一昨日からTwitterに入ってみていたら、昨日夜、富士山の直下でM=6.4の地震。
地震そのものは局所的な揺れは強かったものの被害はそれほど大きくなかった。
早速その解析結果がusa_hakaseさんによってTwitterで紹介されていた。(神奈川県温泉地学研究所)
この発震機構が一応南北圧縮なのだが、従来の地震と異なって斜の主応力軸になっていて変。マグマ溜りの浮力の影響が出ているような気がする。
で、先ほどTwitterでYusuke_Suzukiさんが、国土地理院に出ていたこの地震に伴う水平変位の図を紹介して、気にしておられる。
全く同感で、富士山を中心に放射状に(南側は例外)膨張している。震源は富士山頂のすぐ南で深さは10㎞。富士のマグマ溜りの位置は以前の地震のトモグラフィ(Nakanishi, 2007 jgr)だと低周波地震が起きている山頂北東側の低Vp領域(15㎞深)という考えもあるし、もっと深く20-25㎞という意見もあるようだが、いずれにしても今回の地震の発震機構はちょっと変で、一応富士山の活動に対して気持ちの準備をしておこうと個人的に思った。
地震の発生が、マグマ溜りからの揮発性成分の上昇が引き金になった可能性もあるが、水平変位が大きいのでマグマが上昇してそれに伴って生じた可能性も十分あるように思う。まあ、この点は素人の勘なので、プロがきちんとモデル計算をして公表してもらえれば良いのだが。
東電の原発震災対応にしてもそうだが、事が起き始めたら、加速度的に事態が悪化して人間の対応が後手後手に廻る。最悪のケースに対して予め準備しておく(この場合は宝永・貞観級の噴火)のは、もし来なければラッキーであるものの、来る可能性がある程度の確率で存在する思っていた方が良い。噴火予知連はどのような検討をしているだろうか。
PS Hi-net* での解析結果を見ると、余震分布は富士山から南南西に向かって深くなる面に沿っている。その一方で発震機構で見るとP2軸が東北東で逆断層的になっていて余震分布と合っていないように見える。防災科研の火山関連が見れなくなっているが低周波地震は出ていないだろうか?
PS2 usa_hakaseさんのTwitterで地震調査委員会から3.15地震の評価が出されたのを知る
これだと,北東-南西走向の南東落ちの断層で左横ずれとされている.でもそれだとGPSで北側近傍の測点が北へ動いたのは説明できない.全般的には確かに南北圧縮,東西伸張なのだが…
PS3 usa_hakaseさんのTwitterで防災科研の新しい解析結果があるのを知る.
F-netによるCMT解だと,余震分布と良く合って横ずれ断層型とのこと.GPSの北側近傍の北への動きはGPSの測点が断層面の東側に入っていたら問題はないがどうだろうか.余震分布が南南西深さ15kmから富士山頂へ向けて6kmまで浅くなっているのは何なんだろうか?これまでこのような横ずれ断層は観測されたことがあるかどうかも気に掛る.
PS4 usa_hakaseさんのTwitterで紹介された神奈川温泉研のデータ,3.15地震の余震の時系列
PS5 terumitsubeyaさんの紹介で,産総研のプロット,3.15地震と周囲の地殻構造や過去の地震震源との比較.
PS6 考えてみると,今回の3.11地震で東日本の上部地殻は東へ移動したので,富士山付近ではかなり東西伸張になったのだろう.それで,マグマが上昇し易くなった側面と,地殻内に留まり易くなった側面とがあるだろう.20-25kmの深さにあるマグマ溜りからはマグマが上昇し易くなったのだろうが,噴火に繋がるかどうかは微妙なのだろうか.3.15地震は東西の伸張で横ずれが生じ易くなったために生じたと考えることができる.
PS7 防災科研の火山のデータが見れるようになった。3.15以降、それまであった山頂北東側深さ15km付近の低周波地震は見られない。(3.18)
PS8 防災科研の富士GPSデータで幾つかの測線が3月11日以降伸張になっているのだが、いずれもFJMVの観測点が関与している。この観測点の位置が判らないので、膨張の位置も不明。⇒TwitterでYusuke_Suzukiさんのご指摘で富士宮であることを知る.FJ6V-FJMV間が伸張しているのはその下にマグマが南北貫入したための可能性も.でも測線は斜めなので,歪速度は見掛けよりも1.5倍は大きいはず.歪速度は10日で5cm/16kmなので3*10~-6.この調子でいくと地表での破壊限界(10^-5)は30日程度でくる.指数関数的に増加するともっと早い可能性も.一方で,地域全体が東西伸張なので地殻にマグマが溜まって出てこない可能性も.