今日は9件の発表と総合討論.(9:00-12:00)

 

⑫ 木村学「鮮新世・更新世の琉球弧ダイナミクス」

2つの考え,①15Ma以降継続的にフィリピンプレートが沈み込み.(Seno Maruyama, 1984),②8 or 5Maまでは太平洋プレートが沈み込んでいた.(Clift et al. 2013).大きな転換点は12Ma, 6Ma, 2.5Ma (Kimura et al., 2018 PEPS).九州付近が曖昧.Dataの共有が難しい(中韓日).南海トラフは2.2Ma以降付加体の急成長.多量のSedimentsの供給(Kimura et al.2008).1960年代に大森が河川からの堆積物の供給量を見積もっていた(河川工事前).南海トラフの巨大地震,SlowSlipEvent,微動,不均質に分布.室戸沖海山沈み込み.Rift対称的,6Ma以降にRiftingが再活動,多分Bendingと関係している.PHPプレートスラブは何処まで入っているか:スラブとしては350㎞.(Fukahata et al.2019PEPS).紀伊半島下で切れている(Ide et al., 2010GRL).5.8㎝×6Ma=350㎞.6Maが重要.3つのモデル:①連続沈み込み(Seno Maruyama1984)6Maで加速,② Reccurrence of PHP ssubduction (Kimura et al.2001), ③ Switch from Pacific plate to PHP (Underwood 2019 IAR)..沖縄トラフは1回停止,5Mani拡大再開(Sibuet et al.).九州のCA火山活動6Ma辺りから.IODP Nantroseiz C0025 Tobin, Kimura et al.2018 PEPS 6Maから付加が始まっている.熊野酸性岩類似岩が斜面下にある.Wu et al.2016 JGR700-1000㎞スラブがある.(9:24)

 

⑬ 山本一平(AORI) 「慶良間諸島の地質から復元する琉球弧における白亜紀テクトニクス」

昔:120ー110Maイザナギークラ,70ー60Ma:クラ―太平洋海嶺沈み込み.(Maruyama,1997;Isozaki2010).最近:60ー50Ma,イザナギー太平洋の海嶺沈み込み(Seton et al.2015; Muller et al.2019).付加体の記録を見る.四万十帯は慶良間迄.緑色岩,砂岩,泥岩.ジルコン年代,K-Ar,Muscovite年代,炭質物で温度,EBSD.Green rockはMORB組成.変形は3時期.Zircon:100-140,150-190,200-260Ma.Muscovite: 91.3,90.3Ma(上昇時).最高温度:炭質物のラマンで470-525℃.石英のC軸方位から530℃.古い海洋プレートの沈み込みモデル(Senton,2015;Mueller et al.2019)とは矛盾.Q:Feeder dikeは見つからない.

 

⑭ 西村卓也(京大防災研)「GNSSデータに基づく西南諸島の地殻変動」

琉球列島のGNSS,1994年に始まり,現在は60点のステーション.ユーラシア(Yantze)プレートを固定してみると南部琉球は南へ,九州は回転して複雑.垂直変位は見えない.島弧のブロック運動としてみることもできる.かなり早い沈み込み(125mm/yr).内部変形は少し.全体的なひずみ速度場,伸びが多い.石垣はContractionで固着域のため.SlowSlipEvent,八重山付近,喜界島付近,Trenchに近い処から深さ40㎞まで.SSE,LFEs,RegularE,巨大地震の分布.すみ分けしている.岩脈の貫入イベント8㎜の変位.モデルでは10^8m^3のマグマ貫入. Q(新井)石垣のすみ分けについて. Q(木村)凸凹と関係あるか,はい.

 

⑮ 中村衛(琉球大)「沖縄トラフの地震活動」

この40年間徐々に地震計のネットワークが構築されてきており,その効果を考える必要がある.中部は横ずれ型,南部は正断層型.深さの精度はよくない.最大7-8(10)km.1998,2013年岩脈貫入イベント.中軸からは外れている.Lin et al.(2009)Tectonophysics.CMT解では5㎞以浅が大半.2007年4月20日宮古島Mj6.7,1938年6月10日 Mj7.2, 7.7 Q(新井) USGSで記録されてもJMAで出てこないものがある.ネットワークの問題.

 

⑯ 後藤和久(東大)「琉球列島の古津波履歴」

南部は先島諸島と呼ぶ.記録は約400年遡れる.1966年チリ地震津波,1911年喜界島,1791年沖縄津波,1771.4先島津波(明和大津波30m遡行高).Fujiwara Goto et al.(2002)ES Review.Reef, 津波石,台風時も出来るが産状が少し異なる.津波石の方が大きなJump.Fujita,Goto et al.(2020)PEPS,砂の上にBoulderが載る.先島諸島では3層ある.台風石から台風の規模の推定もできる.890hPaより大規模が必要.Q(新井)地すべりは?明和についてはその可能性もある.

 

⑰ 久保田好美(科博)「東シナ海の古海洋」

東シナ海からアジアモンスーンを理解する.発端:Tada et al.(1992),Dansgaard et al.(1993)Greenland Ice Core.DSDP-IODP LR04(2005) 陸域ではSpeleothem(鍾乳石)の分析から読み取り,鍾乳石ではU-Th年代測定が可能.70万年前まで遡れる.解釈はいろいろ(気温,降水量他).東アジアが重要.長江の希釈水,黒潮,東アジアモンスーン.Zhang et al.(2007).U1429IODP,鍾乳石のデータと良く対応.δ18O.30万年前頃は鍾乳石データは変化がぼやける.有孔虫,水温と塩分濃度を独立に分けて見れる.最終氷期以降,黒潮が流入したかどうかが重要.深さの異なる有孔虫でδ18Oを測定して判定すると,黒潮流入は継続していたと考えられる.Q(山口)8Kaほぼ同じ.Q:鍾乳石のδ18O変動の原因:複合的.

 

⑱ 渡辺奈々(東北大)「第四紀における沖縄本島・宮古島一帯の古地理の変遷」

地質と古生物,分子系統調査と合わない.島尻層群(Pliocene)沈降,琉球層群(Pleistocene)隆起,Sagawa et al.(2001)300㎞の海を渡ってきた?ヒヴァ(蛇)では繋がっている.宮古東方陸域(Sone)浅海.Kaito Toda(2016).慶良間ギャップ0.45Ma以降.Q(岡崎)化石の年代測定について.土壌の年代測定を行ている.Q(久保田)生物による差を見る.泳げる動物等.

 

⑲ 井龍康文(東北大)「琉球層群の堆積史のアップデート」

台湾からの学生さんと最近かなり歩いた.ユニット=シーケンス層序学のサイクル.3-4ユニットある.堆積様式の変化(0.8Ma).0.8Ma以前:41ka周期小さい振幅で記録に残らない(ユニット1).0.8Ma以降,11ka周期大きな振幅でユニットが形成される.(ユニット2,3,4).新期石灰岩は0.35-0.12Ma.全体の層序を統一的に見ることができるようになった.生物地理を考える基礎.

 

⑳ 大坪誠(産総研)「IODP沖縄トラフ掘削計画の紹介」

DBORN(略称).Deactivateされ再提出の予定.背弧海盆拡大の要因.地殻の弱化,マグマ活動?,時間スケール.マグマActive,Passive?

Drilling Target: 南沖縄トラフ,Nishizawa et al.速度構造.3点掘削予定.Fluid circulation, magma intrusion.. SOT--01A(700m)MORB or ARC Volcanics? SOT-02A(300m) Hydrothermal circulation. KH-21-3 JpGUで発表予定.Q(山口)予定地点はKH21.3で変化するか?Low HFなのでより沖のHigh HFの付近は? Q(木村)マグマ掘削のリスクは?検討中.Q(新城)マグマは深くできて上昇するだけでActiveかPassiveかは分からん?

 

総合討論: 集会講演者が順に全体的な話を述べる.

新城(琉球大): Active Passiveは日本海掘削の時と同じ,新鮮味に欠ける.新しいモデルを提案・検証するプロポーザルが望ましい.このままでは魅力に乏しい.南沖縄トラフだと,台湾の衝突とトラフの拡大の関係を考えるべき.その辺までみないと面白味に乏しい.

木村(東京海洋大): 沈み込み帯の重要な問題:Slow earthquakeと大地震の関係.沖縄トラフは多様性が特徴.他でできない提案でDrillableであること.Scienceのコラボ(日中韓台?)

沖野(AORI) 大陸地殻を割っていること.伊豆弧とは異なる.

池上(タスマニア大) 大陸地殻はなかなか割れない.マグマの上昇が効く可能性.