朝起きると8時前で慌てて食事をして出かける。御所を早歩きで35分でギリギリ間に合った。
最初の講演、鍵講演を聞く。マントルの酸化状態の推定にダイヤモンド中のフェロペリクレース中の2価クロムの存在が制約を与えるかどうかについての実験的検証で、結果としてはフェロペリクレース中の2価クロム量は酸化状態に殆ど依存しないため有用ではない、という結論。西原ほか、大内ほか、土屋さん達の仕事は鉱物物性の工夫された測定からマントルダイナミクスについての推論をするもので、最先端なのだろう。観測、実験が論理的に組み合ってきれいな話。
会場を替えてR7「岩石・鉱物・鉱床」へ。大和田さん達の「南中央モンゴルの古生代火成活動」途中から聞いたが、大きなプロジェクトの一環の報告のようだ。
越後さん達は「流紋岩溶結凝灰岩中の球晶」の話。いったん外側にCa-rich rimが生じ、中心に核ができて放射状に長石とクリストバル石が晶出するというモデル。MOさんから何故球状なのかという質問がでて、私も以前KN大の学位論文で類似した産状のものが石基ガラスの脱ガラス化でガラス中の水が飽和したと考えられる例があることをコメント。松本先生という方は存じ上げなかったが、島根大の近傍の火山岩を学生さんと精力的に調査しておられるようだ。児玉・三宅は南極の高温変成岩中のTernary feldsparの微細組織の解析。以前Hokada(2001)で記載されたものをSEM, EBSD,TEMで分析。細かい2方向のラメラ(010)(910)が観測されそれらが生じた順序を記載していた。冷却の時間スケールについての情報が取れると面白そう。
上田ほかはウルトラマフィック岩中のシュードタキライト中のスピネル結晶のスポンジ状溶融組織について、で脈の中の組織の変化や実験との対応からスポンジ状組織がTsuchiyama(1985)が斜長石について行った溶融組織であることを議論しておられた。粒間にガラスが残っているとのことで、Tsuchiyama(1983)のTTT図から温度履歴についての制約も可能なように思った。武内・荒井は目潟火山のかんらん石ノジュールでカタクレーサイトが発見され、記載されていた。続く3件もArai研の方のオマーンオフィオライトについての岩石学・地球化学。特に面白かったのは最後の秋澤さん達の仕事で、セグメンテーションと鉱物化学組成が対応していて縁と中心部できれいに枯渇度の違いが現れていた。
お昼はまずポスター。何件か説明・議論してもらったが、肝心の竹島の灰長石巨晶の反復累帯構造のポスターは人がおられず残念。岩城島のエジリンサイエナイトは露頭位置や写真があったので許可をえて撮影させてもらった。M川さんにも久しぶりでお会いできた。その後、H島さんが推薦しておられた、京都大学総合博物館を見に行く。特別展としては「陸上脊椎動物の多様性と進化」というのをやっていたが、常設展には今西グループのゴリラ・チンパンジー・サルの研究や、小麦の木原先生のコーナー等、世界的な仕事が次々と出てきて展示とは言え、背景の研究のレベルを感じさせる。
午後は又、R7セッション。荒井先生の超高圧クロミタイトに特徴的な組織はあるのか?という講演。世界で2カ所で明瞭な超高圧(ダイヤモンドやコーサイト)クロミタイトが見つかっているが、形成は浅処で見分けは難しいらしい。松影さん達は実験と計算から灰長石の弾性波速度が、相転移付近で弾性軟化が生じるという話。相転移の構造的な意味がよくわからなかったが計算もしている。続く土屋旬さん達は第一原理計算でリザーダイトの弾性異常。
星野さん達は、日本のモナズ石の希土類元素の挙動について。Iタイプ花崗岩に含まれるものはLREE
に富み右下がりで、Sタイプ花崗岩中のものは中希土に富みややフラットな組成になる。地道な記載。次のKhishgeeさん達のモンゴルの金山の記載岩石学的な仕事、なかなか精力的に記載しておられ、今後は化学分析も行っていくようだ。セッション最後は菱刈鉱山のスメクタイトの粒径特性と同位体組成の話。
久しぶりで鉱物科学会年会に参加したが、結構この分野は活発になってきていて、多いに勉強させてもらったが、一方先頭はどんどん遠くなっていく感じである。