14午後~16日午前に東大地震研で表記の研究会があり,リモートで参加した.15,16日は広島で用があったので移動しながら一部を聞かせてもらったりした.

 

口頭発表37件,ポスター発表20件でコンパクトではあるが,中身はなかなか多様で,おお!と唸らされる発表が院生からあったり,勉強になった.

 

印象として,東北大のO研,T研,名古屋のM・K研,東大のW研,H研等,中堅の優秀な教員の許に面白い院生が集まっていて夫々独自の発表をしている場合が見られ,この分野の引継が上手くいっている印象.質問・コメントは相変わらずTさん,Nさんが中心でこれがある意味この集会を支えている.

 

具体的な内容についてはちょっと離れたものが多くマトモに書けないのだが,少し印象に残った処を.

一番びっくりしたのは,古川さん(東北大)のラメラ組織の数理についての発表で,自由エネルギーと時間発展の偏微分方程式でラメラ組織の形成過程を追っている.アルカリ長石のソルバスが弾性エネルギーを考慮すると87℃低下することも組み込んでいる.

徹底した分析と文献を良くこなしている点では原野さん(名大)の早池峰橄欖岩の組成と組織から部分溶融度等の推定を行なっている仕事はあれでM2か~という感じ.

 

鳥海さんの変成岩の層境界でK-H不安定が生じているのでは,というのは面白い着眼ではあるが,KH不安定が発展すると層間混合が進むはずなのでは(そんな混合層あったっけ?),と思ったりした.K-H不安定が生じる条件を満足しているのか,もある.昔,雲仙の火道が斜めで良く混ざっていて,焼岳では混ざりが悪くて混交状態の溶岩が見られる違いを室内実験でやろうとしたら粘性が高い2相では水平に流しても層流になって全然混ざらなかったことがあった.