今日本で人気のある英国の作家と言えば、まずアガサ・クリスティ、ジェフリー・アーチャー、フレデリック・フォーサイスでしょうか。
筆者はウィットに富んだ表現や、豊富な取材事実に基づく記述が好きで、後の2人の作品を繰り返し読みます。
このお2人、現代の人なので、今使われている表現がよく出て来ます。
現地の生活を知った上で日本語訳の作品を読むと、たまにですが、「この訳ちょっと違うな」という日本語訳に出くわします。
その代表例が「Managing Director」と「Surveyer」です。
まず一つ目ですが、日本のビジネス感覚なら、「Managing Director」は「専務」ですね。
と言うより、日本の「専務」を英訳すると「Managing Director」になります。
それでは英国の「Managing Director」はどう訳すべきでしょうか? 「逆は真」ではありません。
これは現地のビジネスを理解しない限り、正解は出ません。会社役員の構成が日本とは全く違うのです。
英国の役員の構成は、1.Chairman 2.Managing Director 3. 「Director (Board member)」 があり、この他に役員とは関係なく、一般社員用に 4. Director という呼称があります。
英国の「Managing Director」は、Chairmanの意思決定の下でDirectorsと社員を統率しながら会社組織を動かす、実務面の最高の地位です。
日本の社長は意思決定と業務執行両方の最高責任者になる場合が多いようですが、英国ではこの2つの職務・職権はきれいに分離されており、意思決定はChairman、業務執行は「Managing Director」が最高責任者になるのです。
だから、「Managing Director」を「専務」と訳すと間違いになります。かと言って、単なる「社長」もおかしい。
執行側の最高職務ですので、日本語にするなら「社長執行役員」ですね。
こんな訳では本が売れないって? (苦笑・・・)
次回は「Surveyer」です。