音はつき著/フライイラスト(2020年)『未だ青い僕たちは』スターツ出版文庫
クラスカースト下位であることとアニメオタクであることを自覚している男子高生の原田洋平と、対照的にカースト上位にいる読モの花室野乃花の交流です。
アニメオタクと読モという一見接点のなさそうな組み合わせですが、二人はSNSを通じてやり取りを始めます。読モとしてのアカウントはあるものの取り立てて目立ってはいない花室に比べて、原田はアニオタの世界ではフォロワー1万人以上という有名人でした。そんな原田に花室は興味を抱き、別アカウントを作って、原田をフォローします。
前半部は思春期にありがちな “未熟さ” ゆえに揺れ動く人間模様が続きますが、後半部は、同じく高校生でありながらプロモデルの美香と、カースト上位のイケメンである鈴木と相まって、原田と花室が自身の至らなさから “自分らしさ” をつかんでいく瑞々しい成長が描かれています。
読後感は最高です。
個人的な話ですが、もっと全然違う種類の青春を送っていました。
高校に通い、卒業する以前に、中退したり、そもそも高校進学を選ばなかったりした人もいました。それでも、思春期の心の在り方の一例を知る手段として、少なくない発見があります。