火山で好きな処というと,富士宮口5合目から宝永火口へ向かう御中道と,大山ニノ沢のどんずまりの秋があげられる.両方とも何回も行く間に愛着ができた面もあるし,静かで明るい森林と沢の境界という点で似ている.
 
それはともかく,今日はたまたま手近にあった薄片箱.1988年に初めて学生さんと冨士の宝永火口へ行った時の薄片から何枚か.全部玄武岩質だと思うが,発泡組織や石基結晶度が様々である.いづれも斑晶に乏しく,宝永噴火の産物には違いないが,これらがどのような違いを反映しているものか,マグマの最後の挙動は結構複雑としか言いようがないのかもしれない.
 
まずは宝永第一火口の写真(2009年9月の巡検時に撮影)
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火口底の明褐色の部分は噴火最後のストロンボリ噴火で生じた噴石丘.恐らく雨が降っていた.
 
以降は,上の写真の正面に見える左上に登る登山道の周囲で拾ったスコリア,火山弾,噴石の顕微鏡写真.
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気泡が小さく縮退したような形状で,石基の結晶度や結晶サイズが小さい.発泡度も30%程度.スケールはいずれも1mm長.
 
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次は気泡が大きく発泡度も良いが,結晶度や結晶サイズが比較的小さいもの.気泡の形状はやはり球からは外れるものが多い.
 
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発泡度は60%程度あるが,気泡がやや大きいものが多く合体が生じたのかもしれない.結晶度は中程度.
 
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これはさらに気泡が大きく発泡度もやや高い.結晶度はより高くなっており,石基にかんらん石も目に付く.撮影装置に慣れなくて,色が時々変になるがまだ原因不明.
 
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これは緻密なブロック(火山弾).結晶度が高くなっているが,これが何処で何時晶出したものか.火口出口付近に溜まって脱ガス固化した後吹き飛ばされたものだろうか.