桜島で8月15日11時頃を中心とした変動について、国土地理院の「JAXAだいち2号」のデータを用いた地殻変動の解析から岩脈貫入のモデルが出されているのをツイートで知った。 http://www.gsi.go.jp/cais/topic150818-index.html
深さ海抜-0.8km, 方位N20E, 長さ1.4km, 幅0.8km, 傾斜77度東, 開口量1.6m, 体積1.76×10^6 m^3で地表の変動の分布や震源分布が良く説明されている。
中村先生によると、深さ-200mから-1400mということで山体の荷重を考えると圧力は20~50MPa程度、マグマの飽和含水量は1.5-3wt.%。火道内対流が起こるかどうかわからないが、桜島の安山岩マグマの元々の含水量が3-4wt%だとすると、ある程度脱ガスが生じているのだろう。
何れにしても、一時にかなりの量のマグマが上昇して、従来の火道から噴火するのではなく、途中から周囲の山体を割って岩脈を形成したことになる。その方が仕事が少なかったということなのだろうが、その分岐の条件は興味が持たれる。
明日、現地で予知連関係の会議が開かれ現状の判断が下されるが、恐らく貫入イベントとして、今回はひと段落なのかもしれない。
ps 井口先生が指摘しておられるように、上昇イベントが一旦止まって暫くして噴火するのが、下の溜りからのマグマの上昇が間欠的に連発することによるものだとすると用心が必要となる。この場合、新たなマグマの浅所への上昇・貫入が地震や地盤変動を起こすので、直前に警報が出せるように思う。
ps2 下の溜りからのマグマの間欠的な上昇について、どのようなモデルが考えられるか。1)桜島では溜りで珪長質マグマと苦鉄質マグマが混合することが知られているが、苦鉄質マグマが深部から供給される際に粘弾性媒体を通る時にマグマソリトンのように間欠的な振る舞いをする可能性がある。2)溜りで下方の苦鉄質マグマの熱で珪長質マグマが熱せられると境界で発泡が生じそれが発達して、Rayleigh-Taylor不安定が生じ、間欠的な境界層マグマの上昇が起こる可能性がある。3)Takada(1994)流にmagma-filled crackの合体がマグマの上昇を促進する場合、一つの合体が生じるとその下方で引っ張り応力が発達して次のmagma-filled crackの上昇・合体を促進するかもしれない。今の処、当方が思い付くのはこの程度で多分外れだろうが、こういう議論を具体的な対象について検討、発表されることを望みます。