2月15日が出版日と記されているが,実際の出版は3月に入ってからだったようだ.Toramaruさんが本を出版されるという噂は5年位前に聞いたのだけれど,少し延びた.入手して2週間余りになるけれども残念ながら読み通すことは難しい(頭の老化×元々素養不足).いずれにしても物理に基づいたマグマの発泡と結晶化についての本が出て,これから火山物質学の在り方が変わっていくように思った.今迄は記載+熱力学+元素拡散が基本の内容が多かった火山物質学だけれども,この教科書が出版されて,数学・物理が出来て火山に興味を持つ学生さんがこの分野に入るのがメチャ容易になる.あと15年も経てば,火山学会の物質学のセッションの雰囲気は変わっているような気がする.
パラパラ見ていくつか,感想.
・CSDの項(第9章)は,自分が知らない扱いが多く記されていて,十分は理解できていないけれど,他に議論している人を知らないのでReview論文になるような気がした.これも含めて,この本の英文版が出るのが望まれる.
・結晶化についてTsuchiyama(1985)について議論されていて,自分はTsuchiyama(1983)がずっと頭から離れないでいたので意外だった.前者は分配非平衡,後者は核生成.
・Phenobubbleというのは現象としては有るのだろうけれども,所謂バブルウオールガラスと同じかどうか(それについては多分書いてない)かなり疑問に思っている(Toramaru, 2014).
・当方のような表面的な結晶作用の記載研究をしてきた(つもり)人間にとってはかなり驚きの教科書で,分野の方向性を変えれる教科書が出版されたことは,ただ,素晴らしい,としか云いようがない.
・定価が税込みで1万近くして,小屋口(2008)に続いて又か,と思ったけれども,生協に行ったら(7%引き),入荷した2冊は売り切れとのことだったので,今は院生もなんとかできるものか,と感心した.