2020年頃から能登半島の先端近くで地震が頻発していたので,正月早々の地震がこれほど大きなものだったのは意外に思った.

被災地は崩れやすい第三紀の火砕流堆積物等が多く分布して道路が寸断されており丸5日経っても被害の全体像がまだ十分把握できていないようだ.寒空で食料や水が不足した被災者の方々への救援が一刻も早く届きますよう.

 

気象庁の震央分布図

 

領域dの西側で海岸で3mの隆起が観測されているが,そちら側で震源は浅くなっている.それにしても16時10分のM7.6が圧倒的にエネルギーは大きく,余震分布のかなりの部分はこの時に割れたのだろうか.能登半島のように基盤が所々に顔を出して断層が多い地域でこれだけの規模の地震が起こるとしたら地殻全体にある程度の強度の補修みたいな事がないと難しい感じもするのだが(まあ素人考えです),上昇してきた水の働きがあったものだろうか.

余震分布の東限が富山湾海底谷の辺りで終わっているのは竹内章(2021)地質雑のネオテクトニックな区分に対応しているようだ.(素人が勝手な事を書いてすみません)

 

PS1    2014年の日本海地震予測のF43にほぼ一致しているとのこと.2つの断層からなるが,西側は明瞭に南傾斜の逆断層だが東側はあまり明瞭でない.また,西側の余震分布を見るともう一本南北走向東傾斜の逆断層がありそうだがどんなもんだろう.発震機構からはNW-SE圧縮が考えられているが少し右横ずれ成分が見れないこともない.

 

 

PS2 だいち2号の地殻変動データは能登半島北西部の隆起が顕著.

 

 

PS3 発震機構を見ると断層の走向とは少し北に振っている.横ずれ成分があるということだろうか?能登半島西部のものは南北に近い走向.
 

 

PS4  年賀状でSSさんから,能登で太平洋スラブから水が上がっているというが,なぜマグマが発生しないのだろう?というご意見を頂いた.確かに100-300㎞深さではかなり高温なので水があればマグマが発生してもおかしくなさそう.観測しておられる方々は隆起・地震が生じているので流体上昇を考えているが,はてどちらが正しいのだろうか,私には差し当たり判らない.