地質学会Newsに木崎名誉会員への追悼文(by白石和行氏)が出ていて,2月に97歳で亡くなられたとのこと.全然接点はなかったが著名な方だしどのような感じかと思い表題の本を図書館で借りて読んでみた.

 

学生時代は日高のミグマタイト,その後南極,ヒマラヤ調査に携わり,1972年に琉球大に移られて琉球弧の地質について纏めた本を出版しておられる.日高・南極・ヒマラヤと聞いただけで凄いと思ってしまうのだが,北大地鉱の伝統だろう.

 

表題の本は,はじめてヒマラヤに入った1975年から1980-1985年の文部省海外学術調査の話を軸に,ヒマラヤの地質・テクトニクスについて書かれており不案内な人間には良い入門になっている.

 

やさしく書かれているが,著者の考えを追うのは馴れないとちょっと時間がかかるので,2,3章ずつ4日かけて読んだ.

 

はじめに(5頁),一.まず測ってみよう(18),二..ヒマラヤは低くなっている?(16),三.再測(22),四.ゴンドワナ大陸とヒマラヤ(20),五.ヒマラヤの芽生えはチベットから(8),六.ヒマラヤの根っこ(12),七.堆積物からヒマラヤが見える(14),八.ヒマラヤの裏側チベットでは(14),九.ユーラシアとインドの間に障壁ができたころ(10),十.カトマンズ盆地(10),十一.コンピューター・シミュレーション(12),十二.ヒマラヤの上昇速度(11),おわりに(3).

 

図が判り易く,いくつか.

 

 

若い研究者の仕事を順を追って各章で紹介しておられる.それらの中から幾人かはヒマラヤ研究で大きな成果を挙げておられ,目的達成と云えるのだろう.