表記集会がメールリストで流れていたので申し込んでリモート聴講。主に、伊豆衝突帯の火成活動に興味があるのだが、少しその外側の話題も勉強。今日は昼から講演10件と討論、明日は9:10〜14:00で、講演6件とコメント、総合討論。コンビーナーは山口飛鳥さん。

(1) 山崎俊嗣ほか「海底コアの古地磁気からみたフィリピン海プレートの運動」海底コア試料は従来伏角は測れても偏角は分からなかったのを、短いコアを方向付きで採取できるように工夫して、フィリピン海の日向海山の試料で30Ma以降に50度時計回りに回転した事を初めて示した。

(2) 星博幸「伊豆衝突帯周辺の本州地殻の変形: 陸上地質と古地磁気の証拠」
庭谷不整合、広範、15.5〜15Ma。Kn火山灰15Ma、熊野由来。設楽では回転していない。酒向・星(2014)MTLは17Maには直線状。

(3) 新井隆太「地震波探査から見た伊豆衝突帯の地殻構造とテクトニクス」
伊豆衝突帯の地殻上部、〜中部の詳細な速度構造を示している。高速域〜深成岩体。最近、この著者のjgr論文を見ていたので分かりやすい。


(4) 宮崎一希ほか「中部日本深部のフィリピン海プレート〜太平洋プレートとの衝突による断裂」

 トモグラフィとシミュレーションで二つのプレートの接した処でフィリピンプレートがくっついて断裂してコブを作っている状況を示す。査読中。喋りが上手い。


(5) 中村佳博ほか「伊豆弧衝突で赤石山地基盤岩はめくれ上がったのか?砕屑性ジルコン年代と炭質物温度計からの考察」

めくれあがりは無さそう。


(6) 箱守貴ほか「巨摩山地桃の木亜層群の地質から制約する伊豆弧衝突開始年代」

 12Ma。


(7) 山口飛鳥ほか「瀬戸川帯から伊豆衝突帯形成にかけて沈み込む海洋プレート変遷の復元にむけて」

瀬戸川層群。


(8) 山本由弦ほか「房総半島における間欠付加作用と伊豆弧到達の痕跡」

 房総の地質を調べて伊豆弧の接近が13Ma頃。ハギレの良い話し方だがついて行くのが大変。


(9) 高橋直樹「葉山-嶺岡帯の地質構造と構成要素の起源に関する考察」

長年この地域を丁寧に歩かれ、岩石の起源を調べておられる。13Maからスコリア層が認められる。


(10) 平野直人ほか「嶺岡帯玄武岩の年代測定と古地磁気観測によるテクトニクスの復元」

 圧倒的に聴きやすい。オフィオライトの構成岩の年代と組成の特徴が詳細に示されている。MORB:90-45Ma, IAB: 45-25Ma, OIB: 25-10Ma。


それぞれ活発な討論。参加は現地30. リモート60程度。