26日にIAVCEIから帰って、この本を受取り、序章を読んで全体を眺め、構成の斬新さに驚いた。

序章は富士山全般についての解説、研究史、周囲の人々と防災等について材料を吟味して書かれている。

第一章から実際の現場を訪れることを想定した、コースガイドを行いながら、富士に関する様々な情報を盛り込んであり、長年この地域を歩き、文献を調べてこられ、富士山に関する各種の委員として活動してこられた著者ならではの内容が記されている。

カラー口絵22枚と、各章の最初に置かれた白黒立体地図のコース図、多数の露頭写真、遠望写真等、文章とからみあって豊富な内容を伝えてくれている。私は足掛け25年、学生さんと15回位富士山を訪れたが、露頭写真の半分を見たかどうか、といったところで、読み終えて、また何度も現地を訪れたいと思う。

第一章:江戸幕府をゆるがした噴火ー宝永噴火コース
第二章:変わる麓のすがたー貞観噴火コース
第三章:土砂に埋もれた原野ー東麓コース
第四章:火の道、水の道ー南東麓コース
第五章:崩れゆく富士山ー西麓~南西麓コース
第六章:相模国をおびやかした噴火ー北麓コース
第七章:富士山頂ー山頂登山コース

所々専門的過ぎるのではと思った記述もあったが、判り易く書かれているのでゆっくり読めば一般の方でも十分理解できるだろう。普通の解説書では扱われない内容が半分以上になるように思うので、ちょっと普及に心配な気もするのだが、思い切ってジオパーク規準で必要な内容を盛り込んであり、広い意味で富士山の地学に関する新らしい標準になると思う。

著者はその火山に関するホームページでも昔から豊富な内容で知られているが、早速この本にリンクして地図等、種々の情報が得られるようになっており、本を生かすためにもHPを参照するのが有効なようだ。

勿論、Twitterで著者が発信される内容も最近は富士山に関するものも多く勉強になる。