3、メーカーのチャネル戦略
(1)花王、ネット通販強化へ
花王は、2月に「Eコマース部」を立ち上げました。ネット通販の専門部署です。2020年にネット通販の売上高を現在の5倍の1000億円にしたい計画です。
基本的には、ネット通販でも全方位戦略です。
アマゾン、楽天、ヤフーショッピングなどに「花王MALL」とか「KAO SHOP」などを設けて、そこで消費者に情報を発信し、実際の購入は提携事業者であるドラッグストアとかロハコなどから消費者は購入することになります。
店舗でいえば、コーナー展開しているわけです。
(2)資生堂の日用品の一部、卸経由に
資生堂の日用品の一部の3ブランド「Ag+」「マシェリ」「UNO」を小売直販から卸経由に
変えるそうです。大きなチャネル戦略の変更です。卸経由にすることによって、小売の取り扱い店数を増やしたいという意向です。将来的に、化粧品とトイレタリーのチャネル戦略を区別して展開していくのかもしれません。これはその実験でしょう。
確かに直販のメリットは、よりコントロールが効くということなのですが、価格コントロールの必要がないと判断すれば、卸経由の方がコストもかからないかもしれません。ただし、今の卸は規模が大きいので卸をコントロールすることはできない可能性が高いと思われます。それも考慮の上ならおもしろい実験です。
(3)グランドセイコー、女性用150万以上の時計を販売
セイコーウォッチは、グランドセイコーブランドの高級腕時計を女性用を用意し、発売します。150~190万円の女性用を5月に3商品、7月に3商品発売する予定です。
「海外出張のときに日本の質の良いものを身に付けたい」という声が働く女性から寄せられているそうです。また、「オメガ」「ロレックス」「カルティエ」といった海外ブランドに奪われている富裕層の女性にも販売していきたい意向です。グランドセイコーが女性にも受け入れられるのか注目したいですね。
(4)ヤマザキ・ナビスコからヤマザキ・ビスケットへ
ヤマザキ・ナビスコとモンデリーズ・インターナショナルとで結ばれていたライセンス契約が8月末で終了することになりました。46年間、製造・販売していた「リッツ」「チップスター」「オレオ」「プレミアム」の4ブランドの製造・販売を打ち切ることになります。製造は8月末まで、販売は11月末までです。
モンデリーズ・インターナショナルに「下請けとして製造だけやってくれ」と言われて山崎製パンはプッチンしてしまいました。年間売上高150億円、営業利益の1割を占めていたヤマザキ・ナビスコを止める事になりました。
契約が切れたらヤマザキ・ナビスコからヤマザキ・ビスケットへ社名を変更して、これまでのノウハウをいかした新製品を製造・販売していくことになります。
「リッツ」「チップスター」「オレオ」「プレミアム」の4ブランドはモンデリーズ・インターナショナルが日本でも販売することになります。果たして、この会社に販売力があるでしょうか。この点は注目すべき点です。
4、その他
(1)原価割れのマクドナルド
「マクドナルド 再生は可能か」というコラム欄に興味深い数字が出ていました。2015年前期の直営店(約3割)売上高は1425億円で、材料費・労務費などの原価は1431億円だというのです。これでは原価割れで、営業すればそれだけ赤字になってしまいます。その上、2015年前期にFC店に対して135億円の財務施策を実施したそうです。財務施策というのは一般的にはFC店の赤字補填という意味でしょう。直営店は赤字、FCも赤字では日本マクドナルドの将来はなかなか明るくなれませんね。果たして原価割れの直営店が、30~40%の粗利益率を得ることができるようになるのでしょうか?この難問を自分で解けないのなら、株を売却して、誰かの知恵を借りるのもいいのかもしれませんね。
(2)みずほFGが顧客別組織に変革
金融機関が組織を顧客別にするという記事に目が釘付けになってしまいました。「リテール・事業法人カンパニー」「大企業カンパニー」「海外企業カンパニー」「市場カンパニー」「資産運用カンパニー」という5つのカンパニーに集約するそうです。また、同時に「投資銀行」と「調査・コンサルティング」の2つのユニットを設けるのだそうです。
これらのカンパニーが、「銀行」「信託」「証券」のサービスを一体的に提供する体制を整えていこうとしています。
これからは5人のカンパニーの責任者に権限が移っていきます。顧客の多様化したニーズに、「銀行」「信託」「証券」のサービスをいかに組み合わせて新製品として提供して、顧客の金融に関するニーズを満足させるかのか?正にメガバンクもマーケティング・カンパニーに変身しなければならないことを意味しています。この意味を行員が正しく理解できるのか?その点が問題になってくるように思います。
以上