① その経緯

② 学問観について

③ 過去と未来

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① その経緯

 

最初は心理と教育コースで入学しました。心理学に興味を持っていました(今もあります)。この分野には打算もあり、それは人の心について知ることで、人間関係の構築・維持・回避、または学生対応に資するものがあるだろうという期待でした。それで、放送大学に入る前から心理学入門書の類や男女心理の本は読んでいました(今も読んでいます)。当初は、公認心理師も考えていました。ただ、資格を目指すとなると、望まない科目も修める必要があり、その単位数は、軽視できない量でした。積極的になれませんでした。

 

化学。最初は「カ」の字も意識していませんでした。最初のきっかけは「自然科学はじめの一歩(‘15)」でした。この科目は、全ての理数系科目の「触り」だけだったので、物足りなく、単位認定試験が済んでも、もう少しやってみようと思っていました。高校生のとき、理科系の科目はことごとくダメで、特に化学は控えめに表現して「やばかった」です。しかし、そこまで自覚しているのに何もしないというのもどうかと思い、挽回するなら「今」だろうと考えました。「やってみよう」という気持ちの原体験は「初歩からの数学」です。高校時代、数Ⅰでストップしていましたが、20年度第2学期(入学後最初の学期)に第14章微分まで進んだときは達成感がありました(第15章積分は単位認定試験終了後に着手しました)。

 

その後、理科系科目の復習は、生物 → 地学の順で進み、それとは別に「教養で読む英語」の第14回で化学「熱力学第二法則」が紹介されました。難解ながらも未知の世界を感じました。それで、別の1冊を経てから、『鎌田の化学基礎をはじめからていねいに』を手に取りました。この本のおかげで、それまで分からなかった化学(の入り口)が分かるようになり、その勢いで「初歩からの化学」を履修しました。この「初歩からの化学」は洗礼でしたが、結果的には、単位認定されていたので、もう少し進めてみることにしました。ちょうど、学問分野としては心理学に保留の気持ちを抱き始めていた頃でした。それで、コース変更も可能性として考え始め、やがて踏み切りました。化学は勉強が進むにつれて、背後にもっと大きな世界が広がっているのを感じました。一つ一つの科目がつながり始めたというのでしょうか。