ブログネタ:自分に影響を与えた作品
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ちょっと昔に流行った「マトリックス」は、脳への刺激情報だけでリアルな生活を営んでいると思い込んでいる囚われの人間たちという設定が大変興味深いと思いました。
僕らは普通に宇宙があって地球があってその上に我々が居て、色んなことを見聞きしていると思っているけど、そういった様々な情報と言うものは、必ずしも、僕らが普通に思っているように外から来ているとは限らないという新たな視点を提供してくれたという意味でもインパクトがあったと思います。
僕は昔から個人的にそういうことに興味があって、今では、人間が見聞きしている情報は全て意識の内側から来ているだろうと思っているので、あのマトリックスの設定もすんなり入ってきました。
何故あらゆる情報が内側から来ていると思うかと言うと、量子論の観測問題をというものをよく考えるとそういう結論になってしまうわけであります。
量子の状態と言うのは、人間が観測するまでは確定しないということが分かっている訳ですが、もし情報が意識の外から来ているとしたら、量子の状態は人間の意識に到達する時点で既に確定していることになるので、「人間の意識に届くまでは状態が確定しない」という量子論の結論と矛盾することになるわけです。しかし、もしあらゆる情報が意識の内側から来ていて、最終的に人間の意識を通して外に投影されるのであれば、人間の意識が情報の最終的な出口になるので、そこで量子の状態が確定するというのは極めて自然な結論になるからです。
また、宇宙論での「人間原理」のなぞもそれで説明出来るようになるはずです。
一体何を言っているのか、訳が分からないと思われる方は、ご自分で「量子の観測問題」と「人間原理」という言葉をググってい頂ければ、それらが先端物理学の大問題であることがお分かり頂けると思います。
あと、マトリックスもターミーネーターもどちらも人工頭脳が反乱を起こすという設定ですが、今、日進月歩の勢いで開発されている人工頭脳と言うものは、ある時点から必ず人間の自我意識のようなものを持つはずで、人間自身の心の仕組みが未だよく分かっていない段階で、とてつもない能力を持った人工頭脳が自我を持ってしまったら、制御不能になるのは十分にありうることで、決してSFの中だけの話ではないことを肝に銘じておく必要があると思います。