先週,蒸気爆発関連の研究についてNさんFさんと三宮で話を聞く機会があった.
当方が20年以上前にFさんに蒸気爆発のプロジェクトに加えてもらって論文をまとめたことがきっかけらしい.近年のこの方面の研究の進展についていろいろ勉強させてもらった.
1990年代の火山研究では,蒸気爆発はマグマの熱が如何に急速に外来水に伝熱して爆発が生じるか,というマグマ水蒸気爆発が主なテーマで,Fuel-Coolant Interactionの考えが主流だったと思う.Koyaguchi and Woods(1996)JGRなど.その後,Taniguchiさんが東北大で爆発実験で精密なスケール則を決めていかれた(Goto et al., 2001; Ohba et al., 2002)が,2000年代に入って,熱源として必ずしもマグマを直接考えない蒸気爆発のモデル化が進んだ.
Thiery and Mercury(2009)JGRでは水の爆発性について扱っており,過熱水が減圧によりSpinodal decompositionを起こして爆発を生じる過程が議論されている.
火山学分野でも,Lorenz & Kurszlaukis (2007)JVGRやWhite & Ross(2011)JVGRでのレビューを教えてもらった.マール・ダイアトリーム系の記載からその爆発過程が浅所⇒深所へ,またEpisodicな爆発の集積であること等が議論されている.ただ,これらの地質学的な研究はCO2の役割(キンバライト)や爆発過程については明瞭ではないようだ.
一昨年秋の御嶽山の蒸気爆発もマグマは全く出ていないようで,過熱水が浅所で暴発をおこして噴石,火砕流を生じたようだ.今EPSに特集号でぼつぼつ論文が出始めているのでその爆発過程についての妥当なモデルがそのうち読めることが期待できそうだ.