先日訪れた九重火山,黒岳溶岩の薄片をざっと観察してみた.
場所図は次の通り,(右下をクリックすると拡大します.)

全体としては,11番を除いたらほぼ同質の安山岩.斑晶としては,斜長石,石英,角閃石,黒雲母,普通輝石,斜方輝石,不透明鉱物で,マグマ混合の組織がよく発達している.斜長石斑晶は10-20%程度で,逆累帯構造構造(汚濁帯)をもつものとそうでないものが見た目で半々程度含まれる.輝石斑晶の量はあまり多くない(数%以下)だが,11番だけはやや多め(5%程度)で大きいものが含まれていた.
石基は結晶質でガラスは30%以下のように見える(反射顕微鏡観察)。何故か噴出後も結晶作用が進行して結晶度が上がり溶岩の粘性(降伏応力)が増大して急な末端を呈するようになったと考えて悪くなさそうだ。
代表的な薄片写真 02番

07番

09番

一見,異なるように見えるが,石基の酸化度の違いが見掛けを変えているようで斑晶はほぼ同じ.
11番

斑晶鉱物組み合わせは同じだが,輝石が大きく多い.

黒雲母斑晶

角閃石斑晶の周囲の反応縁

斜長石斑晶の汚濁帯は多様.
松本ゆき夫先生が書かれたように,黒岳溶岩というのは単一ではないのかも知れない.(今更ですが) 来年度に地質調査所の図幅が発表されるようなので、その結果を見たいものです。