先日訪れた貝月山花崗岩の薄片写真と顕微鏡写真.Locality mapは末尾に.

薄片写真は幅が24mm,顕微鏡写真のスケールは1mm.

まずは,岩体西南部の姉川沿いの試料(17091202).Open(左図)で汚れて見える部分は斜長石の集合体.石英も異なる方位の結晶が集合しているように見える.
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今日の4枚の中で,この試料だけは,カリ長石のパーサイトが顕著.斜長石の累帯構造は最外縁部のみは明瞭だが内部はやや不明瞭に見える.
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17091203.
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カリ長石にパーサイトは殆ど見られない.斜長石は内部の累帯構造も割と明瞭.ミルメカイトは今回の試料では見られなかった.
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17091204
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カリ長石のパーサイトは若干認められる.斜長石の累帯構造は割と細かく残っている.
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17091205 奥伊吹スキー場奥の露頭.
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カリ長石のパーサイトは部分的.斜長石の累帯構造は比較的細かく残っている.
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Locality map. 産総研地質調査総合センター,シームレス地質図より.
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この貝月山岩体は周囲に接触変成帯が顕著で,深さは分からない(2kb以下,鈴木1975)がやや深い(3-8km)のかも知れない.9×12㎞程度の楕円形の岩体で,深さも数㎞あるとすると体積は数100㎞3で大きな火山に匹敵する.多分,火山のイメージですると,より深部のダイアピルの給源(20-30㎞)からマグマが10万年オーダーの期間,繰り返し貫入して生じたのだろう.苦鉄質包有物は少ないので中位(10-15㎞)の溜りで結晶分化+周囲の部分溶融メルト混成で中性~酸性マグマが生じて,より浅部の堆積岩層に貫入してできたのだろうか.ここから地表へ向かって上昇・噴火したこともあったかも知れないが,堆積岩層の平均密度とマグマ密度があまり変わらないと考えられ,ある程度深くて発泡が抑えられていたとしたら,噴出/貫入の比は小さかったのかも知れない(屋久島同様?).