先日読んだ『泡のざわめき』につられて,メレンゲ(meringue)を初めてたててみた.
卵2個分の卵白をひたすら混ぜて30分.多分卵が少し古く,砂糖を入れるのを早まったためか時間がかかり,汗をかいた.
せっかくなので,顕微鏡で覗いてみた.

白線のスケールは1㎜.ということは,メレンゲの構成は,厚み20-30ミクロンで直径50-200ミクロン程度の泡の集合体ということになる.液体の中に気泡が浮いているのではなく,それぞれが完結したたんぱく質の壁を持つ泡の集合体であるところが面白い.下の文献にはメレンゲの気泡分率は約90%とあったのだが,液部分が連続体にならずに個別の球壁を作るのはどういう条件のためだろうか? *1
泡の強度は泡壁の面積で決まるだろうから,細粒な泡の方が強度が強くなり,角がたつようになる.多分そうだろうと思って最初から30分覚悟で攪拌したので正解だったようだ.最後近くなってから急に強度が出てきた.また,作った後,冷蔵庫へ入れて置いたら,より硬くなった.
カミさんはモーターで攪拌していたが,今回,顕微鏡を置いている出先にはないので,ひたすら小さい泡だて器(手)で攪拌した.
写真はけっこう二次元的にみえるが,BSD(泡のサイズ分布)をそのままで数えてよいものかどうか.泡サイズ分布の攪拌時間経過による変化と泡強度の関係を調べると面白いかもしれない.まあ,その分野は食品工学.
Google scholarで'meringue'で検索すると,結構論文がかかってくる.例えば,
見た範囲では泡サイズ分布と泡強度について検討した論文は見つからなかった.
さて,スフレチーズケーキでお茶にしよう.
*1 多分,内外の界面に極性分子が並んで壁厚20-30ミクロンが安定になる機構があるのだろうと思います.
*2 よく見ると,球壁に明暗の縞のようなものが見える.小さい泡と比べると大きい泡に明暗の数が多いようにも見える.単なる,光源から球殻への反射・屈折の効果で見えているものか,タンパク質分子の光学的性質によるものか分からない.