で、指輪のリングの貴金属の値段で査定しているようです。

 もしも、宝飾品を売るときには、我慢強く御徒町の複数の業者に査定してもらったほうが良いようです。

(2)丸ビルにロボット配置

 新丸ビル地下1階には、「警備ロボット」の「リボーグ・エックス」(ALSOKが開発した警備ロボット)が配置され、丸ビルの5階には「レストラン案内ロボット」の「ズック」(ハタプロ開発)が配置され、地下通路には「清掃ロボット」(ソフトバンクロボティクスが開発したロボット)が5月に配置される予定です。

 丸の内をハイテク化し、訪日観光客にアピールする狙いです。そのため、2台のセグウェイの乗った案内人も一日3回ゆっくり巡回するそうです。

(3)私がディズニーにいかない10の理由

 日経MJにおもしろい特集がありました。「私が行かない10の理由」というものです。

その10の理由は以下のとおりです。

  1. キラキラしすぎる

  2. コアファンが怖い

  3. 好きなキャラがない

  4. 子共っぽすぎる

  5. 人ごみが苦手

  6. 並ぶのがイヤ

  7. 絶叫系アトラクションが少ない

  8. チケット代が高い

  9. コトよりモノ消費

  10. 作り物はイヤ

いろいろと理由があるものですね。私は単純に⑤と⑥です。とても夢の国とは思えません。単に人が一杯いるだけです。

                                    以上