・イスラム教徒が ‟私はムスリムです” と紙に書いて広場に立ったところ……!?
129名の尊い命を奪った、パリ同時多発テロが起きた現場近くのレピュブリック広場に、一人のイスラム教徒の男性が立たずんでいた。彼の足元には、「私はムスリムで、テロリストだと言われました。私はあなた達を信じていますが、あなた達は私を信じてくれますか? もし答えが ‟イエス” なら、私を抱きしめてください」と、書かれた紙が置いてある。
男性は、目隠しをして両手を広げた無防備な状態で立っているが、テロ直後で、市民のイスラム教徒への偏見がピークに達している時だけに、ヘタをしたら襲われかねない。
・優しくムスリム男性を抱きしめるパリ市民達
一体パリ市民は、「私を信じてくれますか?」というムスリムの男性に対して、どんな反応を示すのだろうか……!? すると、一人の中年男性が歩み寄り、ムスリムの彼を優しく抱きしめたではないか! すると、次から次へとある人は笑顔で、ある人は泣きながら男性を抱きしめ、それは日暮れまで続いた。
こうして、悲劇の後でも優しくパリ市民に受け入れられた男性が、先入観と偏見に苦しむムスリムの人々の気持ちを代弁して、あるメッセージを伝えたのである。
・ムスリム男性の力強いメッセージ
目隠しを取った彼は、
「皆さん、私を抱き締めてくれてありがとう。私はムスリムですが、だからと言ってテロリストではないというメッセージを伝えたくて、こうしました。私は誰も殺しはしないし、テロリストはテロリストで、理由もなしに他人を殺す奴らなのです。イスラム教徒は、決してそんなことはしません。我々の宗教は、人名を奪う行為を禁止しているのです」
と訴えていた。
‟ムスリム=テロリスト” だと、怒りの矛先をイスラム教徒に向けることは簡単かもしれない。だが、新たな苦しみを生み出さないためにも、一人一人が先入観と偏見を持たないよう、心掛けることが必要ではないだろうか。
from MSN news