「月刊 流通雑感」NO.139、2016年 3月号
《目次》
1、社会・消費者動向
(1) 33道府県で人口減少
(2) 過保護採用?
(3) 笑うほど健康?
2、小売業・卸売業の動向
(1)コンビニは大手3社体制に
(2)楽天、成長に陰りか?
(3)インドネシアで苦戦する日系コンビニ
(4)イオンスタイル御嶽山駅前店
3、メーカーのチャネル戦略
(1)花王、ネット通販強化へ
(2)資生堂の日用品の一部、卸経由に
(3)グランドセイコー、女性用150万以上の時計を販売
(4)ヤマザキ・ナビスコからヤマザキ・ビスケットへ
4、その他
(1)原価割れのマクドナルド
(2)みずほFGが顧客別組織に変革
2月の下旬に、河津桜を河津に見にいきました。その後、下賀茂の「みなみの桜」を見にいきました。見事な桜を見て、もう春なんだな~と実感しました。
首都圏に桜が咲くまで、あと3週間くらいでしょうか。
暖かくて、桜が満開になる春までもう少しですね。
1、社会・消費者動向
(1)33道府県で人口減少
2015年の国勢調査結果が、2月26日に発表されました。前回の調査(2010年)に比べ、人口が増加したのは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、滋賀県、福岡県、沖縄県の1都7県でした。最も増加率が高かったのは沖縄県で+3.0%で、2位が東京都の+2.7%、3位が愛知県の+1.0%でした。
残りの道府県では人口が減少しました。減少率が大きかったのベスト3は、秋田県-5.8%、福島県-5.7%、高知県-4.7%、青森県-4.7%でした。
また、東京圏の人口増加率が05~10年の+4.6%から、10~15年は+2.7%となり、増加割合が減少してきているのも大きな特徴になっています。
なお、今回の国勢調査よりインターネットでの回答を受け付けましたが、全体の36.9%がネットでの回答だったそうです。これも大きな変化です。
(2)過保護採用?
子供の就職活動に関心のある保護者は69.5%、保護者の意向を気にする学生は47.0%というマイナビの調査結果があるように、親の意向は子供の就職先に大きな影響を及ぼしているように思います。
そこで企業も学生の内定辞退を防いだり、会社に対する親の理解を深めたりする狙いで、親へのアプローチを増やしています。
・国際自動車(タクシー大手):内定者の家族向けに会社見学イベント「オープンカンパニー」を始めています。
・サイボウズ(ソフトウェア開発):内定者の家族を招いて、感謝参観日を開いています。地方出身の場合には、内定者と保護者1人分の交通費・宿泊費も会社が負担しています。帰り際にはお土産、我が子からのメッセージ、社長と人事担当者の名詞が入っているそうです。
・ローカス(動画マーケティング):社長が内定した学生の実家を訪問し、じっくり話し合いをするそうです。インターンでの内定者の働き振りをご両親に説明したり、会社の案内をしているようです。
・オタフクHD(食品メーカー):入社式に家族を招待しています。内定者には自社製品を送っています。新入社員が壇上でご両親への感謝の言葉を述べたりしているようです。
・イズミ(小売業):入社式に家族席を用意しています。5割の保護者は出席されているようです。新入社員が壇上でご両親への感謝の言葉を述べたり、社会人としての決意を述べているようです。成長したわが子の姿に感極まり、社員を含め7割ぐらいは泣くと言われています。
その他多くの企業が、保護者向けに会社への理解を深めてもらうための活動をしているようです。「オープンカンパニー」や「入社式にご両親を招待」することなどはこれからもっと必要となるように思います。決して過保護採用ではなく、これからますます大切になるように思います。
(3)笑うほど健康?
東大や千葉大などの研究グループが、全国の65歳以上の男女2万人を対象に2013年秋に笑いの頻度と健康状態の関係をアンケート調査しました。
その結果、普段ほとんど笑わないお年寄りが「自身の健康状態が良くない」と感じる割合は、毎日良く笑うお年寄りに比べて1.5倍以上高いことがわかりました。健康状態の自己評価が低い人は、その後寝たきりなる割合や死亡率が高いとされているそうですので、「笑う」ことはとても大切なようです。
そのためか、笑いを取り入れた健康法の人気が高まってきているようです。その例として、「笑いヨガ」などがあります。
2、小売業・卸売業の動向
(1)コンビニは大手3社体制に
2016年9月、「ユニー・ファミリーマートHD」が誕生し、コンビには「ファミリーマート」に統一されます。「サークルKサンクス」という名称のコンビにはなくなります。新生のファミリーマートは、店舗数約1万8千店となりセブンイレブンに匹敵する規模になります。日商はセブン67万円、ファミマ52万円です。
(2)楽天、成長に陰りか?
楽天が2月12日に公表した2015年12月期の国内EC流通総額は前年同期比10.2%増の2兆円7千億円でした。これまで楽天は20%の成長が多かったので、成長に陰りか?と報道されています。10%増で成長に陰りかと書かれるのですから、厳しいですね。
アマゾンとヤフーショッピングが成長していますから、またヨドバシカメラのネット通販も高評価ですから、楽天も大変だとは思います。ヤフーは企業の出店料や売買手数料を無料にして、楽天の8倍以上にあたる37万店を集めましたから、楽天ものんびりはしていられないですね。
しかし、楽天は出店企業へのレビューで利用者が低い評価をした場合、投稿から2分以内に楽天のカスタマーセンターが電話をかけてその理由を聞くそうなので、出店企業の質の向上につながっていくかもしれません。
(3)インドネシアで苦戦する日系コンビニ
日本のコンビには、どこでも成長しているような情報が多いように思うのですが、インドネシアではとても苦戦していると報道されています。
地元の「アルファマート」と「インドマレット」が共に2010年からの5年間で店舗数を倍増させ、1万店を超えているそうです。彼らは、低所得者層が暮らす地域では粉ミルクやおむつなど日用雑貨が中心の小型店を展開し、都市部では惣菜やデザートなども充実させた大型店を展開しているそうです。
しかし、ローソンは店舗数がピーク時の約半数になっており、セブンイレブンやファミリーマートも店舗数を増やせずにいるのです。
日系コンビには、なぜインドネシアで成長できないのでしょうか?
その最大の要因は、外資規制です。インドネシアでは、店舗面積400平方メートル以下の小売業に原則出資できないのです。そのため、日系コンビには直営店を出店できないのです。そのため、現地企業とライセンス契約を結び、現地企業が多店舗化するパターンになるのです。
もうひとつは日本流のコンビニがインドネシアでは通じないのです。日系コンビには、インドネシアでもおでんや焼き鳥を売り物にしようとして、店内調理の設備を備え、広い飲食スペースを設けているのですが、「客は100円に満たない飲料を買い、長く居座るばかり。中食の持ち帰りも想定を下回った」と言われています。要するに、インドネシアでの繁盛店モデルを開発できていないのです。
儲けない店ならライセンス契約をした現地企業も出店を頑張らなくなります。結局、成長はしません。外資規制は、厳しいですが、まずインドネシアでの繁盛店モデルを開発しないと成長しませんね。
(4)イオンスタイル御嶽山駅前店
脱・総合を目指して、総合スーパーの業績不振を打開しようとしているイオン。そのイオンスタイルとして御嶽山駅前店が開店しています。
売り場面積:3127平方メートル:3階建て:従来は衣食住をバランスよく配置していました。しかし、イオンスタイルにして、衣料品はほぼ扱っていません。居心地を重視し、2階に本格的なバルを作りました。ギターの生演奏などもあります。書籍コーナーにもイートインスペースを設けました。そして、1・2階は食品、3階は住居関連売り場としました。その結果、売上高は15%増加しています。
かつてはシニア層が中心だったのですが、今は30~40代が一気に増え、ファミリー層も来店するようになっています。
来店時間も、かつては正午前後と夕方5~6時という「2山構造」でしたが、今は昼ごろから夕方にかけて客数が上がり続けるようになったそうです。
品揃えを変えたら、客層も変化し、売上高も増加しているという良い循環に入っているようです。イオンスタイルのモデル店になるのかどうか?他のイオンスタイル店は成功するのか?「脱・総合」が総合スーパーの業績向上の鍵なのか?興味がつきないですね。