地惑連合大会で面白かった話の一つが、下司信夫「陥没カルデラを形成する大規模火砕噴火におけるマグマ溜まりのサイズおよび噴出率」。既に論文はEPSLに公表↓されていて別刷りを頂いたのだがざっと読んでみた感想。 http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0012821X14002192
ポイントはカルデラ陥没前のプリニー式噴火の量と噴火総量が比較的きれいな相関を持っていること(Figure 1,2)が一つで、あとは簡単な解析モデルで陥没条件を検討すると誤差は大きいながらも実際のデータがきれいな関係を示し、マグマ溜まりでの発泡度も5-10%程度として全体がうまく説明できるということのようだ。
違和感があるのは後半の結果で、大きなカルデラ程、マグマ溜り総量に対する噴出マグマ総量の割合が小さくなる傾向(Figure 6,7)を示すこと。感覚としては大きなカルデラでは出きってしまう感じを持っていたので逆のセンスになる。阿蘇(今回のデータには含まれない)やクレーターレークなどで後カルデラのマグマが苦鉄質が多く、溜りに珪長質マグマが多くは残っていないように考えていたのは誤りなのだろうか。カルデラのピストンが大きくなっても剛性を保つという仮定が関係しているのかもしれない。カルデラ噴火がどのような機構で終わるのか、という問題とも関連している。まだ、なぜこのような相関が出たのか、もう少し検討が必要なようだ。
この分野の論文は殆ど読んでいないが、具体的な噴火パラメーターのデータベースを元にカルデラ噴火のスケーリングを行ったこの論文は叩き台となるモデルを提示しており重要だ。